スーツは男の戦闘服 -2-U





「アンダーソン君。退きたまえ」
不機嫌全開のスミスの声。
「移動時間込みじゃ、ゆっくり喰えないだろう。あんた、まともな食事してるのか?」
「君に心配される筋合いじゃないよ。さあ、早くそこを退いてくれ」
立ちはだかるアンダーソンの身体を押しのけてボタンを押したスミスの肩に、逆に手をかける。
「何の・・・!」
そのまま身体ごと、奥の壁に押さえつけた。
「何のつもりだ!」
エレベーターの加速のGを感じながら、アンダーソンはスミスにのしかかるようにして顎を捕らえ、強引に唇を重ねる。
スミスの目が驚いたように見開かれ、怯えの色が走る。
しかしそれはほんの一瞬で、すぐに強い怒りを込めた目に睨み返された。
「ぐっ・・・!」
突然アンダーソンは呻いて、スミスから身を離した。
そのまま、急な痛みに顔をしかめて、平然としたスミスの顔を見る。
スミスが膝で、自分の急所を蹴り上げたのだとやっと気付いた時、エレベーターが止まった。
うずくまるアンダーソンを残し、スミスはさっさと降りてゆく。
ご丁寧に1階とcloseのボタンを押して行った。
「〜〜〜〜っ!」


さあ、どうする?

後を追う    ◆追わない

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