小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2014/06/01

桑名〜多度 2014年5月

GW前半に旅した出雲地方では雨のため満足に走ることができず、ストレスが溜まっていました。それならばと近県を軽く走ってみることにしたのでした。


自転車を積み込むのはしばらくぶりで面倒でしたが、済んでしまえば電車の輪行よりラクですね。せっかく積める室内があるのですから、もっと車を活用しないと。特に妻のロードバイクは9kg少々で軽く、これなら気楽に積載できますし。
自宅から国道23号を通って桑名の九華公園に到着したのは9時過ぎ。天気が良く、気温もちょうど良い程度。快適なサイクリングができそうでした。


自転車を2台積載


九華公園からスタート

今回はサイクルトレインと呼ばれるものを初体験してみます。あいにく桑名駅からは利用できないそうなので一つ先の駅へと、混雑しているR1を一部通りつつ、快晴の桑名市街を抜けて養老鉄道播磨駅へ到着すると、駅舎も無い無人駅でありました。
無人駅からの乗車なので車内で切符を買います。自転車持ち込み料金は不要です。すばらしい! ただ、自転車を固定するスペースなど無く、席について倒れないようサイクリストは支えたまま座ることになります。このあたりのユルさもまたよろしいじゃありませんか。


播磨駅は無人


倒れないよう手で支えます

ぼんやりと窓の外を眺めていると、10分ほどで多度駅に着きました。輪行に慣れてしまっている身としては、電車から降りた後に組み立てる手間が無く、すぐに走り出せることに少々違和感はあるものの、これはこれで便利であります。
駅前通りを抜けて多度川沿いを遡上、雰囲気のある街道風情を味わいつつ緩い坂道を上りつめると多度大社へ到着しました。


多度大社へのアプローチ


比較的空いていました

春の連休中にしてはずいぶん空いていましたが、数日後に上げ馬神事を控えて準備中のご様子。なるほど観光客のお目当ては神事本番であって、その前後は参拝客が少ないのかもしれません。


上げ馬神事の準備中


鉄板ナポリタン

大社を出てからは、どこかで昼食にしようと交通量の多い県道26号を東へ下りていきます。
国道258号沿いにゆっくり休めそうなカフェがあり、懐かしの鉄板ナポリタンを味わいました。いえ、懐かしいと感じるのは愛知県民だけかもしれませんけれど。

食後は桑名へ向けて揖斐川沿いを南下していきました。
西風が心地よい。それに鳥たちのさえずりが実に豊か。ムクドリやスズメ、カラス、ヒバリにウグイス。ここは木曽三川河口近く、揖斐川の向こうは木曽川だ。
こうして春の穏やかな風の中を河川敷沿いにゆったりと走っていると、自分の心身が一時的に臭い娑婆から遠ざかるかのような気がするような、不思議な感覚に包まれるのでした。楽園とはどこか遠くの国にあるものでもなく、決してたどり着けない別世界にあるのでもない。もしかしたら、こうした何げない身近な場所に存在するものなのかもしれません。どうしてわざわざ自転車に乗るのか、健康のためなどというしっかりした考えなど無い私にはうまく言葉で説明できません。けれど、己が無から生じたのではなく、彼岸/黄泉の国から来たことを何となく確認したいような気持になりたいのかもしれません。


揖斐川沿い


コーヒーがおいしいカフェ

揖斐川沿いの道も国道1号を横切るころから交通量が増え、気温が上昇してきました。28℃だそうです。まだ体が暑さに対応できていなくて、クラクラしてくるころに桑名に到着。昭和な雰囲気満点の寺町通りの商店街を通りつつ、商店街を出て少し走ったところのカフェで休憩しました。強い日差しにも慣れていないのに無理することはありません。
ベリーのチーズケーキもさることながら、コーヒーがすばらしい!
お店のスタッフに尋ねると、なんとここのマスター(当日は出張で不在)がサイフォン部門で日本一の腕前なんですって。なるほど、私はドリップ派でしたが、このコーヒーを味わって考えが変わりました。淹れる方法ではなく、心が大事なんですね。
ここの若くて健康的な男性スタッフが大いに自転車に関心があると話しかけてきました。ロードバイクが欲しいけど何がいいのか迷ってるとのことです。知人にはいきなり高額な高性能車を薦められているそうです。僭越ながら、私からはこうアドバイスさせていただきました。
初めは入門用の10万円前後のロードバイクで十分。自分自身がレース志向なのか、ポタリング程度なのか、ロングライドが好きになるのか、手軽なカーサイクリング派なのか、あるいはスポーツ自転車が合わずに止めてしまうか、始めてみないことにはわからないからです。

最後にもう一度揖斐川沿いを走って終了。今回の走行はたった20km少々。走行距離を競うわけじゃないし、こうして無理せずにゆっくり見て回るサイクリングもいいものです。

帰路、国道23号の対向車線が事故で通行止めでした。数台が衝突したらしく、中には1台炎上した形跡もありました。連休は事故が多い、気を引き締めて安全運転して帰りましょう。
後方より激しく煽ってくる大型トラック、信号待ちでよく観察すると前部ナンバープレートが見あたりません。あっ、乗用車でいうところのダッシュボードの前に置いてありました。しかし何かが被さっていて数字が読みとれなくなっています。白ナンバーの大型車は特に注意が必要です。一秒すら惜しく、生活がかかっていることがあると聞いたことがあります。私のようなお遊びレジャー車両と比べてはいけません。
国道23号を外れて国道1号に入ったところでレー探が激しく反応。あれれ、オービスは反対側なのにおかしいなあと思っていたら設置型のレーダー発信器が目に入りました。もちろんその先にはサイン会場。あぶなかった、安全運転していてよかったと思った瞬間でした。
カーサイクリングは手軽な半面、家に着くまで気を抜ける時間があまり無く、体力を十分残しておく必要を改めて感じました。
                           (おしまい)