小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2015/06/14

2010 Anchor C9 タウンライドカスタム

購入当時は長距離/旅用まったり仕様に豆カスタムしていたAnchor C9でしたが、年月とともにパーツは劣化。さらに長距離/旅用にRALEIGH CRN導入に伴い、近距離用途や夜間に使う機会が増加すると、まったりサイクリングでは何とも思わなかった細かい箇所が気になるようになってきて、ふだん使いのためにカスタムすることとなりました。
また、RALEIGH CRNの具合がまことによろしい反面、Anchor C9の不満点がくすぶりだし、カスタム箇所が広範囲に及んだ挙句、2015年6月に手放しました。


ハンドル
ハンドル C9オリジナルのハンドルに慣れたはずだったのに、RALEIGH CRNと比べてしまうと今ひとつ。日本人体格向けのハンドルバー:DIXNA J-Fit(400mm)へと交換しました。下ハンが持ちやすいだけでなく、上部やブラケットポジションも取りやすい。数値的には小さな差ですが、体感的には大きく、疲れてきたときなど助かります。
価格は¥3,928+送料¥500でした。(税別、14/11月)
家内のGIANT AVAIL2(ロングライド用中位モデル、DEFY 2の女性向け)に取り付けた、少し安価なシマノPRO LT OSコンパクトとの体感上の違いはわずかです。

バーエンドにはバックミラーを付けました。

デュアルコントロールレバー
2010モデルのC9は評判の良くない旧型SHIMANO SORAで、シフトアップを親指操作するタイプです。こちらも慣れたはずでしたが、RALEIGH CRNの105にひとたび慣れてしまうともうダメ。いつの間にか親指でなく中指の先を探ってしまい、あれれと思うようになりました。
当初はTiagra化も考えましたが、リア9速→10速化の費用も上乗せされるので断念。旧型SORA(3400系)を新型SORA(3500系):ST-3503へと換えました。この型番から上位コンポと同じ操作方法となり、戸惑うことはありません。新型になって多少性能向上されたようで、旧型3400系のときよりもレスポンスが良く、少ないストロークで変速できる感触。家内のGIANT AVAIL 2のフルTiagra 4600系と比べても、変速性能自体はあまり差がないか、むしろレスポンスが良い気がします。
フロント/リアメカ付近で発生するカチャンという安っぽい音や感触、たまにタイムラグもあって、このあたりはTiagraよりも安価なグレードであることを実感しますけれど、こんなもんだと慣れてしまえばそれまで。他人と速さを競わないのなら、飛ばさないならこれで十分であります。
フロント/リアメカは3400系のまま、素人作業&他社カセットスプロケット、非純正変速ワイヤー、非純正リアメカプーリー、変速バナナ使用ですので、ALL新型SORAコンポなら、もっと良い性能かもしれません。
価格は¥15,298でした。(税別、14/11月)

サイクルコンピューター
通勤には時計が必需品なのですが、防水の物がなかなか見つからず、Sirrusで使っていたサイコン:CATEYE VELO9を移植。旅用途のC9には取り付けないはずでしたけど、用途変更したので見た目や雰囲気は二の次です。
電池寿命が長い(3年)ところがポイント。スピードメーター、平均速度、MAX、トリップ、オドなど、数字が好きな現代人は嬉しい機能が揃っています。しかし、何か急かされている気がしてあまり好きではなく、個人的に時刻を見る以外のメリットがありません。スピードメーター表示よりも時計表示を大きくしたいです。
ただ、サイコンがないと通勤途中に不意に旅モードになってしまって、通勤経路を逸れてどこかへ行ってしまいそうなのです...
抑止効果もメリットの一つでありましょう。価格は¥1,800でした。(税別、14/5月)

フロントバッグ
以前Specialized Sirrusで通勤用に使っていた、OSTRICH F-516のフロントバッグを転用しています。価格は¥3,688。(税込、13/12月)
当初、推奨のフックキャリアKを使ってワンタッチで着脱することもやってみましたが、フロントバッグに重量物を入れるとグラつき、走行中の異音だけでなく耐久性に不安があります。
現在はハンドルバーにFogliaマルチマウントハンドル用(ホームセンターで¥1,580×2)を介して取り付け、下面はフロントキャリアに直接載せるようにしています。着脱がちょっとだけ面倒な反面、がっしりと固定されるのでバッグに重量物を入れても安心、快適です。
デュアルコントロールレバーの変速ワイヤーには“変速バナナ”という部品をつけて経路を変更、フロントバッグと干渉しないようにしています。

フロントキャリア
フロントバックを下から支えるフロントキャリアは幅広の、わりとガッチリしたものを。少々重い荷物を入れてもバックの変形や垂れさがりなどに気を使いません。
GRKカンチ台座フロントキャリア ATB-FR。¥1,820でした。(09/12月)



チェーンリング
チェーンリング
荷物を積んだ長距離走行ではほとんど使うことの無かったアウター:48T。荷物の少ない近〜中距離走行では多少速度が上がり、アウターを使いたくなりますが、貧脚の私には48Tですら重い。できれば44T程度にしたかったのですが、C9のクランク:SUGINO RD2T(PCD130)にはPE130 46Tが最小のようです。

交換後は変速が劇的に改善、といっても交換前の変速性能がかなりノスタルジーなタッチだったので、至極フツーになりました。
ただし、RD2Tにはサイズが微妙に合わず、そのまま取り付けると歯が外側にオフセット、トップ側の1,2速がフロントメカと干渉します。そこで電動グラインダーを使い、0.3-0.4mm取り付け面を研削しました。2速は干渉しないが、1速が微妙に干渉するという、これまでと同じ感触になり、快適に運用しています。
価格は¥7,873でした。(税別、15/1月)


リアディレイラーのプーリー

交換前
こちらは交換前

交換後
交換後 微妙な差し色

換えようとは思っていませんでしたが、どうもトップから3→4速と4→5速の変速タッチが鈍く、乗りこんでいくにしたがって、時折変速しきれずに、チェーンがスプロケットギアの上を空回りしてしまう現象が頻発するようになってしまったため、試しにと思ってつけてみました。
結果... 特に効果はありません。Sirrusではしっかり効果を感じたのに。
変速の鈍さは、ショップに持ち込んで変速ケーブルを調整してもらい、多少マシになった程度になったのが2011年の初め。
前述したように2014年にデュアルコントロールレバーを換装してからは変速性能がまともになりました。

スプロケット カセットスプロケット
交換前:13-14-15-16-17-19-21-23-25T
交換後:12-13-15-17-19-21-23-25-27T
BBB BCS-09S DRIVETRAINに交換、わずかにワイドレシオ化されました。
トップ側はどうでもよく、ロー側の25→27T化をやりたかったのです。たかだか2T。されど2T。フロントのインナーが28Tなので、限りなく1:1に近づきました。

Anchor C9はフロントトリプルで既に相当ローギア志向。
体力も気力も充実した元気な諸君や、ふだんから鍛えている諸兄、長距離は走らない方々には無用の長物でありましょう。しかし、体力不足な私には事情が違うのです。
体力十分なうちはメリットを実感することもないのですけど、脚力の貯金を使いきってしまったとき、それでもさらに上らねばならないとき、その上りが7〜8%前後以上の勾配のときという限定された状況で絶大な効果があります!
SHIMANOではないスプロケットではありますけど、SHIMANOのスプロケットよりもむしろ変速のレスポンスが向上したくらいです。
価格は¥4,253でした。(11/5月)

ブレーキ
C9標準装備のTEKTROカンチブレーキはブレーキシューを交換しても、感触が今一つで、緩い下りでもブラケットポジションでは心許なく、下ハンを握る必要がありました。
もう少し何とかならないかと、SHIMANO BR-CT91に交換したのが2011年8月。(価格は当時フロントとリア併せて税込¥1,692) Vブレーキよりははるかに劣るものの、手応え、初期制動、絶対制動力すべてがTEKTRO製を上回っていて、ツーリング用途としては安心して走れていました。

交換前
交換前

交換後
交換後

それから3年以上が経過。のんびり旅用としては概ね満足だったものの、ブレーキシューが劣化し、さらに通勤に使い出すと市街地でのややハードなブレーキングも要求されるようになり、どうにかしたいと思っていたところ、サイクルショップで見つけたのが半額セールになっていた、105グレードのSHIMANO BR-R550。
BR-CT91劣化品に比べて良く効くのはもちろん、BR-CT91新品と比べても握り込んだときに効きが向上した気がします。もっともVブレーキやキャリパーブレーキに比べるとかなりマイルドな効き。
カートリッジシューブロックが交換できるので、カートリッジまるごと交換方式に比べて低費用。角度調整の手間も不要なのがメリットです。ただし見た目がゴツく、機能的かもしれませんがセンスはありません。また、アーチワイヤーを外しにくいため、輪行にあまり向かないでしょう。
価格は前後併せて¥3,500(税別、14/12月)

タイヤ
多少固めな感触以外、これといって特徴を感じることが無かったPanaracer TOURER 700×28Cから、BRIDGESTONE DISTANZA 700×28Cへ履き変え、滑らかな走行感と落ち着いた乗り心地が気に入っていたのですが、1年ほどでトレッド面に多数ひび割れを起こし、パンクするようになったので、IRC METRO 700×28Cに交換。2年経過後に劣化してきてドタバタした乗り心地になったため、Panaracer TOURER Plus 700×26Cへ換えました。
タイヤ ブラウンのクラシックなルックスが、細身なAnchor C9に似合います。
ヤスリ目のトレッドパターンながら、走行抵抗が多いようには感じません。IRC METROのような、速度を上げていくと粘る感触もありません。ただしグリップは期待以下で、制動距離が少々長くなる傾向があります。ケーシングが硬いわりに乗り心地はよく、スピードを上げていっても、段差越えのときも、うまく衝撃が吸収されているような感触。
残念な点が、ビードが非常に硬く、しかもタイヤ全体のサイズが小さめでタイヤ装着時にものすごく苦労すること。最後どうしても指だけでははめることができず、タイヤレバーを使いました。冬に交換したからでしょうか? 夏だって汗で滑りそうです。万一パンクしたときを考えたくないくらい...
価格は¥2,982/本でした。(15/1月)

サドル
サドル 旅用の役割をRALEIGH CRNへ渡したことで、革サドルも移植。代わりにAnchor標準のサドルを使い始めたものの、上面のカーブがどことなく合いません。かといってCRNに標準装備されていた純白の薄いサドルを使う気もせず、Specilized Sirrusで使ってみて比較的好印象だった、Y's Collection 逸品一品のサドルを購入しました。
股間の負担が無く、座骨で上体を支えるタイプが私には合っているようで、まずまず快適に使えています。
価格は¥1,572でした。(税別、14/11月)

ただし快適なのは概ね20kmまで。坐骨内側付近だけで上体を支えているためか、尻の肉が少ない私の場合、20km以上になるとやや不快感が発生します。1日に50kmほど走行したときは尻にマメができました。やっぱり革サドルにしようか...

ボトルゲージとボトルカバー
ボトルカバー 通勤の際、着替えなど荷物が多くてフロントバッグに一般的なサーモボトルが入らないときにTOPEAKのボトルゲージに収めます。
ただし自転車のボトルゲージはサーモボトルよりもサイズが大きくブカブカ状態なので、画像のように飛騨刺し子のペットボトル用カバーを用いて収納。適度な厚みがあり、頑丈な生地と造りはさすが日本製。飛騨高山のおばあちゃんの手作りです。

ペダル
Specalized Sirrusに乗っていたときに使っていたMKS SYLVAN LITE(2006年購入、約¥2,000)を移植。さすがは日本ブランド、多少サビは浮いてきているものの、年月を経ても回転の滑らかさに変化はありません。

マッドガード
マッドガード
Sirrusで使っていた、planet bikeというブランドのマッドガードを移植。
フルサイズのため、路面がヘビーウェットでも困らないし、水たまりを絶対に避ける必要もなく、お気楽に走れます。


スタンド
スタンド

Tranz-Xというブランドのセンタースタンドで、街中のチョイ乗りには便利。
安定性は今ひとつなものの、Sirrusで使っていたときよりはマシな感触です。





C9全体 灯火装備ほか
通勤で使う以上、夜間走行は不可避。
ライトホルダーを2箇所、尾灯とリフレクター類を3箇所つけています。イナカの道は暗いですから。
シリンダー錠も装備し、チョイ乗りの手軽さに配慮しています。



(番外編)

ローラー台 ローラー台
自転車本体のカスタマイズ品ではありませんが、気に入っているので紹介します。
自転車雑誌ではよく後輪固定の、いくつか便利機能まで装備された、オシャレなローラー台が紹介されていたりしますが、コイツは違います。MINOURAアクションローラー・アドバンス・ワイドという、昔ながらの3本ローラー。

後輪固定機構などはなく、シンプルにローラーが3本あるだけ。この上に自転車を載せて漕ぎます。そのままだと自転車が自立することはできず、自立するためには ひたすら漕がないといけません。ガンガン漕いでローラーを回転させることにより、ジャイロ効果で自立するのです。ゆっくりしたペースではダメ。バランスを失って転倒する可能性もあります。
バランスをとるにはハンドルを切ったらダメ、ブレーキをかけても自転車はローラーから逸脱、こちらも転倒の可能性があるという、初心者には何とも敷居の高いもの。
ローラー台を漕ぎながら音楽を聴くとか、TVを見るとか、あり得ません。しかも途中で休めないため、まるで速度調節ができずにMAXスピードに固定された、手すりのないルームランナーに飛び乗るかのような緊張感があります。
私の場合、筋力UPとか健康増進とか、そんな目的で使っているのではなく、強いて言えばストレス発散でしょうか。平日の仕事で脳を使い、神経がすり減って帰宅し、疲労感が蓄積した状態で乗ります。10分も乗れば張りつめていた神経が解放され、凝りがほぐれていくかのように、細かいことがどうでもよくなっていきます。冬以外は汗びっしょりになりますけれど。
メーカーサイトによると、軽い向かい風を受けながら走っているようなものとのこと。もうちょっとキツイかも。いずれ筋力UPしたくなったら抵抗をつけるかもしれませんけど、当面このまま運用していこうと思います。
それでも気温5℃以下、特に0℃前後以下になると、ローラーが重くなって漕ぐのがしんどくなります。低温になってローラーの回転抵抗が増加するのか、あるいは人間側の筋肉が固くなって、脚が回らなくなるのか...
価格は\24,000ほどでした。(10/7月)

ローラー台負荷装置
MINOURAアクションローラー・アドバンス・ワイド オプション用マグユニット。3本ローラーに更に負荷を追加するものです。ユニット上部にある白いレバー操作で7段階の強弱を切り替えることができます。
ローラー台 負荷装置なし:1%程度の上り坂といった印象。
負荷装置あり&負荷最弱:4〜5%程度の上りな印象。
 息は荒れ、汗だらだら。
負荷装置あり&負荷中央:7%程度の上りな印象。
 私にはダメです。バランスが取れません。
ただし気温30℃前後以上になると、負荷最弱:4〜5%程度の上りが3%前後程度に感じられます。もっともこの感覚自体、しょっちゅうローラー台に乗ったときと、久し振りに乗った場合とで大きく異なってきます。
ただ、汗かいて、熱と騒音を発生させる装置。バカですよね。一部の筋肉マニアや競技大好き人間、あるいは私のようなヘンタイ的サイクリストしか興味が無いと言ってもいいかもしれません。価格は\5,670でした。(11/5月)