小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2017/07/02

ハマイチとウナギ 2017年5月

琵琶湖一周をビワイチと呼ぶように、浜名湖一周、特に自転車で一周することをハマイチと呼ぶそうです。9年前、浜名湖を一周しバテまくってもうこりごりと感じて以来しばらく遠ざかっていましたが、ハマイチのパンフを目にする機会があり、再度走ってみる気になりました。


9年前同様、四輪に自転車を積み込み、移動途中の道の駅潮見坂でひと休み。びっくりするほどたくさんのツバメが巣をかけていて賑やかでした。巣の下方の梁に、梁からはみ出すように板が打ち付けられていて、通行人や路上に糞が落ちないよう配慮されてありました。ツバメを大事にする、地域の方々の温かい思いを感じます。
弁天島の駐車場に四輪を止め、自転車を組み立ててスタート。9年前と違い、今回は反時計回りに走ってみます。今回は妻も同行。浜名湖一周することには興味無さそうでしたが、「あっ、ウナギ食べるつもりでしょ」とガゼンその気になって行くことになりました。


弁天島をスタート


浜名湖大橋

前回向かい風で苦しんだ記憶がある浜名湖大橋、幸いなことにやや追い風。快調に走っていきます。渚園や浜名湖ガーデンパークの側を通ると野鳥の声が豊かで、特にウグイスが元気なことが印象的でした。

湖岸に整備されたサイクリングロードは一部砂が浮いたりやや道が荒れ、地元の方々が散歩する姿もチラホラ、幼児も見かけるなど、飛ばすような道ではありませんけれど、長閑な生活感があって、浜名湖の東岸は個人的に最も好きな区間です。
舘山寺の浮見堂 遊園地の外を回り込んだり、動物園の前に出て曲がったり、舘山寺周辺はゴチャゴチャしてわかりにくい。9年前はこのわかりにくさにイラついたりもしましたが、これでいいのだと思います。舘山寺北方の大草山を超える短い急坂もクリア。ここも案内板が少なく、わかりにくい。このわかりにくさ、どこか西日本の地方に見られる入り組んだ道路と控えめな案内を連想させます。近江に対して遠江と呼ばれた浜名湖地方、かつて都を離れた人々や近江から移ってきた人々がいくばくか文化をもたらしたのかもしれない、そう想像するのもハマイチのひとつの味なのでしょう。

みをつくし橋 短い休憩を挟みつつ、それなりに時間はかかっていますが、順調にみをつくし橋に来ました。浜名湖の北側区間へ入ります。サイクリングロード整備の規模の面でも景色的にもこの区間がハマイチのハイライトなのでしょうが、国道から離れたり、国道に合流したり、どことなく落ち着かない。道路脇の温度表示は既に30℃に達していました。
国道を逸れて大崎半島へ入り、アップダウンを繰り返しつつ瀬戸橋に到着。そろそろお昼ご飯にしましょう。


瀬戸橋


ウナギだ!

待ち時間30分前後ですと言われ、団体客が引き上げた後に入店。たまらない香りに焦らされつつ、待ちに待った鰻重はそりゃもう秀逸。皮はパリっと身はふっくら。素材の風味が良くてタレはやや控えめ。しかもお米も旨い。初訪問ながらアタリのお店で良かったです。

素晴らしい鰻重をいただいてガゼン元気になったはずが、満腹なせいかかなり眠くなってしまい、ペースダウンを余儀なくされまして湖畔のカフェに寄ったのでした。

ベリーベリーのスムージー 数ヶ月に一度来るかどうかというカフェに入ると、すぐにおねえさんが私に気づき「あら、いらっしゃい。とうとう自転車で来れましたね。おめでとうございます。」だって(?) オートバイや四輪では来ていても、これまで自転車では来たことがなく、今回が初めて。でもこうして声をかけてくださることがありがたい。
カフェの看板犬と戯れていると、比較的若いカップル客から「常連さんですか?」と訊かれました。あれ? 違うんですけど。私の態度が大きく見えるのでしょうか、気をつけなければ。ときどきカフェのスタッフをされているおにいさんも私のことを憶えていてくださっていて、ゆっくりと話すことができました。

カフェを出ると国道沿いは交通量が多く、ゆるいアップダウンの連続です。それでも昼食とスムージー効果で元気になった気がします。
湖西市中心街は道がややわかりにくく、観光客に配慮が足りないような気もしますが、これでいいのです。気負って必要以上に観光客を呼び込まなくても来たい人々は自分から来るのですから。

新居関所跡からは浜名湖南岸の区間。交通量の多い幹線道路沿いのため、あまり風情はありませんが、やや追い風の中、快調に進みました。9年前に比べて何だか手応えがないような気がしましたが、脚は疲れてきています。


新居関所跡&紀伊國屋


弁天島に到着

まだまだ日が高く、暑さが続いたままの中、スタート地点の弁天島に到着。所要時間5時間半、うち2時間が昼食とカフェ。走行距離54km。9年前よりははるかに体力が落ちているでしょうが、風向きと自転車本体の性能のおかげで消耗せずに走れたと思います。あと、おいしい鰻重もね。今回は比較的メジャーなルートでしたが、次回はマイナーなルートを走ってみたいです。
                           (おしまい)