小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2019/07/07

ハマイチとウナギ2019 2019年4月

一昨年のおいしい鰻重に味を占め、「抜群においしいうなぎ店があるから行こう」という妻の誘いに乗った私。この年の春は気温の変動が激しいだけでなく、いろんなことが重なって疲れが蓄積しておりました。ここはひとつ奮発して鰻重を食べ、元気になって、サイクリングに心が満たされるだろうと目論んだのです。

毎回楽しいサイクリングばかりではありません。たまにはこういうこともあるという実例です。
文中、私の体調が悪化したことを書いていますが、私自身の特異体質のせい、もしくは花粉飛散か風邪っぴきのせいであって、決してお店のせいではないし、食べ物のせいでもありません。



新居町駅駐車場からスタート


舘山寺での穏やかな湖

新居町駅の駐車場に四輪を駐車、自転車を降ろして走り出しました。
浜名湖南岸を順調に進み、ガーデンパーク付近から北上します。気候も良く、鴨をはじめ、野鳥の姿が多い。舘山寺周辺で相変わらず少々迷いましたが、たいしたロスではありません。穏やかな空気に気持ちにもゆとりがあり、落ち着いて走れます。動物園の側を北へ、コース唯一の急坂も乗り越えて快調に進みます。じきにみをつくし橋に到着しました。今回はここから気賀方面へ向かいます。
今回最大の目的地であるうなぎ店に到着。多くの方々が遠方から通い、TV局も雑誌も取材に来るという超有名店だけに期待が膨らんで膨らんで最大級であります。


みおつくし橋


有名店のうな重!

いよいよ実食...
あっさりとしていながら、ん? 香りまで薄いような... なのにタレが辛い。というか関東的な濃さ。私にとっては刺激が強いです。だんだんタレの味で味覚が痺れてきてしまい、ウナギもごはんもタレの味以外感じられなくなってしまいました。
ダメですねえ、私は異常体質で。他のお客さんたちはおいしく楽しく食べているというのに、評判のお店なのに。
スタッフの方々が「今日は肝焼きもできますよ、ぜひどうぞ」と勧めてくれるのですが、私自身はだんだん気持ち悪くなってきてしまいまして...
勝手に期待を膨らませ過ぎですよね。まぁ、こういうときもあります。もう引き摺らない、とにかく気分を入れ替えて、前向きに走りましょう!

しかし...
走り出してすぐに体調の異変に気付きました。全身がだるく、力が入りません。まもなく頭痛が始まり、目の奥が痛い。そればかりか顔面がピリピリしてきて、腰まで妙な痛みが出てきました。しかもその痛みが場所を移動するという不可解さ。今までこんな経験はありません。
どうにもまともに走ることができず、妻に先導してもらうことにしました。
ところが妻も様子がおかしい。だるいのはもちろん、指先が痺れてまともにハンドルを握れず、時折猛烈に手が痒くなるそうで...
我慢して走り続けましたが、もう限界です。佐久米駅で止まると同時にへたり込んでしまいました。駅前をオートバイの集団や楽しそうな自転車の集団がさっそうと走り抜けていきます。


佐久米駅


なじみのカフェに入れず

大げさですけど、妻も私も、まるで急性アレルギー症状を発症したかのよう。ぐったりしていました。でもまだ行程の半分ほど。いつまでもここでへばっているわけにはいきません。
しばらく休んだことで、ゆっくりならどうにか走れそう。ガクリとペースダウンしつつ、やっとの思いでなじみのカフェへ到着しました。ところがカフェは団体客で貸し切り。入ることはできませんでした。残念...
この先、ゆっくり休めるところがあっただろうか? そうだ、以前訪れたパン屋に行ってみよう。上り坂なんて到底無理な体調でしたが、どうにかこうにかUP-DOWNをこなしつつ、数km走り、え? という路地に入ってパン屋に着きました。
飾らない、しかし優しい風味のパンを頬張ると、なんだか温かいものを感じ、弱った体がほぐれていくようです。


素朴なパン屋


新居関所

はぁ、少し元気が出たきた気がします。あと少しだ。残った体力を振り絞り、やっとの思いで新居町駅に戻ってきました。

今回はサイクリング途中からちっとも楽しくないどころか苦行のような行程になってしまい、ここまでキツかったのは初めてです。
疲れた体に鞭打って自転車を積み込み、家路に着きました。ともかく無事に帰宅できたことに感謝。もっとも、頭痛も顔の痛みも増し、全身の神経がむき出しになったかのごとくピリピリ状態、おまけに手や足の指先が痛痒くって...
妻はピリピリ以外に歯が浮いて痛いとボヤいておりました。こんなことになるサイクリングもあるということです。とにかくすべて私たち夫婦の異常体質が原因ですね。いろんなことにもっと鈍感になれたらいいのに、と思います。
                           (おしまい)