旧東海道〜尾張國2020秋 2020年10月
コロナ禍の影響で自転車旅はおあずけ状態。走ることはあっても近郊ばかりになってしまって食傷気味でありました。GoToも始まり、感染対策をしながら行動することが通常になりつつあり、緊急事態宣言が出される様子もなさそうため、久しぶりにプチ輪行旅を再開してみました。妻も体調が悪くなく同行すると言い出しました。自粛や感染症対策でストレスが溜まっているのでしょう。
この年は長梅雨の後に猛暑、グズグズとした秋雨を経て寒くなってきました。朝の気温12℃。気温の変化になかなかついていけず、秋バテ気味の体には気温以上に寒さを感じます。 半指グローブの指先が冷たくて少し痛いくらい。最寄り駅で輪行作業、電車に乗り込みます。休日の電車は、比較的空いているとはいえガラガラではありません。乗客は比較的若い人が多く、年配の方々をほとんど見かけませんでした。ご高齢の方々は用心深くて公共交通機関に抵抗があるのかもしれません。
神宮前駅で降りると人が少ない。活気の乏しい商店街が気の毒なくらい静かでした。
神宮前駅で自転車を組み立て
この日もモーニングセットを
約8か月前にも訪れた、神宮前商店街の一角のカフェを再訪。久しぶりの輪行作業と電車移動で少し疲れた体に休息とエネルギー補給です。コーヒーの酸味が程よく、目が覚めるようです。トーストもゆで卵も、サラダもおいしい。手抜きをせずにできる範囲で良いものを提供する心意気が嬉しい。お店の内装はまだ新しいものの、建物自体は古いのか、新しい内装の奥というか裏側というべきか、歴史を感じます。建物かあるいはこの土地に何かの長い年月が刻み込まれていて、その片鱗に触れているかのような感触でした。
前回同様、七里の渡しからスタートします。名古屋中心部に近いというのに静かで穏やかな空気で、慌ただしい浮世を忘れるようです。熱田橋を渡り、今度は道を間違えずに山崎橋を渡りました。
七里の渡し
山崎橋を渡って東海道を進む
呼続の静かな道をゆるく上っていきます。新型コロナの影響だけではないでしょうが、過密地域にしては非常に静かで穏やかです。ゆるく下ると笠寺観音。本堂は工事中で、仮本堂で参拝しました。比較的小さな規模で落ち着くお寺です。妻にとっても先を急がず、いいクッションになったようです。
工事中の笠寺観音
旧街道の中では賑やかな有松
笠寺一里塚を過ぎるとやや交通量が多くなりましたが、鳴海の旧道に入ると静かになりました。大資本が入り込んでいないからでしょうか、ここが名古屋市内とは思えないほど穏やかな空気。老舗らしい小さな喫茶店も目立ち、寄りたくなります。あまり主張しないけれど流されもしない、そんな尾張ぽい気質の一端を見た気がしました。
有松に入ると歴史を感じるよりも急に観光地然としてきて世俗的な印象が強くなったように私は感じます。団体客は見かけませんでしたけれど、少人数グループの観光客がそぞろ歩いていて賑わいが戻りつつあるようでした。「見ると欲しくなるから」と言う妻は立ち寄らず素通り。「売らんかな」な空気が強い中、真面目な職人さんの手仕事から生み出された作品群をじっくり見るのは容易ではないのかもしれません。
前回機会を逸したハンバーガー店に今回は開店と同時に入りました。オーダーから15分ほど経って提供された、看板メニューのゴリバーガー。パテが厚くてボリュームたっぷり! ビーフ100%の風味を前面に出し、それも脂身ではなく赤身肉で調味料に頼らない、ヘルシーでシンプルな味付けが私好み。個人的にアタリのお店です。また来よう。
今回はハンバーガー店に入店
ゴリバーガー(Sセット)
「自転車ですよね、どこまで行かれるんですか?」
小学生くらいの男の子を連れた、キレイな若いお母さんに話しかけられました。自転車が好きな一家で、先日も一宮から犬山までサイクリングしてきたとのこと。ハンバーガーがお好きだと聞き、私がたまに行く一宮のハンバーガー店の情報をお伝えしました。小さな個人店は文化でもあり、少しでも活気が戻ってくれたらと思います。
夫婦ともども食べ過ぎ満腹状態、ガクンとペースが落ちたまま、前後を通過、豊明駅前を通り、境川に出ました。
尾張國より三河國へ
安城のコンビニで休憩
ここからは今年何度も走った道。腹持ちがよく、ほぼ満腹状態のまま、でも元気が出たのかしばらく走り続け、刈谷から知立、安城まで来て休憩したものの、普段と違って補給食など要りませんでした。
旧街道サイクリングは刺激が少なく、見栄えのするスポットもほぼありませんけれど、ゆったり走るペースが心地良く、非日常を堪能できたような気がします。
(おしまい)