小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2022/02/06

冬の碧海5市をめぐる 2021年12月

新型コロナウイルス オミクロン株の報道を耳にするようになり、急速に寒くなっていった2021年12月中旬、真冬の前に走っておきたい気持ちになり、碧海5市と呼ばれる、愛知県西三河地方の碧南市・刈谷市・安城市・知立市・高浜市の5市を巡るルートを走ってみることにしたのでした。


冬の、典型的なありがたくない天候の日。
西高東低の冬型のみならず、急速に発達した低気圧の影響で、北日本は暴風雪、太平洋側までも北からの強風と共に寒気が入り込み、一気に気温が下がっていきました。

自宅を出発し、安城市へ入ります。進路は北西、冷たい季節風を真正面から浴び続けます。これまで数日間、11月並みの気温に慣れ切った体が硬直し、思うように脚が動きません。思うようにペースが上がらない中、体力が削られていく厳しい状況。旧東海道の松並木は、それでもいくぶんかは風を遮ってくれてありがたい。こうして旧街道の景観を残す努力が続けられていることに感謝です。


松並木


休憩に可愛らしいモーニング

安城市から知立市へ、中心街を通って着いたおしゃれなカフェ。ショボい中高年のお一人さまの私はあきらかに不似合いですが、もう寒くて限界。構わずに店内へ入ると若い女性が接客してくださり、私は違和感MAXという立場。客層は女性が8割ほど、男性だけの客は私以外見当たりませんでした。

可愛らしいモーニングは甘い乳酸菌飲料つき、パンは砂糖多めの甘い味。う〜ん、中高年男性の私には相性が良くないようで... すみませんが再訪はないでしょう。


カフェを後にし、逢妻川沿いを西へ進むと、途中からダートの道になり、一時はダート+上り坂+強風の向かい風というトリプルパンチ状態。グチを言ってもしかたない。楽しいサイクリングばかりではありません、こういうこともありますよ。何度かダート上でタイヤが滑り、冷や汗をかきましたが、このARAYA Diagonaleなら転倒してもおそらくダメージは少ないでしょう。


ダートも走るよ


刈谷ウイングアリーナ

刈谷市の刈谷ウイングアリーナに到着。市街地の中にしては景観が良いのですが、あいにく冷たい強風のため、とてもゆっくりする気になれず、先を進みます。
逢妻川サイクリングロードでもすごい強風。写真を撮ろうと自転車を止め、スタンドで立てたその瞬間からグラグラと揺れ、あっという間に倒れてしまうほど... 北西の向かい風はますますキツく、いよいよ進まなくなりましたが、慎重に行かねばなりません。
とはいえ体はすっかり冷え切ってしまい、日高公園のトイレに駆け込みました。

方向を変えて刈谷市街中心部をひたすら南下していきます。平日の朝夕ほどではないけれど、交通量が多く、イラついている車両も少なくありません。できるだけ邪魔にならないように走っているつもりなんですけれど、路肩が広くても四輪車から見ると自転車が存在するだけで邪魔に感じるのかもしれません。二級河川 下り松川を越えるあたりまで来ると、急に周囲が開けてのどかな郊外の風景が拡がるように。


高浜市に入ると、瓦製造所がポツポツ、目につくようになります。高浜市は屋根瓦の名産地だと聞きますけれど、失礼ながら往時の活気は失われつつあるように見えました。海外勢に押されているのかもしれません。そもそも戸建て住宅の需要も縮小傾向なのかもしれません。それでも小規模な旧い製造所を見ると、応援したくなります。

碧南市に入り、衣浦地区の工業地帯周辺を通り、たまに訪れる食堂でお昼にします。


高浜市では瓦製造所が目に入る


お昼はなべやききしめん定食

この日のサービスランチはなべやききしめん定食¥700(税込)。
きしめんがすばらしい!! 麺はフニャフニャで、これがきしめんといえばその通りです。しかし出汁が神がかり的に美味しく、塩分や鰹節に過剰に頼ってない、手間を惜しまない、丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。客の一人ひとりを大事にされていることがわかります。かしわ(鶏肉)も一級品。安価な量販店のからあげとは対照的な、さっぱりとして上品な味わいです。きしめんとは麺だけを指して評価するのではなく、全体で味わうべきすばらしい一品でした。
昼どきの忙しい中、店主が声をかけてくださり、良いお年をとご挨拶をいただきました。ありがたいことです。身も心も温まりました。

食後、帰路につきます。油ヶ淵水辺公園では早くも菜の花が開いておりました。思いがけない小さな出会いが嬉しい。もっとも強風がすごくて止まっていると体が冷えていく一方であります。


油ヶ渕水辺公園


喫茶店でおやつを

進路は北東。北西の風が真横から吹きつけるはずでしたが、風が北よりに変わってきたのか冷たい向かい風を受ける形になり、体力が奪われていきます。安城市を進むころには腹が冷えて違和感を覚えるようになってまいりました。我慢せず休憩しましょう。喫茶店に入り、冷えた体を温めます。

人心地ついた後、再び走り始めました。
帰路は北東方向。幸い風向きが北西へと変わり、まともに逆風を受けることは無くなりましたが、どうも太腿が痛くなってきてしまいました。運動不足なのか、加齢で寒さに弱くなってしまったのか... ともかく約60kmを無事走り切りました。

冬のサイクリング、楽しいと感じる場面は少ないのになぜ走るのか、自分でもわかりませぬ。
                           (おしまい)