2016 ARAYA Diagonale ゆる旅カスタム
近距離/チョイ乗り用のはずがスローな中距離用途へ
近距離/通勤用として運用していたGIANT DEFY3が2015年10月に交通事故で廃車になってしまい、速さや効率を求めるロードバイクをやめ、走行性能が低くまったり走れるARAYA Diagonaleを後継車に選びました。ところが実際に運用し始めると、これがなかなか走り応えがある性格でして、近距離や街乗りに特化するのは惜しく、中距離くらいまで狙えるカスタマイズを。最初は最小限のつもりが徐々に...
ハンドルまわり
近距離なら標準装備のマースバーハンドルでも特に不都合はありませんでしたが、中〜長距離になるとなで肩の形状と標準の滑りやすいバーテープが気になってしまい、以前Anchor C9で使って好印象だったDixna J-Fit(400mm)に交換しました。標準マースバーのリーチ100mm、ドロップ130mmに対し、J-Fitはリーチ81mm、ドロップ120mm。数値上でも体感でもブラケットポジションが手前になり、下ハンのブレーキレバーが近く、何より肩の水平部分が広く、ラクになりました。力も入れやすく、のんびりキャラクターのはずが、ほんの少し変わった気がします。
近距離ではこれで良くても私の体格だとフレームサイズ500mmでは上半身がやや窮屈でして、サドルを後方へ下げると今後はペダリングが不自然。ハンドルステムを20mm長いNITTO NP-100 26.0へ交換しました。細身でスタイリッシュ。クラシックパーツ的な美しさを感じます。上体の自由度が増えて走りやすくなり、結果的にロードバイクに近づいた反面、重量級の車体は緩慢な応答性のまま。ギャップが大きくなったような...
交換作業は少々手こずりました。標準のバーテープを剥がすと盛大に跡が残り、ブレーキレバーを外すためにパーツクリーナー&スクレーパーで根気よくキレイに。J-Fitはカーブがキツく、Diagonale標準のKALLOY KLステムに通すときはすんなりいくのに、NITTO NP-100はけっこうキツイ。ハンドルに傷が入ってしまい、GIZA PRODUCTSのバーテープを巻いて隠しました。価格はJ-Fit¥3,974。(税込、17/3月) NITTO NP-100 ¥5,200、バーテープ約¥1,000(税込、17/7月)
バーエンドにはバックミラーを。ベルは付属品をそのまま利用。また、フロントバッグを取り付けるのに、Raleigh CRNやGIANT DEFY3など、今まで乗ってきたロードバイクやクロスバイクと異なり、ハンドルマウントアダプター:Fogliaマルチマウントハンドル用のような小細工が要りません。画像のようにフロントバッグ:Ostrich F-516を直にハンドルへ装着するとピッタリ収まります。
下面はフロントキャリアに載せる必要があり、オプションパーツのCA-EXSを取り付けました。価格は¥10,000。(15/11月、税別)
純正オプションパーツだけあって見た目がスマート。取り付け作業もスマートに済むはずが、しかし予想外に悪戦苦闘しました。単なるボルトオン作業のはずなのにフォーククラウン部分の取り付けが難関。そのまま取り付けるとキャリア台座のステーがフロントブレーキのキャリパーに干渉しブレーキが動かなくなります。それではとブレーキ動作に支障無いよう、ステーを少々下方へ移動させると、今度はステーがマッドガードを押し下げることになって、マッドガード下面がタイヤに干渉し、弱りました。
ここで台座ステーの形状が合ってないことがわかり、角度を修正することに。しかしこのステー、板厚が2mmほどもあり手作業で思ったように加工するのは極めて難しい。丈夫なバイス台を使い、自転車ショップの店長と二人がかりでステーを叩いて曲げて加工、さらにマッドガード下面もペンチとプライヤーを駆使して加工しました。
これでもタイヤとマッドガードとのクリアランスにそれほど余裕がなく、標準の700×28Cなら何ら問題なくとも、32Cでは少々不安になるかもしれません。
キャリア下面位置に合わせてマッドガードに孔を空け、首下の短いボルトで締結を追加することで、マッドガード前部が振動しなくなり、段差を越えたときの異音がピタリと止まりました。
取り付けにひと苦労
ライトホルダー
CA-EXSには台座があり、ハブシャフト取り付け用のライトホルダーを取り付け、フロント用リフレクターと共にバッテリーライト用にCATEYEフレックスタイトブラケットH-34Nを付けています。
ダブルレバー
2015年に事故で廃車になったGIANT DEFY3から駆動系パーツのSHIMANO SORA(3500系)を移植するにあたり、リア9速用デュアルコントロールレバーST-3500をそのまま使えば新たに部品を買うことはなかったのですが、それではDiagonaleならではの味が薄くなってしまい、凡百のロードバイクぽくなってしまう気がしてダブルレバーにこだわりました。
リア9速用は現状ほぼ一択のみ、SHIMANO DURA-ACE SL-7700。当初取り付けていたRD-3500はもちろん、後述するリアディレーラー:RD-M3000との相性はバッチリ、ダブルレバーならではのダイレクト感と相まって、ビシビシ変速操作が決まります。価格は¥6,913(税込、17/4月)
クランクとBB
クランクをSHIMANO SORA FC-3500(170mm)に、BBをSHIMANO BB-4600(68mm)に換装しました。体感できるような変化はほとんどありません。
やや重く若干ルーズな印象もあった標準装備のSHIMANO CLARISクランクとノーマルタイプのBBに対し、換装後は少々カッチリしたかのような感触ですが、きっと気のせいでしょう。SORAクランクのブラックカラーがDiagonaleに合わないようでもありますが、こだわる車種でもないですし見慣れれば慣れてしまいます。CLARISのグレーだって微妙な気がしますし。
標準状態に特に不満があったわけではありませんが、クランク長165mmをやや小さく感じたのと、2015年に事故で廃車になったGIANT DEFY3からショップのスタッフさんが外してくれたパーツが眠ったままだったので、アウターのチェーンリング:SUGINO PE110-44Tも併せて再利用することにした次第です。
交換作業は難しくはないものの気軽な部類ではありません。標準装備のSHIMANO CLARISクランクがオクタリンク、一方SHIMANO SORAクランクがホローテックU対応ですから、それぞれに異なる専用工具の出番となります。CLARISクランクのフィクシングボルトが非常にカタく、年月が経過し固着したオートバイのフロントブレーキキャリパーボルト並みでした。また、手持ちのコッター抜き工具が中空シャフトのオクタリンクには合わず、これだけショップに駆け込んで外してもらいました。標準のBBをこれまた専用工具で外し内部を清掃、グリスを薄く塗ってSHIMANO BB-4600を取り付け。ホローテックU用の専用工具が必要です。SHIMANO SORAの2ピースクランクは再利用のせいかシャフトがすんなり入り、左クランクアームもセンタースタンドと奇跡的に干渉せず、助かりました。
作業時間は正味1時間半ほど。(作業時期'17/4月)
フロントディレーラー
SHIMANO SORA FD-3500直付用。廃車になったGIANT DEFY3から移植しました。Diagonale標準装備のSHIMANO CLARISとの違いはよくわかりません。DIXNA FD 直付用バンド28.6mmを介して取り付けました。バンド自体にはBBBと書いてありますがキニシナイ。フレームが細身で妙に寸法が合わないため、スペーサーをかませています。価格は¥1,188(税込、17/4月)
リアディレーラー
9速化の際にGIANT DEFY3からの移植したSHIMANO SORA RD-3500に代えて、SHIMANO ACERA RD-M3000-SGSを取り付け。カセットスプロケットをさらにローギア化したことによる変更です。MTB系ローグレードなACERAとはいえ少々の重量増と引き替えに、変速が素早く確実に決まります。2400系Clarisと体感的にはあまり変化のなかったRD-3500から進化した印象です。しかしさすがに外観が野暮ったい気がします。
カセットスプロケット
廃車になったGIANT DEFY3から移植したSHIMANO CS-HG50-9S 11-32Tをしばらく使っていたものの、重量級かつダブルレバー変速のDiagonaleにとってリアトップ11Tを使う機会が皆無。それと、滅多に機会はないですけれど勾配10-12%超の激坂で、貧脚の私にローギア32Tでは厳しい...
そこでSHIMANO CS-HG400 9S 12-36Tへとスーパーローギア化!
36Tはさすがにデカく、異様な存在感があります。様式美にこだわる自転車でもないことですし、まぁいいか。あとは激坂に行く機会を待つとします...
価格はAcera RD-M3000-SGSが¥3,676、カセットスプロケットCS-HG400が¥2,280、同時交換したチェーンCN-HG53が¥1,598。(いずれも税込、18/7月)
ペダル
トラディショナルなルックスのARAYA DiagonaleにはMKS SYLVAN ROADがピッタリでしょう。価格的にもそれほど期待していませんでしたが、トゥクリップ(VP ONE)&ストラップ(MKS FIT-α SPIRITS)と併用することで足の収まりが意外によく、気に入っています。
[追記 23/03/05]
CRNとRFLのペダルをグリスアップしたことから、経年的にもDiagonaleのペダルも分解し、グリスアップ。キャップと反対側の車体側はシール構造上かグリスが酷く汚れて劣化していました。清掃しグリスアップすると踏み心地が滑らかに。同じMKSのペダルでもベアリング径の違いからか、LITE系のペダルに比べて傷みが少なく長持ちしそうです。
この作業ではペダルキャップの着脱に専用工具:ペダルキャップスパナを使用。価格は¥480。(税別、22/9月)
サドル
VELO Double-density Trekkingという柔らかいサドルが標準装備され、剛性感たっぷりのDiagonaleのフレームからの衝撃や振動を大いに緩和してくれます。が、ビギナーには何ら問題なくとも多少距離を走ろうとすると、少々尻が落ち着かずに気になります。
Anchor C9で使い始め、前車GIANT DEFY3でしっかり馴らしたLESADORブランドのSPARROWに替えました。
至極快適で、レーパンなど必要ありません。自転車を換えても自分の尻に馴染んだサドルを使い続けることになるのですね。
[追記 21/05/02]
購入してから6年以上経過、ますます自分の尻に馴染んできて抜群の座り心地になっています。ルックスはやや実用車チックながら座面が広いことが効いているのか、RALEIGH CRNで使っているLESADORのMARTINよりずっと好感触です。高速ペダリングには向いていませんけれど、Diagonaleでのんびり走るにはピッタリです。革製品の弱点は雨水。雨天走行対策に、ホムセンで購入した伸縮タイプのサドルカバーを携行しています。
サドルバッグサポーター
純正オプションのCA-RRAを取り付け。価格は¥12,000(15/11月、税別)で、やや高価ですが代用できるものが他になく、事実上一択になります。
ブレーキシュー
2016 Diagonale標準装備のブレーキはSHIMANO BR-R451。まずまずな制動力ではありますが、いかんせん自転車自体が重く、荷物を積載した状態での急な下りなど不安が残ります。標準のR50T2をSHIMANO ULTEGRAグレードのカートリッジシューセットBR-6800用R55C4に換装しました。
交換後はフィーリングが改善、握った分に応じて制動できる感触です。もっと早く換えればよかった。¥1,309×2(税込、17/10月)
[追記 24/07/21]
ブレーキのタッチが明らかに悪くなり、はっきりと経年劣化を認識したときには、ブレーキシューを換えてから7年近くも経っていました... もう限界をとっくに過ぎてしまっているだけでなく、微妙に砂を噛みこんでしまっています。さっさと交換するべきですね。
R55C4新品のシューは、当たり前ですがしっとりタッチ。こうでなくっちゃ。価格は 2ペア(1台分)で¥1,155。(税込、24年6月)
タイヤ
標準装備のタイヤ:SCHWALBE DELTA CRUISERが3年経ってトレッド面のひび割れが深くなり、IRC JETTY PLUSへ換装。
比較的発進加速が軽く、乗り心地も悪くありませんが、グリップはやや心許ない場面も。約4年間使い続けてパンク無し、ひび割れ無し。ママチャリ+α的な用途なら廉価タイヤとして十二分でした。価格は2本で¥3,036。(税別、18/12月)
トレッド面に小さな裂け目が複数見られてきたことから、Continental UltraSport3へ換装。転がり抵抗が少ない印象が特徴で、グリップ感もまずまず、カーブでの不安が減りました。乗り心地はフツー。概ねベーシックなスポーツタイヤという感触です。
ただし前評判通りビードが固く、Panaracer PASELA JACKETほどではないものの、はめるのに苦労しました。出先でパンク修理したくありません...
価格は2本で¥5,780。(700×28C 税込、22/10月)
マッドガード
細身で美しい標準装備のマッドガードをずっと使うつもりでしたが、3年も持たずに分割式後ろ側のマッドガードが中央から左右にパックリと割れ、続いて分割式の前側のリベット部分が劣化し異音が激しくなってきてしまいました。リベット自体ではなく、その周囲のアルミ材がやせてしまって修理は困難。ショップ経由でメーカーに問い合わせると2018年7月現在フレームサイズ540mm用のマッドガードしかないそうです。ダメもとで購入し取り付けようとしましたが大幅にサイズが合わず...
これも何かの機会だと思ってフルサイズのマッドガードを諦めました。
代わりに以前GIANT DEFY3で使っていた簡易タイプのアキワールド ONE-TOUCH FENDERを装着。ルックスはだいぶ変わってしまいました。
そもそもクラシック趣味の車種でもないですし、かえって異音の悩みが無くなり、輪行の手間も軽減されると考えれば悪くは無いかなと思います。
スタンド
当初チェーンステーに取り付けるタイプのスタンドを使っていましたが、輪行のときに外すのが面倒なので、外さなくても輪行できるセンタースタンド:GIZA PRODUCTS KSC00801を量販店で衝動買い、半ば強引に取り付けました。まずまずの安定感で、あると便利。スプリングが弱いのか走行中の振動で少々揺れるため、後述する取り付け面も併せ、細かい人には向いてないと思われます。
ARAYA Diagonaleはスペース的にほぼ不可能に見えるところに取り付けるので、上側の取り付け金具を削りまくる必要がありますし、取り付け後のクランクとの隙間は僅か1〜2mmという奇跡的な数値。さらに取り付けボルトが特殊サイズでホームセンターには適合するものが無く、長さが不足気味の標準のボルトで何とかするしかありません。また、ボルトを締め付けるのに工具が入らないため、リアホイールだけでなくキャリパーブレーキを外し、オプションのサドルバッグサポーターまで一部外して位置をずらし、フェンダーのL字ステーを外してようやくフェンダー本体を外すことで工具が入るようになります。価格は¥1620。(16/7月、税込)