CBR250Rノーマル車(2011年型)インプレッション

2011年5月現在、売れに売れているらしい新型CBR250R。
満を持して登場したホンダの新世代250ccですから、手抜きなど一切無く、乗って楽しいバイクなことでしょう。
しかもカッコよくて手軽でエコ。古くて騒音が大きく、手もかかるようになったZZR250から乗り換えてしまおうか、とも思わせてしまうかもしれません。
そんな、CBR250Rに試乗しましたので簡単にインプレを掲載します。
限られた数kmのコースでのインプレです。本来は一日中、いえ、数日間以上をともに過ごさないと、そのバイク本来の魅力を味わえないであろうことをご了承ください。
総合
おすすめ度 <☆☆☆☆ >
第一印象は軽い。とにかく軽いです。とても165kg(ABS付)あるとは思えません。感覚的にはZZR250よりはるかに軽く、オフ車より軽く感じるほど。極端ですが自転車感覚と言う人もいるかもしれません。乗車ポジションはNinja250Rよりややシートが高く、前傾ですが、ハンドル位置がZZR250よりも近く、不安感はありません。シートクッションの厚みは薄くても、座面が広いせいか快適です。
新しい単気筒エンジンは低〜中速域で吹け上がりがとても早く、十分なパワーがあり、振動も少なく、唐突なエンジンブレーキもありません。日常使うにはとても良くできていると感じます。さすがに高回転域では気になる振動が出るものの、欠点らしいところはその程度かもしれません。
あと、私のようなひねくれ者にとっては、“味” や “クセ” がほとんど無いことが、逆に欠点に思えることもありますが…
クルージング
おすすめ度 <☆☆☆☆ >
[単気筒の味わいは薄い]
実に快適です。田舎道をのんびりと、時には緩急をつけながら、延々と距離を重ねるのも得意ですし、気になったところでフラリと停まってはまた走るというような、お散歩的使い方もよさそうです。
振動が少なく、乗り心地もよく、安定していて非常にストレスが少ない。
ただし単気筒エンジンの割には低〜中回転域の振動が少なすぎるのと、レスポンスが良すぎて隙が無く、単コロの味を楽しむ、というような、マシンとの対話をゆったり楽しむという面では、あまり期待できない気がします。
“トコトコ” ではありません。“トトト” でもありません。そんな旧来の単気筒エンジンとは違うフィーリング、強いて例えるなら “トリュリューン” なのです。
長期間乗っていれば、慣れてくる特性なのかもしれませんけれど。
高速道路
おすすめ度 <? >
[(走っていないので未評価)]
高速道路を走っていませんので想像で書きます。法定速度内のパワーは充分ですが、それ以上はやはり250cc単気筒。高回転域での印象が今ひとつなことから、追い越し車線を延々と走るようなシーンは、あまり合っていないような気がします。
高速道路は移動区間。焦らずに淡々と走るほうが快適でしょう。それでも決して遅くはないのですから。
ワインディング
おすすめ度 <☆☆☆ >
[速いことは速い]
こちらもまともなワインディングは走っていませんので、かなり想像です。狭い道や下りのタイトコーナーなどは、楽しめると思います。サスペンションも柔らかい中にもコシがあり、まるで不安を感じません。
しかし本気で速く走ろうと思うと、気になるところが出てきます。
まず、ややアンダー傾向なハンドリング。サスペンションそのものは良い性能なので、フロントフォークの突き出しを変えるなど、手を加えれば解消されることでしょう。
次にエンジン。4,000rpm以下に落ちると失速気味になり、8,000rpm以上になるとパワーはあるも、吹けが鈍り、振動が大きくなります。快適に走るには5,000〜7,500rpmあたりをキープすることになり、こまめにシフトチェンジしなければなりません。それ以上の高回転域も使えますけど、急に振動が多くなり、加速も鈍るので楽しくなくなります。詰まり気味のマフラーを換えれば印象が変わってくるかもしれませんけど。
まぁ、肩の力を抜いて、もっと景色を楽しみながら、CBR250Rなりのペースでリラックスして走りましょう。このスマートなバイクでワインディングを何往復もするような走りなんて、使用目的が違うのでしょうから。
街乗り
おすすめ度 <☆☆☆☆ >
[軽さを活かしてヒラリヒラリと駆け抜ける]
街乗りでは “軽さ” が最大限活かされると思います。取り回しの軽さに加え、発進・加速・停止に何のストレスもありません。低速域が力不足なエンジンとはいえ、1,500rpmでの発進も苦もなくこなします。中回転域は元気抜群で、交通の流れを十分リードできます。
舗装の悪い路面でも優秀なサスが振動を吸収し、しかも程よく減衰が効いているので乗り心地が良くて安心感も高いです。
ほかに、いかにも発熱量が少なそうなエンジンは、暑い季節の街乗りでは さぞかし快適な部類に入ることでしょう。
かつては4気筒のCBR250R/RRがあったよね?
私は過去、旧型となった4気筒のCBR250R/RRに、もっと長時間乗ったことがあり、その記憶と比較すると、新型はエンジンが単気筒だから当然ではあるのですけど、あのCBR250R/RRとはまるで別モノだと感じます。
旧型のあの極限までの緻密さや、低さ、路面に吸い付く感触、どこまででも伸びていくカムギアトレーン4気筒の面影はゼロです。新型はがぜんフレンドリーで、神経質さが無く、リラックスできて、疲れません。

CBRという名前がつけられてはいますが、実質は かつてのCBX250Sの後継と思ったほうがいいかもしれません。いくらスムーズで低振動でも、シングルはシングルだと感じました。
ではNinja250Rと比べてどうなのか? ZZR250とは?
上記を読んで、「なあ〜んだ、パワーバンドが狭いじゃん、所詮単気筒だな」と思った諸兄、たしかにその通りです。でもNinja250Rだって、本気で速く走ろうと思うと8,000rpm以上をキープしたいし、ZZR250フルノーマルにいたっては、せめて6,000rpm以上をキープしたいけど、9,000rpmあたりから轟音と振動で不快なわけで、実質的にはおそらくあまり差が無いはずです。
足まわりはCBR250Rが一歩も二歩もリードしている感があります。どう振り回しても破綻しなさそうな、しっとりとしたCBR250Rに対し、Ninja250Rは低〜中速域ではバランスが良いものの、速度が上がるにつれ、やや不安感が見え隠れする印象です。ZZR250フルノーマル… 残念ですがたぶん勝負にならないことでしょう。
強く感じるのが、それぞれのバイクの性格・狙いがまるで違うということ。Ninja250Rは、高回転へ向けて湧き上がる出力を楽しんだり、タイヤ・サスとの対話を楽しむシーンがあり、ブン回せば上のクラスをカモれる速さを秘めていると思わせてしまう性格。カスタムしても、磨いても楽しいことでしょう。
ZZR250は…
やはり20年前の設計だという古さを隠せず、短時間の乗車ではどうしても不利な印象になる気がします。しかし、手を入れれば入れただけ、化けて化けて大化けするのは、他の2車には無い特性ではないかと思います。
対してCBR250Rは、初めから完成されていて、バイク自体の面白さとか、所有満足感とかは薄く、バイクは道具であり、どう使うかがバイクライフの主題になることでしょう。
お腹いっぱいを求めてもキリがない。それなら250ccにこだわることなく上のクラスへ移行すればいいだけのこと。汗臭いことは他車に任せ、腹八分、いや、腹七分くらいがスマートで、エコで、健康的。CBR250Rからはそんな印象を受けました。
少々辛口なコメントで申し訳ありませんが、ホンダのシングルです。乗り物自体の “味” はやや薄いように感じます。道具と割り切る人や、大型バイクに乗る人のセカンドバイクにはぴったりかと思います。たまには峠道での速さを求める人や、オートバイに奥の深さを求める人には物足りないことでしょう。このエンジン、個人的には軽量モタード系にピッタリな気がしました。
他にも、大型バイクとの快速ツーリングについていくのが ややツライであろうことも、割り切らなくてはならない点なのかもしれません。
もちろん、ZZR250フルノーマルだって、相当ツライことには変わりませんけど。
最後に加速時のエンジンフィールを あえて擬音語で表現してみます。
ZZR250は “ダッダルルル〜〜ヴーーギューーン”
Ninja250Rは “トッフウウ〜ゥィーむいいいん!”
CBR250Rは “トリュリューン〜ヴー〜ダァーーン”
