小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2024/09/22

GSX250R メンテナンスの一例

GSX250Rを長く快適に乗るためのメンテナンス一例です。

新車購入から3年以上経過。自分で行った作業を中心に紹介します。

愛車の整備(特にDIY)は皆様自身の責任でお願いします。
取説書やサービスマニュアルに従ってください。
私個人の事例を記載していて、万人にあてはまるわけではないと思います。ご容赦ください。

エンジンオイル交換

>1年毎または5,000km毎

エンジンオイル交換 GSX250RはSOHC水冷2気筒ロングストロークのローテクエンジン。オイル劣化は比較的少ないほうかと思います。前車ZZR250と比べても、過去所有した250TRに比べてもオイルの汚れは少ないですが、放っておいてもオイルは酸化します。定期的に交換したほうが良いでしょう。たまの週末ツーリングに乗る程度の私の使いかたなら、年に1回の交換ペースで良さそうです。

エンジンオイルフィルター交換

>エンジンオイル交換2回毎に交換

オイル交換2回につき、オイルフィルターは1回交換するのが無難と言われ、走行距離が多ければもちろん、短距離走行が多くて走行距離が伸びない場合も交換したほうが良いようです。
カウルを外さなくてもオイルフィルターの着脱作業は可能ですが、フィルターを外すときに残ったエンジンオイルがこぼれ、エキパイの上に盛大に垂れてしまいます。垂れたオイルをキレイに拭き取るためにはカウルを外したほうがやりやすく...
少々面倒でも、あらかじめカウルを外すことで下側に漏斗をあてがいやすくなり、工夫すればエキパイの上にこぼさずに済ませることが可能です。

チェーンの清掃と注油

>半年毎または雨天走行毎

チェーン注油 取説書に記載されているように汚れを落とし注油することでチェーンの大敵である錆を抑止します。消耗品ではありますけれど、なるべく長く維持し限度を迎える時期を遅らせましょう。過去に所有した車両で飛び散りにくいホワイトタイプのチェーンルブを使っていたことがありますが、使いかたが悪かったのか逆に微妙に摩耗が進み、チェーンの寿命が短くなってしまった経験があることから、私はウエットタイプのチェーンルブを使っています。注油のたびに飛び散った油分を拭き取る手間はかかりますけれど。

サイドスタンド可動部注油

>3,000〜5,000km毎または1年毎

サイドスタンド注油 放置していると格納位置に戻りにくくなり、ニュートラルでエンジン始動後クラッチレバーを握って1速にシフトするとエンストするようになってしまいます。「サイドスタンドがスムーズに作動しないときは、注油してください。」と取説書に記載されている通り、たまに注油しておくと予期せぬエンストを防止できます。私はKURE CRC666を使っております。潤滑浸透剤はKURE CRC556がポピュラーではありますけれど、潤滑成分が揮発してしまうため、長期的には適しておりません。

フロントシート清掃

>1,000〜2,000km毎または半年毎

フロントシート清掃 何も手入れせずに乗り続けていると、シートにまたがったときギュウーと異音がするようになります。異音の原因はシートとカウルの間の滑りが悪くなることで、砂や埃が付着してよけいに異音が出やすくなり、そのまま放置するとシートとカウルの接触部分が摩耗していくことでしょう。ときどきシートとカウルの接触部分を清掃し、アーマオールなどの潤滑剤を塗布することで異音を解消し、摩耗を抑えることができます。

サイドカウルの着脱

>エアクリーナー清掃やプラグ交換のとき

エアクリーナー清掃や交換、プラグ交換のとき左右のサイドカウルを外す必要があります。左右それぞれ1枚ずつではなく、サイドカウリング、アンダカウリング、フレームサイドカバーアッセンブリのそれぞれ3枚、左右で計6枚。取説書に外しかたが載っていて、難しくはないと感じますけれど車載工具では外すことができません。

サイドカウル着脱に多くの工具が必要 クリップ(ファスナ)だって工具が要るしボルト類を外すにも六角レンチが4mm、5mm、6mm、No,3のプラスドライバーも必要に。フロントシートを外すのに六角ドライバーか六角ソケット+ビットドライバーがあったほうがいいし、燃料タンク取付ボルトを外すには六角ソケット+T型レンチがあると便利。過去のバイクライフで使った工具があり、新たに買い足した工具はありませんけど、ビギナーにはややハードルが高い気がします。特に新車から長期間外したことが無いとボルト類が固着していることがあり、なおのこと作業しやすく力をかけやすい工具が必要になってきます。
外したボルトにごく少量のグリスを塗布、カウルのツメやグロメットゴムにはアーマオール等の保護剤を塗布しておくと、次の着脱作業が少しスムーズに進みます。
汎用のトリムクリップを用意しておくと安心
ほかにクリップ(ファスナ)は再利用可能なものの、破損したり紛失することがあるので予備の新品をあらかじめ用意しておくのが無難かと思います。画像は汎用品のASTRO PRODUCTS製 トリムクリップPF814 10個入り ¥290(税別、21/6月)
面倒だと感じていた前車ZZR250のほうがカウル着脱作業はラクだったかもしれません。

エアクリーナーエレメント清掃・交換

>1年毎または5,000〜10,000km毎

ノーマルのエアクリーナーは乾式。大きな埃を落としエアブロー、汚れが酷くなったら交換です。K&Nのように湿式のエアクリーナーは洗って清掃し再利用が可能。
湿式エアクリーナーのお手入れ
ただし乾式に比べてメンテナンスサイクルはやや短くなります。私の使い方の場合、3,000km程度ではほとんど汚れておらず、7-8000kmか、条件が良ければ10,000kmごとでよさそうです。清掃作業には別途専用のクリーナーとオイルが必要になります。私は過去ZZR250に乗っていたときに買った専用品をそのまま使い続けています。

エアクリーナーの作業は大がかり いずれにせよやっかいなのが作業性。取説書には「点検、清掃、交換はスズキ販売店にご相談ください」、サービスマニュアルには「フューエルタンクを取り外す」と簡単に書かれていて、なかなかハードルが高い...
実際にはタンク後部を持ち上げるだけでエアクリーナーケースを着脱できます。それでも左右のサイドカウルをすべてとフロントシート、タンク取り付けボルトを外し、タンク後部を持ち上げてつっかい棒になるものをあてがう必要があり、ビギナー泣かせだと思います。

プラグ交換

>10,000km毎

プラグ交換 サイドカウルの着脱が必要なので気軽にできる作業ではありません。ですが、SOHCエンジンなのでタンクを外す必要は無く助かります。もしDOHCエンジンが搭載されていたらタンクを外す作業工程が増えることになり、あまり想像したくありません...
フロントシートとサイドカウルを外した後はとても作業しやすく、車載工具でも問題なさそうですけれど、画像のようにプラグレンチがあると力の加減が容易で便利です。

燃料添加剤投入

>半年〜1年毎または3,000km毎

燃料添加剤を定期的に インジェクションで2気筒、MTという比較的カーボンが堆積しにくいと感じる条件でも溜まってしまうようです。私のGSX250Rではエンジンがかかりにくくなったり、低回転域のトルクが薄くなって、発進時「こんなんだった?」と感じたり。それと5,000〜5,500rpmのトルクの谷がはっきりし失火気味に感じることも。いずれも添加剤投入で解消します。
画像はWAKO'S フューエルワン、価格は¥1,680(税別、22/1月当時)
近年値上げに次ぐ値上げ。¥1,600→¥1,800→¥2,160(いずれも税別)...
手持ちのフューエルワンが切れたら別ブランドに代えます。(24/9月)

ブレーキフルード・ブレーキパッド

2年毎または5,000km毎

フロントブレーキフルード交換 フロントのリザーバータンク点検窓を覗くとフルードが茶色に変色しているように見えることがあります。でもリザーバータンクのふたを開けるとさほど変色していなかったり。ともあれ見た目で劣化度合いはわかりませんので、記録をつけて定期的に交換するのが無難でしょう。フロントはキャリパーが左側にあるため、フルード交換は少々作業しにくいですが、ダブルディスクに比べればはるかにラクです。

リアブレーキフルード交換 フロントに比べて手間はかかりますが、リアもブレーキフルード交換は必要です。フロントシートと、右側サイドカウルを3枚とも外すとリザーバータンクにアクセスできるようになります。ここでタンクのキャップを外そうにも、どうやっても工具が入りません。しかたなくサービスマニュアル通りリザーバタンク自体を外します。配線コネクターが少々邪魔ですが、リザーバタンクが外れれば、キャップを外すことができてフルード交換作業に入れます。

フロントブレーキキャリパピストン清掃

>5,000km毎

ピストンをキレイに わずかずつ徐々に変化していくので体感しにくいのですが、いつの間にかブレーキレバー操作が少々重く、効き始めるまでのストロークがやや大きく感じられたりします。ときどきキャリパピストンを清掃するだけでも少ないストロークと滑らかなタッチが戻ります。
作業はまずフロントフォークからブレーキキャリパ、ブレーキパッドを外します。続いてブレーキクリーナーでブレーキカスを落とし、ウエスで汚れを拭って、ピストンをキレイに清掃します。早めに手入れすればピストンの錆や頑固な汚れを抑止できます。 ピストン2個分を清掃したらブレーキグリス(ラバーグリス)を塗布、ブレーキパッドマウンティングピンも清掃し、グリスを薄く塗布しておきましょう。

冷却水(クーラント)交換

>2〜3年毎

フロントフォークオイル交換

>10,000km毎

新車で購入してから3年、気のせいかもしれませんが、なんとなくプカプカした感触になりつつあるようだったので交換作業しました。古いオイルは思ったよりも汚れていませんでしたけれど、排出した最後のほうは真っ黒。以前乗っていたカワサキZZR250や250TRは、もっと酷くキタなかったので、現代は工作精度や素材が向上しているのでしょう。
フォークオイル交換 交換後はしっとりとした感触が戻り、ライダーの疲労が減る印象です。
私の場合、サービスマニュアルを見ながら慎重に、インナーチューブ磨きや後片付けまで含めて約3時間でした。(23/5月に作業)
作業には画像のようにフロントホイールもフェンダーも外し、フォークを取り外す必要があるので少々難易度が高いうえに、フロントスタンドなどしっかりと車体を支えておく環境が必要になります。

タイヤ交換

>5,000〜10,000km毎または3〜4年毎

クラッチワイヤー注油

>2年毎または10,000km毎

ロックナットを緩めることが必要 クラッチレバー根元のダストカバーを外し、クラッチレバーからワイヤー先端のタイコを外そうとしても外れません。クラッチレリースレバー側のロックナットを緩める必要があります。一見簡単そうですが、ロックナットが微妙な位置にあって、通常のスパナでは外しにくい。しかも初回はロックナットが固く締まっている可能性もあり、左側のカウルを外した後につっかいのように見えるステーを外して作業スペースを確保しました。
ロックナットを緩めるとワイヤー先端に余裕ができてタイコを外せます。ここでようやくワイヤーグリスを注油。外した部品を元通り組み付けた後、クラッチレバーのミートポイントをチェックし、位置がずれていたら、レリースレバー側のロックナット位置を調整します。作業時間は30〜40分程度でした。(24/4月作業)

センターカウルの点検

>ときどき(?)

センターカウルの破損 おそらくマイナートラブルですが、新車購入から4年弱でセンタカウルが裂けるように割れているのに気づきました。1〜2か月前にエンジンオイル交換&フィルター交換したときにこのセンタカウルを着脱した際は何ともありませんでしたので、走行中に何かが当たって割れたとしか考えられません。補修が難しそうなため、素直に新品に交換しました。
価格は¥2,000(24/1月、税別、送料手数料別)

バッテリーの補充電

>2〜3週間以上乗らないとき

使い方で人により違ってきますが、私の場合、3週間以上乗らずにいるとバッテリーが弱ってしまうようです。頻繁に乗れる環境であればいいのですが、タイミング悪く乗れない場合は補充電することにしています。経験上、充電電流値に注意すべきで、サービスマニュアル記載の数値:0.9Aを大きく超える充電器を使うと、逆にバッテリーの寿命を縮めます。四輪用の充電器は避けたほうが無難だと思います。
バッテリー補充電 GSX250Rはバッテリーにアクセスするのにフロントシートを外さねばならず、工具が必要になるので少々面倒。リアシートを外すだけで済むよう、バッテリー端子にケーブルを接続し、充電用端子をリアシート開口部へ取り回しています。端子が落ちて垂れ下がったりしないよう、リード線を自己融着テーブで保護してからゆるく結束しました。
使っているバッテリー充電器はAZ ACH-100。価格は¥5,000(税別、21/11月)

バッテリー交換

>2〜3年毎

ブレーキマスターシリンダーのメンテナンス

>初回5年、次回以降4年毎

経年で劣化したブレーキマスターシリンダーカップの交換が必要になります。
推奨期間で交換するライダーは少ないかもしれません。私は前車ZZR250で長年放置してしまい、ブレーキタッチが明らかに悪化、自分では原因がわからず、パッド交換ほか他の処置を繰り返していた苦い経験から、少なくとも10年以内に交換すべきと考えています。

ブレーキキャリパのメンテナンス

>初回5年、次回以降4年毎

ヘッドライドバルブ

>20,000km毎?

サービスマニュアルにはカウル着脱なしで作業できるように書かれていますが、実車を見ると作業スペースが狭く、手元も見づらく、うまくできる気がしません。作業しやすいようにカウル類を外すとなるとサイドカウルにスクリーン、メーターパネルアセンブリ、ミラーまでを外し、フロントメーターパネルを外してようやくヘッドライドバルブ裏側とご対面のようで、大がかりですね...
いつか交換する機会が来たら、そのとき考えることにします。