小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2020/03/08

ZZR250経年劣化に伴うお手入れ

年月を経て劣化したZZR250をリフレッシュしましょう。

新車購入から20年は大きな故障ひとつ無くZZR250を乗り続けてきました。
しかし確実に劣化は進み、21年を過ぎると、出先でエンジンがかかりにくくなるなどマイナートラブル、いえ、経年車両らしいトラブルが散発するように。
修理しながらのバイクライフは手間も費用もかかります。何より急にトラブルに陥るといろいろと予定が狂ってしまうこともありまして、こうなってくるとさっさと乗り換えるのが賢い選択であります。でももう少し、少しだけ乗っていたい。そんな変人の記録です。ほとんど役に立たないでしょうけれど。

愛車の整備(特にDIY)は皆様自身の責任でお願いします。
サービスマニュアルやガイド本も必ず参照してください。
私個人の事例を記載していて、万人にあてはまるわけではないと思います。ご容赦ください。
各項目の頻度はあくまでも目安です。乗り方や使い方で変わってくると思います。

エンジン・電装編

WAKO'S フューエルワン

>パワーダウンを感じてきたとき

燃料添加剤。一定の評判があり、期待に違わず効果を体感できる一品です。
私のZZR250の場合、エンジンの始動性やアクセルレスポンスが回復。ZZR250マニア仕様は決してモッサリマシンではないことを再確認しました。投入1回だけでなく、2回、3回と続けることで効果がより続くケースがあるようです。
フューエルワン もっとも、くたびれてきたエンジンに使うと元のコンディションに近づくだけ。本来の性能よりもパワーアップするわけではありません。元々穏やかな特性にセッティングされている車両の場合、はっきりとした効果を感じにくいかもしれません。比較的まだ新しい250TRにも投入してみましたが、ほとんど体感効果なし。それほど劣化を感じていたわけでもなかったので効果を感じないようです。価格は¥1,600。(税別、17/11月)

キャブレターのスライドバルブ交換


  >アクセルレスポンスが鈍く高速道路で走りにくいとき

アクセルレスポンス鈍化やパワーダウンは複数の原因が考えられます。
この事例が当てはまるとは限らないし、複数の原因が同時に起きているかもしれません。
あくまでも参考情報としてお考えください。

交換するきっかけになったのは高速道路で走りにくくなったことでした。
100km/h前後で巡行する場合、以前は6速ホールドのままで良かったのに、上り坂になると1速落とさないと加速しないし、しかも加速が鈍い。高回転型エンジンなのに、肝心の高回転でレスポンス悪化とパワーダウンを感じるようになっていました。キャブレターの燃調やバルブクリアランスが急に変化するわけもなく、プラグを好感しても変わらず。ZZR250に乗り始めてもう20年以上ですし、確実に劣化していると思われるキャブレターのスライドバルブを新品に交換しました。

交換後はアクセルレスポンスが戻って走りやすく、特に高速走行時に疲れにくくなりました。以前と同じように6速ホールドのまま100km/h巡行できて、そのまま加速できます。250ccなりの緩い加速ですけれど。
スライドバルブのダイヤフラムラバーは、旧品を手で触ってもちゃんと弾力があるように感じましたが、しかし年月の経過とともに確実に劣化していたようです。

スライドバルブ タンクを外すと見えるキャブレターを、上から作業するだけですので、それほど難しい作業ではありません。とはいえ、キャブレター自体が繊細なパーツですので慎重な作業が求められます。私は真夏に作業し汗を垂らしながら、途中でボーっとしてきたせいか、トップカバーの小さなボルトをポトリと落としてしまい、探して拾うという余計な手間がかかってしまいました。それも2度...
価格は¥8,820×2。(税別、17/8月) 安くはないし、交換するのに悩む部品ではありますが、今後のパーツ供給のことも考えると、できるときに交換しておいたほうがいいのかもしれません。

イグニッションコイル交換


  >エンジンがかかりにくかったり、パワーダウンを感じてきたとき

たまにエンジンがかかりにくくなるようになって数年、いよいよ症状が頻発、エンジン始動に苦労するようになってきたのが2018年の春でした。冷間時は一発始動なのにエンジンが暖まると一転、急にかかりにくくなります。まったく初爆が来ないのが一つの特徴。かかってしまえばアイドリングは安定していて、燃調がおかしいことは考えられず、点火プラグ劣化の症状でもなさそう。バッテリー劣化も考えにくく、可能性のある原因のうち、まずイグニッションコイルを交換しました。
イグニッションコイル ゆっくり作業してカウル着脱込み1時間。
価格は¥8,380×2。(税別、18/4月)

交換後はすっかり症状が解消。かかりにくい兆候など一切無く、セルを回す時間が劇的に短くなって不安を感じません。これで完治したと安心したのも束の間、長距離ツーリングの後、ガソリンスタンドで給油後になかなかエンジンがかからずに弱りまして...
原因は一つではなかったのでした。

ピックアップコイル交換

>エンジンがかかりにくいとき

冷間時は一発始動なのにエンジンが暖まると一転、急にかかりにくくなる症状がイグニッションコイル交換後も再発。ダメなときは相変わらず一切初爆が来ません。かかってしまえばアイドリングは安定しているのも変わっていません。点火プラグもバッテリーも可能性は低く、サービスマニュアルに従い、可能性が高そうなピックアップコイルを交換したところ、症状は完全に解消しました。何の心配もなくエンジンがかかるという当たり前のことが、とってもありがたい...
作業はそれなりに大変でした。初めての作業なせいか正味7時間。手順がわかっていて経験があれば、それに各部品が固着していなければ半日+αでしょうけれど、未経験者なら私のように1日では終わらないかもしれません。

オルタネーターカバーを外して エンジンオイルと冷却水を抜いた後、左ロアカウル、チェンジペダルのシフトリンク、スプロケットカバー、ウォーターパイプを外していきます。慣れればたいしたことはないはずですけど、未経験者はそれなりに手こずると思います。
後でどのボルトかどこだったかわからなくならないよう注意しつつ数々のボルトを外し、ようやくオルタネーターカバーが外れます。スクレーパーを使って残ったガスケットを剥がし、オイルストーンで接合面をキレイにしておきます。

ようやくピックアップコイルを外す ピックアップコイル本体とご対面、なのに取り付けネジが固く締まっていてびくともしません。インパクトドライバーをあてがって叩きまくったらネジ頭が潰れてしまう始末。作業を中断して買ってきたネジザウルスを使い、苦労しながらどうにか外れました。

取り付けは逆の手順。コイルのリード線を通す個所のゴムブロックやオルタネーターカバー接合面の一部にシリコンシーラントを慎重に塗布するのと、そのシリコンシーラントが硬化するまで十分に時間をおいてからエンジンオイルを注入するのに手間取るだけで、あとは比較的順調に作業できます。

価格は、ピックアップコイル本体と取り付けネジ、オルタネーターカバーのガスケット、ウォーターパイプのOリング類を合わせて¥5,550。(税別、18/6月) このほかエンジンオイルと冷却水の費用もかかります。
なお、手持ちのテスターでピックアップコイル単体の抵抗値を測ってみても、故障品140Ωで新品が120Ω。サービスマニュアル掲載の基準値は400-490Ωで、参考になりませんでした。

ウォーターポンプのOリング交換

>ウォーターポンプからオイルが漏れるとき

2018年の冬、停車後にサイドスタンド付近に数滴のオイル漏れを発見。半年前の夏にピックアップコイルを交換したとき、配線のゴムブロックに塗布するシリコンシーラントの塗り方がよくなかったか、あるいはジェネレーターカバーのガスケットのどこかシールできてなくて漏れてるんだろう。そんな予想をしていましたが、違いました。スプロケットカバーからオイルが垂れているようだったのでカバーを外してみると、何やらウォーターポンプ周辺が疑わしいことがわかり、エンジン側のOリングと併せてウォーターポンプカバーのOリングも交換、オイル漏れは完治しました。

ウォーターポンプのOリング交換 作業はそれなりに手間がかかります。まずエンジンオイルを抜き、カウルを外し、冷却水を抜いて下準備終わり。ウォーターパイプを外し、チェンジペダルのシフトリンク外し、スプロケットカバー外し、ウォーターポンプカバーのボルトを緩め、ウォーターポンプ本体のボルトを外してポンプ本体を引き抜きます。Oリングがダメになっているかどうかは、見た目ではわかりませんでした。20年以上経った車両ですから問答無用で交換です。

この後のウォーターポンプをエンジン側にはめこむ作業が一番苦労しました。何度やってもウォーターポンプがエンジン側のシャフトにはまらず、根気が要ります。はめることができたら元通り部品を組み付けていき、冷却水を入れてエンジンオイルを入れて完了。作業時間は2時間半ほどでした。
価格はウォーターポンプ(エンジン側)のOリングが¥210、ウォーターポンプカバーのOリング(ガスケット)が¥430。(税別、18/12月)

スタータースイッチ接点

>スイッチの反応が鈍いとき

長年乗った車両に見られることですが、バッテリーが劣化しているわけではないのにスターターボタンを押してもセルモーターが弱々しい、ワンテンポかそれ以上遅れて回りだす、あるいは全く反応しない、という状況に陥ることがあります。
その原因のひとつにスタータースイッチの接点不良が挙げられます。
上記の現象が見られるなら、接点を清掃しておきましょう。

エンジンオイル交換のようなメンテは他のサイトにやり方が掲載されていますので、情報収集には困らないと思いますが、接点の清掃はあまり見られないので、ここに概要を載せておきます。
簡単な部類のメンテとは思いますが、スロットル部のアクセルワイヤー取付部を部分的に外すことになるため、ビギナーにとっては多少敷居が高いのかもしれません。
switch
初めに右スイッチボックスを外し、アクセルワイヤー取付部も外します。
次にスイッチがついている側のビス2箇所(○印)を外し、マイナスドライバー等を隙間に差し込んでツメの部分を広げてカバーから本体を分離します。このときスイッチボタンやスプリングが落下する可能性があるので、受け皿等の上で作業すると無難です。
古い車両は接点が黒く汚れています。拭き取った上、接点復活剤あるいは接点グリスを塗布しておくと より良いでしょう。
   switch  switch
      本体側の接点            ボタン側

清掃できたら 外したときと逆の手順でスイッチボックスを組み立てます。
せっかくですからアクセルワイヤーとワイヤーエンドに注油し、アクセルグリップもいったん外して清掃してからシリコンスプレーなどを吹いておくとアクセル操作が軽くなります。
これでセルが元気よく回るようになりましたね。

チョークレバー

>レバーを引いても勝手に元に戻るとき

これまた長年乗っていると、エンジン始動時にチョークレバーを引いても、引いた位置で止まらず、勝手に元の位置に戻ってしまうようになることがあると思います。こうなると暖機中に、手でチョークレバーを保持していなければならず、けっこう不便です。
走行中の問題ではないので放っておいてもいいのですけど、不便をガマンすることはありません。サクっと対処しておきましょう。

まず左スイッチボックスを分解します。
チョークレバーの摩耗、そう割り切って、レバーだけ新品に交換するのもいいかもしれません。高額ではありませんし。(2010/12月現在、¥840)
ただし、レバーが接するハンドル側も長年の使用でザラザラした面が磨かれてピカピカになっていて、必ずしも新品同様になる保証はありません。
チョーク 私は使い古したチョークレバー裏側、ハンドルバーに接する面(右の画像で○をつけた個所)に、手持ちのゴム板を貼りつけました。
厚さ0.8mmは厚みがあり過ぎ、チョークレバーの操作が重くなりましたけど、レバーが勝手に戻る不便さは無くなりました。
なお、ゴム板はちゃんと接着剤で貼りつけないとダメですよ。ゴム板を挟んだだけではゴム板がずれて効果が無くなりますから。実際に一度そうなってしまった本人が言うのですから、間違いありません。

メーター球交換

>メーター照明を暗く感じるようになったとき

乗り始めて21年が経過し黒ずんできたメーター球を安価なLEDバルブ(3chip1SMD、照射角度115°)に替えてみたところ、拡散タイプではないため明暗が目立ち、特に水温計の照明は点灯していないかのようでした。1年間そのまま使っていましたが、結局拡散タイプのLEDバルブ(3chip4SMD、照射角度360°)に交換しました。ストレスがなく自然です。初めからこうしておけばよかった...
メーター球交換 消費電力は電球3.4W×3→ 0.8W×3に、ノーマル比で8W近く低減できることになります。アッパーカウルを外せば交換作業ができて正味30分程度で終わります。メーターパネルを外す必要はありません。
ASTRO PRODUCTS 3chip4SMD T10 LEDウェッジバルブ、価格は2個組¥720×2組(税別、19/4月)

ウィンカー球交換

>古さが気になるとき

ウィンカー球交換 新車購入から22年、立ちゴケで破損し交換したフロント左以外は一度も換えないまま過ぎてしまっていたウィンカー球を交換しました。
カウルを外したほうが確実に作業できるでしょうけれど、フロントは何とか手が入り、工具を使わずに交換、リアはドライバーを使うだけで交換。作業時間は15分程度でした。
LEDではないオーソドックスな12V/23W球、2個入りを2パックで合計¥620(税別、19/3月)

ICイグナイタのカバー交換

>カバーが破れ、イグナイタがグラグラしてきたら

ZZR250のICイグナイターは車体に直接固定されておらず、柔らかいゴム製のカバー(ダンパー)を介して車体側の突起に固定されています。乗り始めてから20年以上、突起にはめ込む部分が破れてまいりました。 ICイグナイタのカバー交換
この程度なら放置してもたいして問題ないかもしれませんが、高額なICイグナイターをブラブラさせておくのはあまり気分が良くありません。かといって逆にタイラップ等で車体にダイレクト固定するのも良くないのかも。カバーを新調し、ひと安心です。
価格は¥1,310(税別、18/12月)

レギュレーター交換

>古さが気になるとき、バッテリーの早期劣化など

レギュレーター交換 ZZR250に乗り始めて22年以上が経過。
特に何も異常はないけれど、長いスパンで見るとレギュレーターもある種消耗品でして、予兆もなく突然壊れることもあるでしょう。安価ではないものの予防整備として交換しておきました。
価格は¥11,600。(税別、19/3月) 古いレギュレーターは予備に保管します。

車体編

フロントブレーキマスターシリンダーのメンテナンス

>推奨は4年ごとです

こんなはずじゃないのにフロントブレーキの利きもタッチも良くありません。新車購入から21年、ブレーキフルードは定期的に交換していて、パッドはまだ残量があり古くはなく、キャリパーピストン清掃もやった。あとはステンメッシュのブレーキホース劣化の可能性もありますが、やはりマスターシリンダーが主原因でした。

交換部品のピストンコンプ:ピストン本体とスプリング、プライマリーカップとセカンダリーカップの4点セットがバラバラなため、まず組み立てることから始めます。シリコングリースを塗布しつつ、単純ながら手先の器用さが要求される作業です。
車体側はブレーキレバーを外し、クランプを外し、ブレーキスイッチも外し、ブレーキフルードを抜いてから。古いダストカバーは劣化して弾力がなくボロボロに破れました。スナップリングを外すとピストンが外れます。外したピストン自体にダメージは見られず、スプリングも使えそう。ですがカップ、特にセカンダリーカップは弾力が無くなっている感触。マスターシリンダー側内部はキレイだったので、そのまま、新しいピストンコンプを取り付け、スナップリングをはめてダストカバーを被せて基本作業は終了。
マスターシリンダーのメンテナンス あとはブレーキスイッチ、クランプ、ブレーキレバー取り付け。ついでにリザーバタンクのダイアフラムも新品に交換。ブレーキフルードを補充してエア抜き。
汚れた部分の清掃やブレーキのエア抜き作業を含み、作業時間は約2時間でした。

交換後はガリゴリタッチからソフトなタッチに変化。絶対的な制動力は変わらないものの、少ない力でほどほどの制動力が得られるため、あまり疲れなくなりました。
価格は、ピストンコンプ:ピストン本体とスプリング、プライマリーカップとセカンダリーカップの4点セット、ピストンストッパー(スナップリング)、ダストカバー、リザーバタンクのダイアフラムを合わせて¥3,720。(税別、18/5月)

リアブレーキマスターシリンダーのメンテナンス

>推奨は4年ごとです

フロントブレーキのマスターシリンダーをオーバーホールしてから1年弱、劣化した感触は特になかったリアのマスターシリンダーもオーバーホールしました。何せ新車購入から22年も経過していますから、さすがに劣化が進んでいるでしょう。
まず新品ピストンコンプの構成部品を組み立てるのはフロントと同様。
マスターシリンダーのメンテナンス 車体側はサービスマニュアルの記述通り、ダストカバーをめくってスナップリングを外せばピストンが外れます。プッシュロッドを分解する必要はありません。外したプライマリカップは新品とそう変わらない感触でしたがセカンダリは硬化しているぽい。
ピストンコンプを新品に入れ替えるまでは順調に進んだものの、スナップリングプライヤーでスナップリングをはめるのにひと苦労しました。ダストシールはダメージ無さそうだったので清掃しシリコングリスを薄く塗って再利用。エア抜き作業を含めて作業時間はざっと1時間半でした。
交換後は硬めのタッチから、ブレーキペダルを踏んでいく量に応じてしっとり効くフィーリングに。リアブレーキであまり繊細な操作はしませんけれど、疲労軽減につながりそうです。価格は、ピストンコンプ:ピストン本体とスプリング、プライマリーカップとセカンダリーカップの4点セット、リザーバタンクのダイアフラムを合わせて¥3,350。(税別、19/2月)

ステムベアリングのグリスアップ

>5〜10年毎あるいは異常を感じたら

屋内保管で雨天走行が数えるほどしかなく、かつ転倒歴が無く、異常も感じなければ、もしかしたら車両の寿命までグリスアップ不要かもしれません。しかし乗り方や走る路面によって大きく違うものの、グリスは確実に劣化していくもの。そこへ悪路走行や転倒など少なからずステアリングにダメージを及ぼすことがあれば、ベアリングレースの点検も兼ねてたまに分解清掃したほうが良いでしょう。
新車で乗り始めてから17年経過後に作業した私の車体では、荒れた路面を走ったときにガタガタっというような感触をハンドルを通して感じるようになったのが、2〜3年前。カウルの、ビスで止めてない箇所を再度養生しても完全には治まらず、フロントフォークのオイル管理もしていて、原因はステムでした。
作業はプロに委ねたほうが無難です。ご自身で作業する場合、今どきは少数派であろうカップ&コーン式のベアリング構造をあらかじめ確認されることをお勧めします。

ステムベアリング 私はフロントフォークもホイールも外さないという邪道な手抜き作業をしましたので初めてでも半日で済みましたが、賢明な諸兄は真似せずにサービスマニュアル通りの作業をお願いします。
どうしても手抜きしたい場合はセンタースタンドとジャッキ、フロントスタンド、輪止めが欠かせません。
私の車両ではグリスは完全に固化、先例に漏れず作業中にベアリングを床面にぶちまけてしまい、1個だけどうしても発見できず、前もって購入しておいた新品を使いました。また、レースにごく小さな打痕があったものの、このまま使えると判断、新品グリスを塗り直して組み上げました。
難しいのがステムナットの締め付け具合で、いい塩梅というのがわかりにくい。安全性に直結するため、通例は軽めの操舵力になるよう締め付けておき、しばらく走ってベアリングが馴染んできたら再度締め付ける方法を採ります。
私は手抜きしたかったため、セルフステアが自然な感触を保つギリギリの範囲であえて重めに締め付けたところ、数百km走行後にはステアリング操作が重くなくなりました。荒れた路面でのガタつきは完全に解消しています。(作業時期:14年3月)

フロントフォークのダストシール交換

>ひび割れが酷くなってきたとき

ダストシール交換 乗り出してから21年半ほど経過した2018年夏、フォークオイルを交換するついでに酷くひび割れてきていたダストシールを交換しました。年数が年数だけに外観だけでなく内部も相当劣化しているはずと覚悟していたら、ほとんど傷んでいるようには見えず、ピンピンでした。錆びて膨れているかもと考えていたスナップリングも新品同然で拍子抜けしました。ともかく新品に交換しておくことでしばらく安心です。
作業は車体からフロントフォークを外して行います。難しくはありませんが、地味に手間がかかり、3時間弱を要しました。
価格はダストシール¥860×2、スナップリング¥230×2。(税別、18/8月)

フロントフェンダーのリベット打ち直し

>フェンダーがグラつき始めたら

フェンダー取り外し 2014年3月にステムベアリンググリスアップと調整を行ってから、しばらくするとたまに段差などでガタつき音が気になるように。フロントフェンダーを手で触ってもガタついているようには感じられず、インナーフェンダー先端やカウルの継ぎ目にあてたクッション材を貼り直したり、ステムを増し締めしたり、様子を見ていました。
しかしガタつき音が酷くなってきて、改めてフェンダーを触ってみると少々ガタガタするようだったため、いよいよリベット修理をすることに。

リベット打ち直し 作業内容はフロントをスタンドで持ち上げ、ホイールを外してからフェンダーを取り外し、古いリベットをドリルで破壊してから新しいリベットを打ち直すというもの。後は元通り組み直して終了。作業にはリベッターが必要になります。
フェンダー本体が少々磨耗していたので、新しいリベットを打つ前にアルミテープをドーナツ状に切って当ててみました。ただの気休めです。
作業後は走行中のガタつき音が完全に収まりました。が、ガタつきが再発...

フロントフェンダーをボルト止めへ

>リベットを打ち直してもダメなら

ガタつきが再発し、改めてしっかりリベットを打ち直したのにまたガタつき発生。フロントフェンダーのリベットを打つ箇所が磨耗し穴が拡がっていましてリベット打ちではもう限界と判断、確実なボルト止めに。
リベットをボルトへ スペースが限られているため、超低頭小ねじをホームセンターで購入し、ワッシャーを当てがって固定。拡がってしまった穴は気休めにパテを埋めました。ボルトだけでは心配だったので、フェンダーと金属ステーの間にいくつか外装用両面テープも追加しておきました。
費用は超低頭小ねじ(M4×8mm) 4本セット¥123。(税込、2016/8月) ワッシャーとナットは手持ちのものを利用しました。
ホイールを外すのが面倒で、フロントをスタンドで持ち上げただけの状態でフェンダーを外し作業しました。ヘンなことに慣れてきた気がします...

ガソリンタンクのダンパー

>10年毎?

ダンパー 画像の、タンク下に挟んであるダンパー(ゴム)は消耗品です。オーナーの使い方や、車体の保管状況で全く変わってくると思いますが、古い車体であれば点検しておいたほうがいいでしょう。
挟んであるところのゴム、経年変化で厚みが無くなり、千切れてしまうと脱落します。こうなるとタンクの縁とフレームが直接接触するようになり、そのまま乗り続けているとタンクの縁にキズがついて錆の原因になりかねません。
私の場合、脱落していることに気づかず、最近段差を乗り越えるときに異音がするなあと思っていたら、片側のダンパーが無くなっていて、フレームとタンクに少しキズが入ってしまいました。ダンパーの品番は92160-1197、1個¥242(12/7月)ですので、早めに換えておいても損はしないと思います。

ガソリンタンク下部のグロメット

>5〜10年毎?

グロメット 燃料タンク後方下部の穴にゴム製のグロメットがはめ込まれていて、サイドカバーに一体成型されたピンが勘合ようになっています。長いことZZR250に乗っていると数回以上、場合によっては私のように数十回タンクを着脱する機会があり、このグロメットがいつのまにか外れて無くなってしまうことも。グロメットの品番は92071-1043、1個¥190(税別、16/2月)でした。きっとまたいつか気づかないうちに外れていることがあるでしょうから、スペアを持っていても悪くないでしょう。