小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2010/03/21

ZZR250弱点の対策事例1(一般向け)

それぞれの弱点への対処事例:カスタム例を紹介します。

タイヤ交換以外はすべて私『はたぼう』が休日に独力で作業しました。
フルカウル車なので何かと大変ですが、オイルやフィルター交換ができる人なら根気さえあれば たいていの作業はなんとかなるでしょう。

ご紹介しているカスタムを奨励しているわけではありません。
また、作業は自己責任でお願いします。必ずしも全ての車両で体感効果があるとは限りません。
特に基本的な整備が行き届いていないと本来の性能を発揮できない場合があります。
(点火プラグ・プラグコードの劣化、エアクリーナーの酷い汚れ、チェーンのたるみ・張り過ぎ等)

エンジンの低中速トルクとレスポンスアップ

KENSO バクダンキット

効果 <☆☆☆☆☆>

バクダンキット キャブレターインナーパーツ。 メインジェットとジェットニードルがセットになっています。極低速はともかく、中速域は格段にトルクアップします。マフラー換えるより効果があるかも。取り付けてもう7年以上になりますが何も問題なく耐久性もあると思います。
パッケージには「ボルトオンパーツ」と書いてありますが侮ってはいけません。作業は非常に面倒です。タンクやカウルをすべて外すのはもちろん(94年式以降)はキャブレターにクーラントの通路があってすごく手間取るし、小さい部品を落っことすとアウト! また、取り付け後のパイロットスクリュの調整も至難の技。
初心者は手を出さずにショップに取り付けを頼んだ方がいいでしょう。作業時間や工賃をかけたなりの効果が実感できます。

月木 アレーテヴォルテックス

効果 <☆☆☆☆☆>

ヴォルテックス
マフラー。エキパイがステンレスで錆の心配もなく、造りも丁寧です。
低速がスカスカになるかと思ったら全く違い、低中速域が確実にトルクアップします。
極低速も良くなり、発進がとても楽になりました。高速域はあまり変わりません。



サイレンサーバンド カウルを外せば作業は簡単です。
ただしサイレンサーの取り付けに気を使わないと走行中にリヤアクスルナットがサイレンサーにヒットしますので注意!
ベストな方法かどうかはわかりませんが、標準的な体重以上の諸兄の場合、後述するリアサスのプリロード変更のほか、下の画像のようにサイレンサーバンドを左右対称形状から非対称形状に曲げてから取り付けるとヒット防止になります。

一応センタースタンドも取り付けできますが同包されているストッパは強度が足りず、しばらく使っていると走行中にスタンドとチェーンが干渉することがあるので、外したほうが無難です。

[追記 10/03/21]
フルノーマルにポン付けしただけの状態では極低速が重く感じられるケースもあり、その場合はキャブのパイロットスクリューを締めていく(薄くする)と改善されます。

桑野 ダイレクトパワーシステム Mini Ra

効果 <☆☆☆☆☆>

ダイレクトパワーシステム バッテリー電圧安定供給装置。私は低中速向けを購入しました。今では類似品が多くあり、「ホットイナズマ」や「PPS」も同様のものです。極低速から中速域のレスポンスとトルクアップがはっきり体感できます。またエンジン始動性も良くなり、数週間放置後でも1発始動! コンデンサー(蓄電)効果の他にノイズフィルター効果もあるらしいです。
バッテリーにつなぐだけの超簡単取り付けなので初心者にもおすすめです。
(05年以降は ほとんど商品が流通しておらず、入手困難のようです)

TRICK STAR Power Puls System (PPS)

効果 <☆☆☆  >

PPS バッテリー電圧安定供給装置。私は高回転型の「トップアドバンテージ」を購入しました。
中速〜高速の吹け上がりが軽くなり、振動も少なくなりました。マフラー交換等で10,000rpm付近の谷を感じる場合も 谷がほぼ解消することがあります。実際は速く走っていても、体感加速はそれほどでもありません。体感ではそうでもないのに いつの間にかスピードが出ていることがあります。
これもバッテリーにつなぐだけの超簡単取り付けです。

DENSO イリジウムプラグ

効果 <☆☆   >

スパークプラグ。特に低中速が改善されますが宣伝ほど感動するものではありません。プラグ交換はサイドカバーやタンクを外す必要があるので やや面倒ですが、このプラグの場合はそれだけでは車両とのマッチングが悪く、キャブのパイロットスクリューを締めていく(薄くする)と非常に良くなります。調整しないと低速域がひどくボコつく場合があります。キャブに手を出せない人はNGK VXプラグがいいでしょう。キャブ無調整でもOKでした。

100円ショップのトルマリンパッチ

効果 <☆☆☆  >

トルマリンパッチ 100円ショップで売っている健康?グッズ。ダイソーでは「アクトパッチ」や「リラクパッチ」という商品名で販売されています。意外なほど低中速が良くなりました。写真のように薄い銅版に「リラクパッチ」を貼り付けてキャブのエアクリーナー側にぐるりと巻く方法も試してみましたが、私のバイクの場合、エアクリーナーBOX内側にペタペタ貼っていったほうが体感効果があるようです。最低でも数百円分は 貼ったほうがいいと思います。でも、あまりたくさん貼りすぎると吹け上がりが悪くなりますのでほどほどに。コストパフォーマンスは抜群!

[追記 10/03/21]
点火系を強化した場合もそうですが、私の経験上 体感効果は混合気の空燃比に左右されるようです。作業対象の個々の車両が要求する空燃比が最適〜ほんの少し薄めだと(キャブセッティングされていると)比較的体感効果がある気がします。
ZZR250の排ガス規制前車両の場合、フルノーマル車両、整備状態が良くない車両は空燃比が濃い目なケースがあり、そのままでは体感効果が無いことがあります。
また、ノーマルマフラー装備車両はキャブセッティングが少々ズレていても特に問題なく走ったりします。この場合も体感効果が無いかもしれません。

デイトナ ターボフィルター

効果 <☆☆   >

エアクリーナーエレメント。中速域に効果があります。高速域は効果を体感できませんでした。よく車種別のパッケージで販売されていますが、ZZR250用は無いので汎用サイズのものを純正と同じサイズにカットして取り付けます。タンクを外さずに何とか作業できますので初心者にも作業できると思います。
私は集塵性向上のため、フィルターオイルをまぶして使っています。洗浄は汎用クリーナーで。7年ぐらい使いましたが耐久性も特に問題ありませんでした。

エンジンノイズや振動を低減

WAKO`S 4CR (15W-50)

効果 <☆☆☆☆ >

4CR 100%化学合成エンジンオイル。フリクションが減り、エンジンノイズが減少します。オイル交換時に何度か続けてこれを入れていくと効果を体感すると思います。10,000rpm以上をガンガン使ってもオイルの劣化が感じられず、オイル寿命も長い。価格は¥3,150と高価。(04/9月) でもそれだけの価値があります。真冬の始動時は少々硬めに感じるときもありますが... 10,000rpm以上をあまり使わない人は もう少し安価な4CTでも性能は充分だと思います。

パパコーポレーション スーパーZOIL

効果 <☆☆☆  >

エンジンオイル添加剤。フリクションが減り、エンジンノイズや振動が減少します。いろいろ添加剤が市販されていますが、これは効果を体感できる数少ない製品でしょう。シフトチェンジのタッチも良くなります。

(汎用キット)アーシング

効果 <☆☆   >

アーシング 大径電気配線(耐熱)。カーショップで叩き売りされていた汎用キットを購入しました。アクセル微小開時のレスポンス向上や低中速時の振動低減に効果があります。私はバッテリーのマイナス端子からイグニッションコイルとシリンダーヘッドカバーに配線しています。効果が出ない車両もあるようですが、私は取り付けたり外したりして効果を確認しました。タンクさえ外せば作業自体は特に難しくありません。

カムチェーンテンショナー補強

効果 <☆☆   >

スプリング テンショナーのスプリング力アップ。マイナートラブルでしょうか。私の愛車は5,000km走行ぐらいからカムチェーンの異音が大きくなってきましたが、テンショナーがオートタイプなので調整はできません。そこでホームセンターで購入したスプリングを適当に切って追加してみました。
それ以降気になる異音は出ていません。

(追記)上記補強から約15,000km走行後、3,000〜3,500rpmあたりでゴッ、ガッという異音が微妙に再発するようになり、オイル交換しても止まらなくなりました。テンショナーを新品に交換し、異音は減ったもののそれでも3,000rpm付近のかすかな異音が残ってしまい、やむなく以前と同様、適当に切ったスプリングを再度 追加、異音は完全に解消しました。(ほんとはカムチェーンを交換すべきなのか...)
このテンショナー自体、長い目で見ると消耗品と考えてもいいかもしれません。交換の際、新品と旧品を比較するとベアリングの当たり面に傷がついていたのと、旧品のスプリング自由長が新品に比べて3〜4mmほど短くなっていたことから、ある程度の部品寿命のようです。

補強は あくまで異音が消えない場合の応急処置という位置づけになります。
特にお勧めはしません。

コーナリング性能向上

純正リアショック プリロード変更

効果 <☆☆☆☆ >

ノーマルサスペンションを調整。ZZR250は路面追従性に優れたリンク式1本サスを採用していてプリロードのみ5段階の調節が可能な窒素ガス封入式ショックユニットが装備されています。車両のコンセプトから、小柄な女性が乗車しても快適な乗り心地になるよう柔らかめのスプリングレートと抑え気味の減衰になっています。 RearShock
のんびりツーリングや高速道路走行には全く支障がなく、路面からの衝撃を良く吸収してくれる優秀なサスペンションです。それでも標準体型以上の男性がワインディングを楽しもうとすると 柔らかいスプリングレートのためにアンダー傾向が出るので、出荷時のプリロード「2」を「4」にすることで、中高速コーナーでの腰砕けが減少し、アンダー傾向が改善されます。
サービスマニュアルにも書いてありますが、何とリヤサスユニットを車体から取り外してプリロードを変更します。センタースタンドをつけてサイドカバー両側とも外せば それほど難しい作業ではありませんでした。でも大変。初心者が一人で作業するのはキビシイでしょう。

街乗りからワインディング、高速までカバーでき、おそらくZZR250オーナーの99%はここまでで相当満足できるはずです。強いてアラを探せば 「4」にすると夏は街中での段差等の突き上げが若干大きいこと。冬は程度が多少マシになるのですが...
さらに、よほどエンジンや吸排気関係のカスタムしない限り問題ないと思いますが、中高速ワインディングでペースを上げ、プリロードを大きく上回る入力が入ると サスが動きすぎて腰砕け感が出ます。
もっともそんな走り方はZZR250には全然似合いませんが...

ブリヂストン BT39

効果 <☆☆☆☆ >

BT39 スポーツ走行用タイヤ。ノーマルとはグリップ力や剛性が格段に違います。曲がりにくくて悩んでいる人はタイヤをこれに換えるだけでも劇的な効果を体感できるでしょう。限界域でノーマルタイヤが “ツー” と滑っていくのに対し、このBT39は “ぬるっ、ぬるう” と滑ります。とはいえ乱暴に扱うと “ズッ!”と滑るので無理は禁物です。ノーマルの軽快感はやや薄れますが、支障はないでしょう。真冬はタイヤが温まるまでグリップ力が低いので 急制動等は危険です。
価格は近隣の用品店にて工賃込み¥28,560でした。(04/8月)大都市圏の激安店でしたら、もっともっと安く購入できると思います。

[追記 09/09/27]
7月に新品を装着し、このBT39を使い続けてもう3本目。約10年の長きに渡って使用してきました。これだけ使って感じたことを追記します。
賞味期限は7〜8,000kmまたは3年どちらか短いほう。その期間内なら乗り心地とグリップ力が良くバランスされていると感じます。
乗り方しだいかと思いますけど、私の乗り方で12,000km以上、約5年使いましたが、3年を経過すると乗り味が硬くなり、制動距離も少々延びる感触があります。
ワインディングでのドライグリップ力はさほど低下しないようですが、やや神経質になり、限界付近では落ち着きが無くなります。このころになるとサイドウォールやトレッド面はまだしも、溝を良く見ると表面にひび割れが始まっているので、寿命だということですね。

フロントサス オイル変更

効果 <☆☆☆  >

G15 純正指定のG10をG15に。フロントのふわつきが減り、踏ん張り感が向上します。乗り心地はそれほど悪化しません。
オイル交換作業は比較的簡単ですが、自分でやる場合は1度プロの作業を見てからの方が良いでしょう。1人より2人でやると早く作業できます。価格は¥1,960(税抜き)でした。(02/3月)

ブレーキタッチ改良

フルードのエア抜き

効果 <☆☆☆☆ >

単なるエア抜き作業。 私の愛車は新車時にわずかにエアが混入していたようで握りこんでいくとブレーキは効きますが、どうもタッチが悪かったのでエア抜きしました。
作業にはワンマンブリーダーなどのエア抜きツールがおすすめ。早く確実にエアが抜きできます。

デイトナ ゴールデンパッド

効果 <☆☆☆  >

Golden Pad ブレーキパッド。フロントに使用。(下記メッシュホース併用)劇的にタッチが改善するとか、制動力が向上するわけではありませんが、コントロールのしやすさ、十分な効きで、不満はありません。全ての面で同社のシンタードパッドよりも性能向上と謳われていましたが、私のようなシロートライダーにはほとんど体感できていません。価格は¥4,725でわりとリーズナブルでした。(04/11月) シンタードパッドも寿命が長かったのでこのパッドも期待できそう。コストパフォーマンスは良い。

グッドリッヂ ステンメッシュホース

効果 <☆☆☆☆ >

交換用ブレーキホース。フロントに使用。ブレーキタッチが向上します。以前はカワサキの純正アクセサリーカタログにも掲載されていたのに、いつのまにか ひっそりと消えてしまったようです。ワインディングを楽しむには必須かな?

apロッキード(DELPHIロッキード) ブレーキパッド

効果 <☆☆☆☆ >

ブレーキパッド。リアに使用。ノーマルパッドとは違い、絶対的な制動力は突出しているわけではないものの、効きはじめからしっかりと制動力が立ち上がり、特に中間域のコントロール性が抜群。ZZR250はサスがノーマルの場合、リヤ荷重を意識したほうがコーナリングが安定することが多く、さらにいざというときの旋回中の速度調整にはコントロール性の良いリヤブレーキが欲しくなります。そんな場合に けっこうぴったりのパッド。ノーマルホースとの組み合わせでも十分です。
反面、減るのが早い... 日常なんとなく使っていると4,000kmもたなかったり、ワインディングが好きな人は3,000kmいかないうちに交換時期になってしまいます。