SWISH(2019年式)ノーマル車インプレッション
2019年7月、それまで乗っていたカワサキ250TRから乗り換えました。原二スクーターを所有するのは約25年ぶり。他車種との比較試乗などしておらず、原二スクーター共通のインプレになっているかもしれません。
比較対象は主に前車の250TR(2012年式FI)、旧いZZR250(1997年式!)、約25年前に乗っていたLEAD125(JF01、2サイクル、10インチタイヤ)とか、エリミネーター125(1999年式、初期の13psモデル)という、異色な取り合わせになりますゆえ、参考に値しないインプレかと思います...
総合
おすすめ度 <☆☆☆☆ >
[スポーツスクータールックの実用コミューター]
一見、俊敏に走りそうなスポーツスクーター的ルックスですが、比較的ゆったりとジェントルに走るのが合っている実用車。
空冷単気筒エンジンにしては高回転でも振動や騒音が少なく、滑らかに走る印象です。スロットル開度がハイスロの逆、ロースロな設定のため、ダッシュするにはアクセルをワイドオープンする必要があります。でもワイドオープンでも手首のひねりが多い以外はわりと快適、振動を嫌ってアクセル開度を少し控えめに走る250TRと比較してアベレージスピードに大きな差はありません。大昔に乗っていた2サイクルのLEAD125と比べて加速力もレスポンスも劣りますが最高速はずっと伸びていく印象です。とはいえ得意なのは概ね60km/h+αまで、それ以上はどうしても少しずつ余裕が無くなっていきます。
シートが良く疲れにくいのが一つの特徴です。平地中心の移動で飛ばさないのなら250TRやZZR250よりもずっとラク。高速には乗らず、速く走る必要が無ければ、これ1台で他に要らないと思ってしまうこともあります。10インチのタイヤサイズはクイック過ぎず、サイズの割には安定感がありますけれど大げさな操作は禁物ですね。
欠点は他社水冷エンジン車並みの価格でしょうか。突出した個性が薄く、目立つ欠点が無いだけにやや地味なイメージを持たれてもしかたないかもしれません。
燃費は概ね50km/L。今までのワーストが冬期の街乗り:42.8km/L、ベストが慣らし運転中の下道ツーリング:59.0km/Lです。
市街地
おすすめ度 <☆☆☆☆ >
[余裕は少ないが扱いやすい]
アクセル開度にもよりますが発進加速が特段優れているようには思いません。広い幹線道路で四輪車を余裕でリードできるわけでもなく、中間加速もスッと前に出れるほどでもありません。どちらかというと周囲に合わせてジェントルに走るタイプだと思います。決して遅くはありませんので、落ち着いて走れば疲れにくくラクです。スリムな車体も、狭い市街地との相性良好。
10インチタイヤの制動力に余裕たっぷりなようには感じないので、あまり無理しないほうがいいように思います。安定した走行感ながらレーンチェンジは機敏で少し車体を振っただけで容易に進路変更でき、当初フロント19インチの250TRとあまりに違って驚きました。
鮮やかなブルーの車体色はポジションランプと相まって被視認性は悪くないようで、走行中に眼前を横切る対向右折四輪車が少ない気がします。
LEDヘッドライトはアフターマーケット製品に比べれば光量は落ちるでしょうが、ローもハイも実用十分な明るさ。体感ではZZR250やエリミネーター125のハロゲンバルブ光(60/55W)より明るく、250TRのハロゲンバルブ(60/55W)に匹敵します。
クルージング
おすすめ度 <☆☆☆☆ >
[のんびり流すとジェントルで平和な世界]
比較的静かで振動の少ないエンジンはのんびり流すと平和な世界が拡がり、それでいてつまらないこともなく、ちょっと楽しい。クルージング適性は群を抜いています。急がない限り10インチタイヤで不安定なはずのSWISHが疲れにくく快適で、似たような時間乗車した場合フロント19インチで抜群に安定している250TRのほうが疲れやすく感じるのが不思議です。ZZR250も水冷2気筒なのに疲れる気がします。同じように平和な世界だったエリミネーター125よりもSWISHのほうが動力性能にゆとりがあってラク。ただし急な登坂や長い直線の登坂路になると加速力がはっきりと鈍り、125ccである以上、致し方ありません。交通状況によっては気疲れします。
10インチのタイヤは想像以上に安定していて悪くありません。大きい段差ではそれなりにショックが来ますが、滑り止め加工されたフロアボードと、バックレストぽいシート段差を使ってある程度尻を浮かすことができ、さほど不快ではありません。
気のせいかもしれませんが、それなりに防風できているのか腹や腰まわりを風が直撃することは無く、個人的にはスクリーン追加の必要性をあまり感じません。
燃料タンク容量5.5Lながら、ツーリングに出かけて燃費が50km/Lを切ることはなく、走行200kmを超えたら給油タイミング。走行150kmを超えると少し心配になっていた250TRよりも気が楽です。
ワインディング
おすすめ度 <☆☆☆ >
[それなりに走れるが安定感は高くない]
ワインディングを楽しむキャラクターではありませんが、自分なりのペースで走れば意外に快適です。反面、振り回すような走りは合ってないし、もちろん速さもありません。10インチタイヤにしては不安感は少ないものの、調子に乗るとヒヤリとする場面も出てきます。下りの突っ込みなどは要注意。直線部分でちゃんと減速を終え、フロント荷重をある程度抜いてから旋回するのが合っております。
流れの速い郊外路やバイパス
おすすめ度 <☆☆☆ >
[走れないことはないが得意なフィールドではない]
片側2車線以上で広い幹線道路や50cc以下通行禁止のバイパス道路など、場所や時間帯によっては80前後かそれ以上で流れている場合があります。そうした、125ccのSWISHには厳しい条件でもどうにか走れます。エリミネーター125よりもずっと走りやすいかもしれません。もっとも、60超では加速がそれなりに鈍るので、四輪車がフツーに加速してもSWISHはアクセルをワイドオープンすることになります。たまには煽られたり強引に抜かれたりすることも。でもこうしたことは250TRでも同様だったので、どうしても飛ばしたい四輪車にはさっさと道を譲るのが無難ですね。
取り回し・ユーティリティ
おすすめ度 <☆☆☆☆☆>
[初めからひと通り揃っていて扱いやすい]
他車に比べてコンパクトな車体は、乗車感にゆとりは少ないものの、小さすぎないサイズ感。ハンドル高さは私にはやや低めですが実に疲れにくい。フロアボードがやや高めで、もう少し足を後ろに置けるといいのですが、逆に足を前に伸ばせることができてラクな姿勢を取れます。
インナーラックもコンビニフックもリアキャリアも、LEDヘッドライトもハザードスイッチもUSB電源も、初めからひと通り揃っていて後付けするものがほぼ無いのはありがたい。
シート下スペースは広く、フルフェイスヘルメット:OGK KAMUIUがギリギリ入ります。リアボックスを取り付けて積載量が増えただけでなく、標準装備のリアキャリアを利用しシートのタンデマー部分に大きな荷物を載せてネットやロープをかけることが可能です。
また、このリアキャリアはセンタースタンドをかけるときにも重宝し、50ccを連想させるほど。気軽にセンタースタンドをかけることが多くなりました。
10インチのタイヤサイズは狭い駐輪場でも押し歩きがラク。お手軽感たっぷりで、セカンドバイクのつもりがいつの間にかファーストバイクになってしまう可能性も大いにあります。