小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2024/05/05

SWISH メンテナンスの一例

SWISHを長く快適に乗るためのメンテナンス一例です。

新車購入から5年近く、自分で行ったメンテナンス作業を中心に紹介します。

愛車の整備(特にDIY)は皆様自身の責任でお願いします。
取説書やサービスマニュアルに従ってください。
私個人の事例を記載していて、万人にあてはまるわけではないと思います。ご容赦ください。

エンジンオイル交換

>1年毎または6,000km毎

エンジンオイル交換 SWISHのエンジンは空冷。水冷よりもエンジンオイルの負荷は大きいとは思いますが、過去所有の空冷単気筒車カワサキ250TRに比べてオイルの汚れがとても少なく、私の乗りかたでは1年毎でよさそう。
オイル交換のやりかたはネット上に多くの情報があって、ここでは割愛しますけれど、ひとつだけ。
SWISHのオイル注入口は少々奥まっていて、ジョウゴを使うようなやり方ではうまくいかず、何でもいいとは思いますが、画像のアストロプロダクツ製オイル交換ジョッキを使うと順調に交換できました。
エンジンオイル買い出し
[おまけ]
私の使いかたでは1年に1回、GSX250Rのエンジンオイルと同時に交換します。
オイル交換量は合わせて3L弱、粘度の異なるオイルをブレンドして使っていて、1Lずつ2L買う時もあれば、2Lずつ4Lのときもあります。
いずれにしろSWISHはシート下収納が大きく、購入したオイルの運搬がラクラク。

エアクリーナーエレメント清掃

>1年毎または5,000km毎

エアクリーナー清掃 SWISHのエアクリーナーは湿式と乾式のハイブリッド構造。湿式エレメントは洗浄しフィルターオイルを塗布することで再利用可能、乾式エレメントのほうは汚れたら新品に交換です。
今どき湿式なんてありえん、というご意見もあるでしょうが、湿式エレメントを適度にメンテナンスし、ある程度ゴミやほこりを吸着させている限り、乾式エレメントの汚れを抑制し、交換サイクルを長くできそうです。
点検・清掃は1年ごと、シビアコンディションでは半年ごとと取説書に記載され、エレメントを取り出す作業も簡単なので、面倒がらずに手入れしようと思います。

タイヤの空気圧点検・補充

>概ね1か月毎

タイヤの空気補充 SWISHのタイヤは前後10インチ。250cc以上の車両で一般的な17インチ以上のタイヤに比べ、エアボリュームが少ないせいか空気圧の変動が多い印象があります。月1回程度は確認し、減っていたら補充します。秋から冬へ変わる季節は月2回確認することも。
私はフットポンプタイプの空気入れを使っていますが、10インチタイヤは補充量が少ないのでホームセンターで入手できるミニバイク/自転車用の手押しタイプ空気入れでも容易に補充できると思います。

プラグ交換

>10,000km毎

motoDXプラグ 手が入りにくい場所での作業になります。SWISHには車載工具がありませんので、別途プラグレンチが必要。ETHOS Designのフレキシブルプラグレンチを用意したのですが、プラグを緩めた後プラグに指先が十分届かず、手で回せない... 取り付けるときもターミナル部分にしか指先が届かないため、プラグを回すためのソケットが別途必要になり、次回以後のためにプラグソケットを購入しました。
価格はETHOS Design フレキシブルプラグレンチ¥848(税別、20/6月)、アストロプロダクツ 3/8DRプラグソケットマグネット付 63mm ¥590(税別、20/8月)

燃料添加剤投入

>半年〜1年毎または3,000km毎

フューエルワン かつてZZR250に乗っていた頃、チョイ乗りを避け、できるだけ完全燃焼を心がけていたつもりでしたが、エンジンOHのときにピストンやバルブにたっぷり堆積したカーボンに少々ショックを受けました。
それ以来所有するエンジン車にはこの種の燃料添加剤を定期的に投入しています。だいたい半年に一度くらいのペースで、計量カップを用い、ガソリンに対して1%を超えないように量っています。
画像はWAKO'S フューエルワン、価格は¥1,680(税別、22/1月当時)

[追記 2024/02/18]
SWISHのようにクラッチの無いスクーターは、低回転域のトルクやアクセルレスポンスの劣化がわかりにくく、ついそのままにしがち。私の場合、1年近く燃料添加剤を入れずにいたら、エンジンがかかりにくくなり、イージースタートシステム搭載にもかかわらず、なかなか初爆が来ず、スタータースイッチワンプッシュでは始動できなくなってしまいました。WAKO'S フューエルワンを投入するとすぐに解消。やはり定期的に投入したほうがいいようです。
しかし近年フューエルワンは値上げに次ぐ値上げ。¥1,600→¥1,800→¥2,160(いずれも税別)... 手持ちのフューエルワンが切れたら別ブランドを考えます。

ブレーキフルード・ブレーキパッド

>1〜2年毎または5,000km毎

リザーバタンク液面 フロントブレーキレバーの付け根付近をのぞき込むと画像の○印部分に点検窓が見え、フルード量を確認できます。

ブレーキフルードの補充や交換には左右バックミラーを外し、フロントハンドルカバーを外す必要があります。面倒に感じるのも初めのうちだけで、慣れればそれほど億劫には感じません。新車購入から約2年、走行約4,000kmの時点で交換作業を行いました。
ブレーキフルード交換
作業時間は約1時間。(21年7月) 特に劣化も感じていなかったので交換前後で特に変化はありません。ブレーキレバーのタッチだけ、新車のときよりもしっかり感が増しました。珍しいことではありませんが、新車時点でブレーキラインにごくわずかのエアが混入していたかもしれません。


フロントブレーキキャリパピストン清掃

>5,000km毎

ピストンをキレイに わずかずつ徐々に変化していくのでなかなか体感しにくいのですが、ブレーキフルードを交換しても、ブレーキパッドがまだ十分に残っていても、ブレーキレバー操作が少々重く、効き始めるまでのストロークがやや大きく感じられたりします。こんなときはブレーキホースの劣化を疑う前にキャリパピストンを清掃するだけでも少ないストロークと滑らかなタッチが戻ってきます。
作業はまずフロントフォークからブレーキキャリパ、ブレーキパッドを外します。続いてブレーキクリーナーでブレーキカスを落とし、ウエスで汚れを拭って、ピストンをキレイに。早めに手入れすればピストンの錆や頑固な汚れを抑止できます。 SWISHのフロントブレーキは片押し2ポッド。ピストン2個分を清掃したらブレーキグリス(ラバーグリス)を塗布します。ブレーキパッドマウンティングピンも清掃し、グリスを薄く塗布しておきましょう。

ファイナルギアオイル

>3年毎または10,000km毎

ギアオイル交換 メンテナンススパンが長いせいか、エンジンオイルに比べると軽く見られがちなファイナルギアオイル交換。面倒な気もしますけど、オイルシリンジなど横方向からオイル注入できる道具さえあれば、エンジンオイル交換よりも簡単な作業だと思います。私のケースでは3年、走行6,500kmで交換したところ、オイルがそれなりに汚れていました。
サービスマニュアル指定はエンジンオイル、しかもたった50mLですので、エンジンオイル交換のついでに作業するのがラク。こだわる方や少しでも長持ちさせたい方はエンジンオイルよりもギアオイルを選択するのがベターかと思います。

バッテリーの補充電

>2〜3週間以上乗らないとき

できるだけ2週間に1度は乗るようにしていますけれど、それでも新車購入から2年以上経過した寒い日の朝、スターターモーターが弱々しくなってしまいました。そこでバイク用のバッテリー充電器で補充電。以来、3〜4か月に一度程度補充電を行い、今のところバッテリーは持ちこたえています。今度の冬が3年経過後に迎える冬になりますが、どうなることやら...
バッテリー補充電 経験上、充電電流値に注意すべきで、サービスマニュアル記載の数値:0.7Aを大きく超える充電器を使うと、逆にバッテリーの寿命を縮めます。手持ちの充電器は定格1.0Aなので、必ずしも適切ではなく、補充電を頻繁に行わないよう注意しています。SWISHはバッテリーへのアクセスが比較的容易です。
使っているバッテリー充電器はAZ ACH-100。価格は¥5,000(税別、21/11月)

[追記 23/07/16]
新車購入から2年経過した時点で少々弱ってきた感のあるバッテリーでしたが、3〜4か月ごとくらいで補充電していて、4年経過した時点では特に弱った兆候は見られません。AZ ACH-100のサルフェーション溶解機能効果により、ある程度は劣化を抑えたり回復できているのかもしれません。
補充電には最低1時間、だいたい2時間程度かそれ以上かかります。時間をかけて行うものです。以前は充電電流値に無頓着で定格4Aの充電器を接続、すぐに満充電。こんな方法では確実にバッテリーの寿命が縮みます。
なお四輪車のバッテリーも補充電は時間をかけるべきで、最低でも2〜3時間かけるように電流値を選ぶと良いことがわかってきました。以前46B24Lのバッテリー補充電に定格4Aの充電器を使い、2〜3か月に1度補充電していたら、2年もたずに寿命を迎えてしまいました。今は2Aで充電しています。頻繁に短距離走行を繰り返す妻の四輪車のバッテリー(M42)は、たまに2Aで補充電する程度で6年使い続けています。

外装のキズ補修

>キズが目立って気になるとき

イージーリペア フロントレッグシールドを外した時に誤って取り落とし、風に吹かれて転がってキズが入ってしまった部分の補修です。それでなくても、二輪車でも四輪車でも走っていれば外装に少しずつキズは入ります。走行中、先行車が跳ねた小石が当たることもありますし、SWISHのフロントフェンダーはやや低い位置にあるせいか、駐輪場の車輪止めパイプに接触させてしまうことも。
スズキトリトンブルーメタリックに限らず、このような専用色を少しでも安価に済ませようと四輪車の近似色でごまかすことを考えた場合、私の経験では色が合わなくて何本も似たような塗料を買って結局費用がかさむことになりがち。初めから専用色のデイトナ イージーリペアを購入しました。
四輪車用の用品店で見かける筆タイプではなくペンタイプ。手軽な反面、キレイに塗るには少し難しく、筆タイプのほうが幾分キレイに仕上がる気がします。どのみち目立ちにくくなる程度で、スプレータイプの仕上がりには到底及びません。
開封から年月が経過した場合、筆でかき回すことができず、経年には弱いかもしれません。気休めでしょうが、キャップと本体の境目に自己融着テープを巻いて保管しています。価格は¥1,011。(税込、21/5月)

樹脂コート剤塗布

>未塗装黒色プラスチックの白化が気になるとき

樹脂コート剤塗布 ふだん物置保管ですので劣化は少ないはずですが、3年経過すると黒色プラスチック部分がどことなく色褪せてまいりまして... アーマオールなど昔ながらの保護剤ではあまり効果が見られません。
そこでオ○トバックスで見かけた、prostaff 未塗装樹脂ブラックコートを塗布したところ、黒い光沢が復活。
特にハンドルカバーは黒光りが視界に入りやすく満足度が高いです。私の使い方で半年程度は効果が持続するようです。(22/7月作業)

[追記 23/11/19]
1年3か月後に再施工、黒い光沢が復活しました。(23/10月作業)
ふだん物置保管でひと月に2〜3回走行する程度の、私の使い方だと1年以上効果が持続しました。色褪せた状態になるまでにはもっとかかりそうです。

フロントホイールアクスルスペーサのダストシール異音対策

>対策前車両のみ

私の車両の場合、幹線道路を走行中に「ヒィィィーン」という異音が突然聞こえ始めました。異音はすぐに大きな音になって、走っていて恥ずかしいくらいの大きさに。ネット上でも数々の事例が散見されます。

ダストシール注油 応急処置としては↓
フロントホイールのアクスルスペーサの隙間にスプレー式グリスを塗布します。一時的に異音が解消したり、異音がごく小さくなったりします。
しかし私の車両の場合、しばらく経つと押し歩きの際にキーキー音が出るようになり、スプレーグリスを何度塗布しても解消しなくなりました。

ある程度しっかり処置するには↓
ダストシール清掃 フロントホイールを外し、右アクスルスペーサのダストシールを清掃、SUPER ZOILグリスを塗布することで完治しました。たぶん。

作業はブレーキキャリパーを外し、アクスルシャフトのナットを緩め、車体下部をジャッキで持ち上げてフロントを浮かせ、アクスルシャフトを抜くとホイールが外れます。
同時に外れた右アクスルスペーサのダストシール内側はシールが削れた微細な粉とグリスが混じり、真っ黒に変色していました。シール部分は奥まっているので、スプレー式グリスを塗布しても容易には届かないと思われます。ともかく大量の摩耗粉を除去しないと、摩耗粉により摩耗が進み、さらに摩耗粉が発生するのでは...
リフトするジャッキ
アクスルスペーサもホイール側も、真っ黒に変色したグリスと摩耗粉を拭ってSUPER ZOILグリスを塗布、元通り組み付けました。慎重に作業して合計1時間弱。特殊工具は不要ですが、リフト量を調整可能なジャッキがあったほうが便利です。

公式な処置は↓
異音の原因となるダストシールが廃止されたアクスルスペーサ対策品に交換するようです。