英米で出版されているマザーグースの絵本は一体全部で何冊あるのだろうか。18世紀のチャップブック以来、印刷術の発達に伴いおびただしい数の集成・絵本が世に出てきた。私が過去十数年、日本にいて集めただけでも千冊にのぼる。おして知るべしだ。
ランドルフ・コルデコット、ウオルター・クレーン、アーサー・ラッカム、ケート・グリーナウェイ、トミー・デ・パオラ、リチャード・スキャリー、など英米の一流イラストレーターがマザーグースの世界を描いている。いや、一流と認められた作家だからこそマザーグースを描くことが出きると言っても間違いはないだろう。
みずから絵本作家であるモーリス・センダックは、『センダックの絵本論』(脇明子・島多代訳、岩波書店、p. 11) の中でこう書いている。
現在までに数知れないマザーグース集成が出版されている事実こそが、いかに英語圏で「マザーグース」が親しまれているかの証だろう。では、論より証拠、比較的入手しやすい絵本を紹介しよう。なお値段はアマゾン日本書店のもので、変動の可能性があるのでご了解願いたい。
My Very First Mother
Goose
Iona Archibald Opie (編集), Rosemary Wells (イラスト)
$21.99
ハードカバー - 108 p (1996/09)
Candlewick Press (MA) ; ISBN: 1564026205 ; サイズ(cm): 30 x 27
動物が主人公になっている。オピー夫人が端書きにこう書いている。
Mother Goose will show newcomers to this world how astonishing, beautiful, capriciosu, dancy, eccentric, funny, goluptious, haphazard, intertwingled, joyous, kindly, loving, melodious, naughty, outrageous, pomsidiious, uerimonious, romantic, silly, tremendous, unexpected, vettiginous, wonderful, x-citing, yo-heave-ho-ish, and zany it is. And when we come to be grandmothers, it is just as well to be reminded of those twenty-six attributes.
Richard Scarry's Best
Mother Goose Ever (Giant Golden Book)
Richard Scarry (イラスト)
$13.99
ハードカバー - 96 p (1970/02)
Golden Press ; ISBN: 0307155781 ; サイズ(cm): 31 x 27
リチャード・スキャリーの絵本シリーズの一つ。これも動物が主人公。月を飛び越える牛がピンクのドレスを着たり、それを見て笑う子犬がセーラー服を着ている。全部で50篇、見開きに1編という見やすいレイアウトで小さな子供に読み聞かせるのに最適。有名なマザーグースのキャラクターである、Simple
Simon, Georgie Porgie Pudding Pie, Little Miss Muffet, Old Mother
Hubbard, Peter Piper and Jack Spratらが総出演だ。
Mother Goose : The
Original Volland Edition
Eulalie Osgood Grover (編集), Frederick Richardson (イラスト)
$9.99
ハードカバー - 128 p / The origin 版 (1997/10)
Random House Value Publishing Inc ; ISBN: 0517436191 ; サイズ(cm):
29 x 22
もともと1915年に初版がアメリカで出版されて以来、ずっと親しまれている絵本だ。端書きでEulalie Osgood Grover
が、こう書いている。
"May her (Mother Goose) fame and her melodies be lovingly preserved to give joy and inspiration to many future generations of little childen."
The Real Mother Goose
Blanche Fisher Wright (イラスト)
$9.95
128 p (1994/10)
Scholastic, Inc. ; ISBN: 0590225170 ; サイズ(cm): 29 x 23
これもアメリカで1916年に出版されたマザーグース絵本の定番。Blanche Fisher Wrightの描く淡い色調と、エドワード朝の衣装がノスタルジアを呼ぶ。Humpty Dumpty; Peter, Peter, Pumpkin-Eater; The Cat and the Fiddle; Pease Porridge Hot; and Wee Willie Winkieなどの絵がよく知られている。実は、この絵本はインターネットで見ることが出来る。見たいという方は、
http://www.designwest.com/Johanna/MotherGoose/
にアクセスをどうぞ。
Rhymes & Reasons : An Annotated
Collection of Mother Goose Rhymes
James Christensen (著)
$19.95
ハードカバー - 56 p (1997/05)
Greenwich Workshop Press ; ISBN: 0867130407 ; サイズ(cm): 36 x 26
新しい絵本だ。特徴は唄の歴史的解釈などが添えてある点だ。おまけとしてポスターサイズの紙に唄のキャラクターが総出演している。全部見つけられるかクイズになっている。すべて見つけられた人は「マザーグース博士」になれるかも・・・。
The Jewish Mother
Goose : Modified Rhymes for Meshugennah Times
David Borgenicht (著)
$12.95
ハードカバー - 96 p (2000/04)
Running Press Book Publishers ; ISBN: 0762406755 ; サイズ(cm): 16
x 16
タイトルの通り「ユダヤ版マザーグース」。分類としては、マザーグースのエスニック版と言うところだろうか。ユダヤの風俗習慣、ユダヤ語を知る機会になる。
Ring-A-Ring O'
Roses & A Ding, Dong Bell
Alan Marks (著)
$12.95
ペーパーバック - 96 p (1999/10/15)
North/South Books, Inc. ; ISBN: 1558586717 ; サイズ(cm): 21 x 23
もともと1991年に A BOOK OF NURSERY RHYMESというタイトルで出版されたもの。76編のマザーグースを選び、イギリスの若手のイラストレーターであるAlan
Marks が描いたもの。淡い色彩の中に子供たちの生き生きした表情を読みとることが出来る。日本のイラストレーターだった、いわさきちひろを思い出させる。