「同時通訳」方式を利用した授業
(これは『新英語教育』1995年4月号に掲載したものです。)
(1) はじめに
日本語の訳読が「罪悪視」されているが、ここでは日本語訳を積極的に活用して英語を定着させる方法を提示したい。最近の私の授業では、同時通訳の練習法を取り入れている。
その中心になるのは、次の2つである。
・Model Interpretation
教師がsense groupごとに日本語を言い、生徒はそこまでの英語を読む。そしてslash
(/)を教科書に入れる。
・English-Japanese Interpretation by pair-work
生徒同士でひとりがslashごとの英語を読み、もうひとりが日本語に通訳をする。(前もって生徒には「全訳」を配っておく。)
(2)授業の実況中継
では、早速実際にどう授業を展開しているか、その例を示そう。"New Atlas
English Course I"(三友社)のLesson 8 "The Sound of Music"から、一文だけ取る。
When we finished singing "Do-Re-Mi,"the Captain stepped forward
and took the microphone.
まず、sense groupごとの日本語を教師が言って、そこまでを生徒は、コーラス・リーディングをする。
教師:私たちがドレミを歌い終わったとき
生徒:When we finished singing "Do-Re-Mi,"
教師:大佐は前に出て
生徒:the Captain stepped forward
教師:そしてマイクに向かいました。
生徒:and took the microphone.
音読しながら、生徒は教科書に区切り(/)をいれてゆく。次に、生徒がペアで立って通訳練習をする。
生徒A:When we finished singing "Do-Re-Mi,"
生徒B:私たちがドレミを歌い終わったとき
生徒A:the Captain stepped forward
生徒B:大佐は前に出て
生徒A:and took the microphone.
生徒B:そしてマイクに向かいました。
今のところは、「全訳」プリントを配り、それを参考にして区切り毎の日本語訳をしても良いことにしている。
(3)「訳読」から「同時通訳」方式へ
最近、「英語が前から3週間で30倍速く訳せる本」西村喜久著(明日香出版社)を読んだが、面白いと思ったのは、「英語を前から訳す」ための法則を示している点だ。大原則は、
文の5形式+前置詞(句)の時、いついかなる場合も前置詞までを主語にすると良い。
(例)第三文型+前置詞+名詞
I like the coffee shop / in front of the station.
私の好きな喫茶店は、/ 駅の前にあります。
とまれ、Grammar-Translation Method と Direct Methodの二者択一でなく、それを統合したBilingual
Methodを提唱したい。ぜひ、追実践していただきたい。
(やすい・さだお 愛知・豊田東高校)