五平もち

[御幣餅・五平餅]  くしに刺した焼き餅。うるち米を炊いてすりつぶし、平たく丸めて刺す。
             クルミ・ゴマ・みそなどのたれをつける。長野県南部、岐阜県山間部の郷土料理
日本語大辞典−講談社より
「補足」
 吾平もちとも書かれる。ご飯と同じうるち米なので、餅と言うよりも焼きおにぎりに近いのかもしれない。
 大別すると愛知県山間部(奥三河)の豆味噌タレ
        長野県南部(木曽・伊那)のゴマ醤油タレ・・・形は団子型もあり
        岐阜県山間部(飛騨)のアブラエタレ・・・香り独特な黒ゴマの一種
 お米・木の串・味噌などに山の幸であるクルミ・山椒・ヘボ(地蜂の子)など季節のもの加えた甘辛いタレをつけ炭火で香ばしく焼き食した山間部の料理であることから山仕事をする樵達の食料で保存性がよいこともあり広まったと思われる。
 形から御幣(紙または布を串にとりつけた親祭用具の敬称)とも書かれる事から、山の講(11月に行われる山の神の祭り) を祝い、お供えしたとも思われる。
 名前の由来は
   ○御幣に似ている
   ○五合もちで平らだから・・・・・五平もちは別腹で一人で五合食べるとか、五合のお米で1本作るなど
   ○五平さんが作った
  定説は無し。                            「私はきこりの五平さん説が好きだ」
 いずれにせよ、山里に伝わる極シンプルな郷土料理で
 日本人の食の原点であるお米・味噌を大事に扱ったものである。
 
 

五平もちの作り方

材料    ご飯茶碗一杯分の五平もちを20本程度作るために
分量 ヒント
うるち米 10カップ(一升) 粘り気の少ないお米の場合は一割程度のもち米を入れても良い
20本 割り箸を代用しても良いが、本物の木材を使用したい
ホームセンター資材売り場で杉板(桧でもかまいませんが香りが強すぎますので一度熱湯につける)を適当な大きさにカットする

くれぐれも、アイスの串のような物はやめてほしい
串の香りも五平もちの味の一つです
タレ 味噌 300g 一種類ではなく数種類をブレンドすると良い
砂糖 300g 味噌と砂糖の割合はその味噌の辛さに深く関係しますので味見しながら増減
山椒
しょうが
適量
ごま 適量 ゴマ醤油タレの場合は味噌の分量300グラムを
ゴマと醤油に置き換えてください
その他
 山の幸
適量適宜 クルミ(代用に落花生も良い)*ヘボ(地蜂の子)など入れるとコクが出る
その他、ツナの缶詰・刻みねぎなどもなかなかなものです
酒・味りん 適量 味噌・砂糖をのばすのに使います
*ヘボには思い出がある
  自分がまだ小さい頃、父や兄が採ってきた蜂の巣からヘボを取り出だすのを手伝った。すでに蜂の形をしたのもいたり、ヘボの形が不快なものを想像させ、とても食べる気がしなかった。父たちは取り出したものをそのまま口に放り込み栄養になる美味しいといっていたが自分には出来なかった。しかしヘボを炊き込んだヘボ飯は目をつぶり食べた。本当に美味しかった。あの味は言い表しようがない。
今では佃煮の缶詰として売られているが生のものとはまったく違いがっかりする
■作り方
ヒント
炊飯 硬めに炊く お米にもよりますが一割は水を控える
「美味しいご飯の炊き方」
 @十分に水に浸す
     冬場は一時間
     夏場は30分
 A水温に注意
     冷たい水から炊き22・3分で炊けるよう
 Bあかご泣いてもふた取るな
ねる すりこ木で米粒の感触を少し
残す程度までねる
ねりが少ないと串につきません
ねりすぎるとお餅になってしまいます
すりこ木を押し回す感じで
串につける 一個分のご飯を両手で押さえ
込みながら串につけ形にする
表面が乾くまで離して保存
これがなかなか難しい
キリタンポ状になっても仕方ありませんが、頑張ってみてください
串に水をつけない
ご飯も水っぽくしない
  父は出来上がるとすぐに火にかけ、表面がうっすらのり状になる程度
  軽くあぶりましたが?
タレ作り 材料をすり鉢でよく練り、酒:味醂で適当な固さにする
味噌タレの硬さの目安はジャム程度
味を決める一番のポイントですが、当店のタレは秘伝です
お教えできません 悪しからず

各人の好みに合わせ作れば必ず美味しいのが出来ます
保存しておきたい場合は煮込むと良い
焼く 焦げ目がつくように素焼きをする
タレをぬり焦がさないようにもう
一度焼く
炭火が一番です
コンロの場合は直火でなく焼き網などを使用する
オーブン・トースターの場合は串が燃えますのでアルミフォイルで木の部分を保護する
もち網は使用しないで下さい
  網目とタレの焦げがつき苦くなります
  串の先端と手元を燃えないものに載せると良い
さあ五平パーティーです!!!
子供たちは顔中味噌をつけほおばります
お姉さん・お兄さんは何本でもいけます
お父さんは日本酒呑みながら  合いますよ
お母さんはもちろん
おじいちゃんもおばあちゃんもやわらかくふっくらとした五平もちに満足々
囲炉裏を囲めば最高
屋外でのバーベキューも良いね
冬はもちろん夏も口当たりさっぱりで美味しいですよ