読書は苦手だ。
自分勝手にその原因をつくるとすれば、眼が弱いからだ。
悲しいことに小学一年生から眼鏡をかけている。多分近視だけでなく眼の質もよくないのだろう。
細かな文字を長く見ていると頭が痛くもなる。
そんなわけで文学書などはほとんど読んでいない。
しかし、授業で習った吉田兼好の『徒然草』、清少納言の『枕草子』は短い文章ではあるが心に残っている。

つれづれなるままに、日くらし、硯にむかいて、心に移りゆくよしなき事を、そこはかなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
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春はあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。
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まだ夜が明けきっていない
　　西の空はまだ暗い。
　　天上の空は表現しがたい濃紺。
　　東の空はかすかに明るくなりうすく澄みわたる紺色。
そのような空の色は好きだ。

若い頃ファッションに少しだけ気にしていた頃そのよう色の服を探したこともあった。
でもお目にかかったことは未だにない。
多分一生無理だろう。
心の中に強烈に焼きつく感動は二度とないのだろう。
あってはいけないのかもしれない。
でももう一度見てみたい。
どこか空気のきれいな山に登り