王子は、お酒が めっぽう弱かった。
披露宴の乾杯酒で、即ダウン。

昼近くに 目が覚めて、あたしを見るなり、後すざりして、
「おまえは、誰だ」と言うんだよ。
ひどいと思わない?
自分の妻を誰だと聞くなんて。。。。。
まぁー あたしも、いつものあたしに戻っていたんだけどね。

実は、あたし、本当は、黒い髪だった。
それも 白髪がたっぷり。
あんまり白髪が多かったので、いっそうの事 色を抜いて白髪にしたら、カッコイイと思ったのよ。
それで、灰汁で髪を洗い続けたの。

いつも、灰ばかり集めるもので、皆が、シンデレラ(灰かぶり)とあだ名を付けたの。

たまに、レモン汁も効果があると聞いたので、それも実行した。
努力の甲斐あって 見事 カッコイイ白髪になったの。

ある日、舞踏会へ行くことになったのだけど、
脱色したのが いけなかったのか、
髪がゴワゴワに傷んで、ちっともまとまらないから、蜂蜜を塗って
押さえつけたら、いい感じになったのよ。

そして、お城へ。
お城は、シャンデリアの光が輝いていたけど、周りは暗めだった。

しばらくしたら、知らない人が、近づいてきた。
鼻をぴくぴくさせながら、あたしの髪をしげしげとみつめて、匂いをかごうをするの。

「綺麗な髪ですね。甘くて、良い香りだ。きらきら輝いている。」と言いながら、
ググッと迫ってきたの。
ホント、礼儀を知らない、変な人だった。

あたしは、「はちみつがシャンデリアに反応して、光っているだけだわよ!と言いたかったけど、
それどころではなかった。
靴ずれで足が、とてつもなく痛かった。
やっぱ、本物の靴を履いてくれば良かったと 後悔したよ。

だって、はいたのは、パパが 旅行のお土産で買ってきて、
棚に飾っていた、ガラスの靴だったんだもの。

偶然、足にぴったりだったので、面白半分に履いちゃったけど、
靴って多少は空間があって 曲がらないとダメでしょう。

そのうちに、時計が、ボーンボーンと鳴ったのね。
その音でさえ、足に響くようになって、痛かったので、とりあえず、
時計の音が聞こえない所へ逃げようとしたのよ。

階段の所で、耐えきれずに、靴を脱ぎ棄てて、ホッとしたら、
あの髪のにおいをかごうをする、変な人が、こっちへ向かって来たので、
びっくりして、急いで家に帰ったの。
片方の靴 投げ捨てるのを忘れるぐらい、慌てて帰っちゃった。
で、片方だけ家に持って来たわ。

舞踏会なんて、ちっとも楽しくなかったし、変な人は、寄って来るしで、もう 嫌。
二度と行きたくないと思ったよ。


数日後、お城から王様の家来が来た。
そして、訳わかんないけど、王子と結婚するはめになったのよ。

王子って、あの鼻ぴくぴくの変な人だったの。

金髪が、大好きで 金髪女性にめっぽう弱かった。
舞踏会で、あたしの髪に一目ぼれしたってわけ。
白髪の蜂蜜付きの髪を 金髪と間違えた、ドジな人だわ。。。。

結婚式も夜だったので、シャンデリアの光で、あたしの髪やっぱり光っていたみたい。
もちろん、蜂蜜も塗っていたしね。

そして、翌日の、あの言葉、、、信じられるぅ〜。

「おまえは、誰だ」だって・・・!!

ぎゃーぎゃー 二人で騒いでいると、王が登場。
私を見るなり、年はいくつかって聞いてくるのよ。
レディーに年を聞くなんて、どうかと思うよ。

あたしが、正直に年を言うと、王子の母より 年上だと これまた騒ぎ出して、
挙句の果てに、世継ぎの心配までする始末。

だいたい、1回しか会わないで、結婚した王子が、軽率なんでしょうが!

とりあえず、人目にさらすなという 王の命令で、部屋にかくされちゃって・・・
ひどい、話でしょ。。。。。

まぁ、部屋も綺麗で、食べ物も豊富に運んでくれたけどね。

特に この国は、りんごが、たくさん採れる土地で、種類も多いのよね。
大好きなりんごをいくらでも食べられた事だけは、良かったかな。
ずーっと、ここに居てもよいくらいだった。

そして、王室会議が延々と続き、 結果、「追い出す」と判断された時は、叫んだね。

「いったい、あたしが、何したって言うのよー!!」
1日中 叫び続けたものだから、部屋にいた、オウムがすっかり覚えて、
「ナンニチタッテモ イイノヨ〜」と ちよっと 意味違うけど、一生懸命に繰り返すものだから、
1人で、大笑いしたけどね。

そうこうしているうちに、あたしは、ついに 城を追い出されたのよ。
結婚して、1ヶ月が過ぎた頃だった。

いくあてもなく、市場をウロウロとしていたら、果物を扱っている店で、バイトできる事になったの。
そこで、あたしは がんばったよ。

りんご担当になって、このりんごは、パイに入れると良いとか、
お酒で漬けると、うまいとか。
お客にアドバイスをして、りんごをかってもらうのだけど、
お城で、たくさんのりんごに出会ったのが、こうを成して、売上ぐんぐんアップ。

果物店主も喜んでいたよ。
あたしは、副店長まで 登りつめたのさ。

でも、ある日 売れ残ったりんごをかじっていたら、突然のどに詰まらせて
息が、できなくなったの。

その時、
「あれっ、遠い遠い昔、これに似た事を体験したような・・・7人の小人が、あたしを見ていた・・・。」
と思いながら、帰らぬ人になっちゃたよ。

その後、果物屋の店主は、店を盛り上げた、あたしの話を息子にしたのよ。

そして、又、その息子にと だいぶ先の子孫にまで、あたしの事は、伝わっていったらしい。
その中の1人は、あたしの話が、大好きで、
いつも、寝る前にその話をしてもらいながら、寝たみたい。

そして、自分が作った会社の名前を「アップル社」と付けたの。
会社のマークは、りんごが、かじられた絵を使ったらしい。
かじったのは、もちろん、あたしって事になるよね。

その上、一番の売れ筋の商品に、あたしが好きなりんごの品種「マッキントッシュ」っていう
名前を引用して、商品名にしたらしい。。。。

一体、何を売っているんだろうねぇ。

         おしまい (^^)v
前世
シンデレラのその後

こんにちは、花バッチャンです。

ある日、ひょんな事から、思い出したことがあるんじゃよ。

実は、ワシの前世が、あの シンデレラだったような気がしてきた。。。。(@_@;)

で、ホントかどうか、不確かなんだけど、一応 ここに書いておこうと思った。
これって、やっぱり夢だったのかねぇ。

うーん、わからんけど、「シンデレラのその後」を読んどくれ〜


「シンデレラのその後」

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