1 大唐王朝 女性の美展   愛知

名古屋松坂屋       2004/12/04

舞台美術館の鑑賞


 
 随から禅譲を受けて李淵が建国した唐王朝(618〜907)は、東ローマや中央アジア諸国との交易で異文化を吸収すし、300年の長期王朝を建てた。また、わが国の政治・経済・文化にも多大な影響をもたらした。

 中国古来からの伝統的文化と外来の文化を融合し発展させたこの「大唐王朝」を、中国史上において大きく特徴付けているのが、楊貴妃らに代表される「女性たち」の存在であると言う。

 優雅な服装や新しい髪型、精巧な装飾品など女性にまつわる様々な文化が開花し、その様子は遣唐使によりわが国に伝えられ、「天平美人」に代表される奈良時代の華やかな女性文化を結実させた。

 千年前の女性美を今に伝える壁画や女性俑(よう)をはじめ、豪奢な貴族生活をほうふつさせる金銀器、陶磁器などの副葬品から仏教・道教像まで、日本初出品のものを中心におよそ170点を展示、と言う。

 入館料 1000円。後で知ったが、インターネットで割引券が手に入れる事が出来たようだ。

 展示品は、死者を悼む副葬品などが主であった。

 唐美人、華麗なるファッション、貴族の生活、祈りの形の4部作。

唐美人

 唐の女は、楊貴妃と則天武后の名前しか知らない。二人とも、たくましい女だったようだ。今回の展示女性群は、気丈夫なものでなく、この時代の一般的な女の姿だったと思う。細い線で刻まれた壁画があった。こちらは、極めて美人に描かれていた。

 7世紀頃の墓と言う高松塚古墳の女性像、源氏物語絵巻などと同じ雰囲気の女性像だった。随分と中国の影響を受けたのだ、すべて、中国流だった。

 

華麗なるファッション

 死んだ後も現世と同じ生活があるという考えから、昔は、生きた人間を、唐の時代には、人形を墓に一緒に埋葬した。それを俑と言うそうだ。

 女の楽団、髪型や服装の変化などが、その俑に現れている。

 陶器について始めて知った事があった。1つは、仕上げの焼きの際、酸素を十分に供給すると紅くなり、不十分だと灰色になるそうだ。加彩、灰陶加彩。

 もう1つは、三彩。釉薬に金属を入れて焼き上げる。鉄分は紅く、銅は緑、素地の白。

 

貴族の生活

 現世同様に生活できるように、金銀器、陶磁器、などが副葬された。極めて優雅なものばかり。

 

祈りの形

 当時、仏教が伝来し、元々の中国の道教と混じり合い、仏像が作られた。スタイルの良い仏像が出始める。ギリシャ彫刻のようなものもあった。

 

以    上  TOPへ戻る