題 名: 上善若水
(70cmx140cm)
2004年(平成16年)第四十回 岡崎美術協会展 出品作品

『水』をテーマの書作品です。
最上の善は、水の働きに似ています。
水は、万物にこの上ない恵みを与えていますが、
万物と競い争うことはありません。

 『老子道徳経』 第八章
 
上善若水  上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し。
水善利萬物而不爭  水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わず。
處衆人之所惡  衆人の悪(にく)む所に処(お)る。
故幾於道  故に道に幾(ちか)し。
居善地  居(きょ)には地を善(よ)しとし、
心善淵  心には淵(えん)なるを善しとし、
與善仁  与(まじわり)には仁を善しとし、
言善信  言には信を善しとし、
政善治  正(政)には治を善しとし、
事善能  事には能を善しとし、
動善時  動には時を善しとす。
夫唯不爭、故無尤  夫(そ)れ唯だ争わず、故に尤(とが)め無し。


大 意

最上の善は、水の働きに似ています。
水は、万物にこの上ない恵みを与えていますが、
万物と競い争うことはありません。
人が嫌がるような目立たない低い場所にいます。
だからこそ道に一番近いといえます。
住居としては大地がよく、心は奥深いことがよく、
付き合いは情け深いのがよく、言葉は実のあるのがよく、
政治はうまく治まるのがよく、事を処(しょ)すには有能なのがよく、
行動するには時宜(じぎ)に適(かな)っているのがよいのです。
このような水の働きを備え、争わなければ、
誤りもなく咎(とが)を受けることもありません。  

『老子道徳経』 第八章  
平成十六年 三月 秀樹書
     
参考図書
老子の講義・・・・・・・・・諸橋轍次著・・・大修館書店
タオー老子・・・・・・・・・加島祥造著・・・・筑摩書房