題 名: 天下莫柔弱於水
(140cmx70cm)
2004年(平成16年)東洋書芸院展 第28回公募展 出品作品

「上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し」
で始まる『老子道徳経』第八章と対をなす第七十八章を取り上げてみました。
柔らかく弱い性質をもつ水が、あらゆる生命を根底から支え、それを代用できるものはないという。
柔弱は剛強に勝つと世間で知られるが、水ほど如実に示すものは無い。

『老子道徳経』 第七十八章の一節

天下莫柔弱於水。
而攻堅強者、莫之能勝。
以其無以易之。
弱之勝強、柔之勝剛、
天下莫不知、莫能行。


書き下し文

天下に水より柔弱(じゅうじゃく)なるは莫(な)し。
而(しか)るに堅強(けんきょう)を攻(せ)むる者は、之(これ)に能(よ)く勝(ま)さる莫し。
其の以って之に易(か)うる無きを以ってなり。
弱の強に勝ち、柔の剛に勝つは、
天下に知らざる莫きも、能く行なう莫し。


大 意

世の中に、水ほど柔らかく弱々しいものはない。
しかし、堅強なものを攻めるに、水に勝るものはない。
何ものも水の性質を変えるものがないからである。
弱き者が強き者に勝ち、柔らかき者が堅き者に勝つことは、
天下に知らない者はいないが、実行できるものはいない。  

『老子道徳経』 第七十八章の一節  

平成十六年 五月 秀樹書
     
参考図書
老子の講義・・・・・・・・・諸橋轍次著・・・大修館書店
タオー老子・・・・・・・・・加島祥造著・・・・筑摩書房