題 名: 水有四徳
(140cmx70cm)
2005年(平成17年)岡崎美術展 第58回展 出品作品

尸子(しし)
尸佼(しこう)著 尸子(しし)君治(くんち)篇を取り上げてみました。



『尸子』 君治篇の一節

水有四徳  水に四徳(しとく)有(あ)り。
沐浴群生  群生(ぐんじょう)を沐浴(もくよく)せしめ、
通流萬物仁也  萬物(ばんぶつ)に通流(つうる)するは仁(じん)也(なり)。
揚淸激濁  淸(せい)を揚(あ)げ、濁(だく)を激(げき)し、
蕩去滓穢義也  滓穢(しわい)に蕩去(とうきょ)するは義(ぎ)也(なり)。
柔而難犯  柔(じゅう)にして犯(おか)し難(がた)く
弱而難勝勇也  弱(じゃく)にして勝(かち)難(がた)しは勇(ゆう)也(なり)。
道江疏河  江(こう)を道(どう)とし、河(かわ)を疏(とお)し
悪盈流謙智也  盈(えい)を悪(にく)み、謙(けん)に流(なが)るるは智(ち)也(なり)。

大 意

水には四つの徳、『仁』『義』『勇』『智』があります。
その一つ『仁』とはあらゆる生き物を洗い清め、すべての物に染み込んで行くという、
どんなものにも接する思いやり(慈愛)の気持ちが備わっています。
二つに『義』とは清らかな水を溢(あふ)れさせ、濁った水を粉砕し遮(さえぎ)り、汚いよごれを取り除く性質をもっています。 すなわちそのような道理にかなった性質なのです。
三つ目は『勇』です。柔らかき者が堅き者に歯が立ちそうにない場合や、弱くて勝ち目がない相手であろうとも、『義』(正義)と あらば、立ち向かっていくその『勇』です。
最後の四つ目の徳、『智』とは物が多量に満ちあふれることを不快に思い、相手を敬(うやま)い、 みずから低いところへ流れ従うことです。いいかえれば、人は富と名誉とを追求し、飽く事を知らない。 しかしその欲望を抑え、ある程度で満足することを知っています(知足)。  

『滓穢(しわい)』 =けがれ、よごれ  

『尸子』 君治篇の一節  

平成十七年 四月 秀樹書