題 名: 愛
(140cmx35cm)

吾聞為高士於天下者  吾(われ)聞(き)く、天下(てんか)に高士(こうし)たる者(もの)は、
必為其友之身  必(かなら)ずその友(とも)の身(み)のためにすること、
若為其身  その身(み)のためにするがごとくし、
為其友之親  その友(とも)の親(おや)のためにすること、
若為其親  その親(おや)のためにするがごとくして、
然後可 以為高士於天下  然(しか)る後(のち)、もって天下(てんか)に高士(こうし)たるべし。
是故退睹其友  この故(ゆえ)に退(しりぞ)きてその友(とも)を睹(み)るに、
飢即食之  飢(うえ)うればすなわち之(これ)に食(しょく)せしめ
寒則衣之  寒(かん)ゆればすなわち之(これ)に衣(い)せしめ、
疾病待養之  疾病(しつびょう)には之(これ)を待養(じよう)し、
死喪葬埋之  死喪(しそう)には之(これ)を葬埋(そうまい)す。
兼士之言若此  兼士(けんし)の言(げん)かくのごとく
行若此  行(おこ)なうことかくのごとし。

墨子 兼愛
平成十九年 十月
秀樹雲助

大 意
高潔の士は友人をわが身同様に思い、友人の親に対しても、我が親に対するのと同じ態度をとります。そうであるからして、高潔の士と言われます。 それで、実際、友人が飢えに迫られていれば、食べ物を工面するし、寒さにふるえていれば、着る物を世話する。病気になれば看病するし、死んだ時は 手厚く葬ります。これが墨子の「兼愛」の立場をとる人の意見と行動なのです。

 この墨子の「兼愛」の立場をとることはなかなか難しいです。言うことは簡単なのですが、極論でいいますと、全くの他人の連帯保証人になれるとかと言われますと 考えてしまいます。僕は自分の器ではないと尻込みしてしまいます。
     
引用図書
墨子(中国の思想5)・・・和田武司訳・・・徳間書店