題 吊: 櫟(えのき)
(70cmx140cm)
2010年全三河百選展出品作

散木也   散木(さんぼく)也(な)り。
以爲舟則沈  以(もっ)て舟(ふね)を爲(つく)れば則(すなわ)ち沈(しず)み、
以爲棺槨則速腐   以(もっ)て棺槨(かんかく)を爲(つく)れば則(すなわ)ち速(すみやか)に腐(くさ)り
以爲器則速毀   以(もっ)て器(うつわ)を爲(つく)れば則(すなわ)ち速(すみやか)に毀(こわ)れ
以爲門戸則液樠   以(もっ)て門戸(もんど)を爲(つく)れば則(すなわ)ち液樠(えきまん)し
以爲柱則蠧   以(もっ)て柱(はしら)を爲(つく)れば則(すなわ)ち蠧(と・きくいむし)あり。
是上材之木也   是(こ)れ上材(ふざい)之(の)木(き)也(な)り。
无所可用   用(もちう)る可(べ)き所(ところ)无(な)し。
故能若是之壽   故(ゆえ)に能(よ)く是(か)く之(の)若(ごと)く壽(じゅ)なりと。
荘子 人間世篇の一節  
平成二十二年七月  
秀樹散人  

大意
あれは役立たずの木だ。
あれで舟を作ると沈むし、
棺桶を作るとじきに腐るし、
道具をつくるとすぐに壊れるし、
門や戸にすると樹脂(やに)が流れ出すし、
柱にすると虫がわく。
まったく使い道のない木だよ。
まったく使いようがないからこそ、長生きができたのだ。

題吊ですが、本当は・・・くぬぎ が正解です。
関係者の皆様に、たいへんご迷惑をおかけしました。どうもすみませんでした。
内容通り、我は役立たずの人間です。・・・へへっ!
     
引用図書
荘子 第一[内篇] ・・・・金谷治訳注・・・岩波文庫