『ついに見つけたゾォォ理想通りの土地ダァァ!!!』
と、妻と手を取り合って歓喜の叫びをあげのは、本気で土地探しを始めてなんと一年半の後でありま
した。長かった・・・ホント長かった。毎日ですよ、新聞のチラシに目を配り、不動産屋さんに電話
掛けまくり、はたまた今日こそは最新情報の中に目当ての物件が有るかもとホ−ムペ−ジを覗きまく
り、現場にもよく足を運んだですよ。今スッと思い出せるだけでも25件は見に行ったなあ・・・
「フン、たった25件か」いまそう思ったアナタ、数ある情報の中から少しでも理想に近い物をと選び
にえらんだ物件ですよ!それをアナタ25回もたて続けに“スカ”引いてごらんなさいよ、しまいにゃ
もうどうでもよくなりますわ。
まあ、こんなにもてこずったのには私たちにも原因がありますけどね。…チト言うことに無理があっ
たのかな。「土地は大通りに面してなくてもいいけどせめて6m巾の道路に接道していて欲しい、面積
は60坪以上、日当たりが良くて緑に囲まれていること、街の中心部からあまり離れてないこと、尚かつ
閑静であること、高層ビル・マンション等が付近に絶対建てられない地域ets・・・」
はじめニコニコ聞いていた不動産屋さんの顔がだんだん引きつり笑いになり、そいでもって予算はこんな
もんでと言ったときにゃほとんど見捨てられてたな、ありゃ。 それでもですよ、私たち今ほぼ理想通り
の土地の上に自宅兼事務所を建てて暮らしていますよ ドウダ!(別にいばる様な問題でもないか。)
ところで、いま土地探しで苦労しているアナタ、あるいはこれから苦労してしまいそうなアナタ、そう
アナタです。ほんの少しお伝いさせて下さい。クタクタに疲れてどうでもよくなっちゃう前に・・・
【良い土地の選び方、探し方】
まあ、自分たちが土地探しに一年半もかけておいて良い土地の選び方だの探し方だのとおこがましいの
ですが、体験上気付いたことや感想などお話しします。それから敷地調査についてもお話ししますね。
【ちょっと長いけど一読の価値アリ!くりっく、クリック!】
1,新聞のチラシやホ−ムペ−ジにばかり頼ってはダメ
2-1,建築条件付きの土地
2-2.市役所や町役場の「土地区画整理課」又は、
「土地区画整理組合」への問い合わせ
3.安くてお値打ちでも道路と高低差が大きい土地は注意!
4,建築基準法からみた個々の土地に与えられた建築制限
5.敷地調査最低これだけはしよう
1,新聞のチラシやホ−ムペ−ジにばかりたよってはダメ
チラシなんかをよく見てると同じ物件なのに別々の不動産屋さんから売りに出てることがしばしば有ること
にお気付きでしょうか。これは、業界のネットワ−クで流通してるってことです。つまり協力し合って土地売
って利益を山分けするシステム。(より広く宣伝されるから売る側も買う側も結構便利なシステムですけど
ね。)ここだけの話ですけど不動産屋さんって土地の仲介してうまく成約した場合いくら貰えるか知ってま
す?土地の売り手、買い手双方から契約金額の3%、つまり6%ですよ。例えば昨日2,000万円で売りに出
た土地が今日売れたとします。そしたら仲介料120万円です。これってかなりオイシイ話でしょ。なのにな
ぜ、山分けしなくちゃならない売り方をするのか?
これは、私の思いこみかも知れませんが(関係者の方間違ってたらゴメンナサイ)少々難有りの「売れ残り
物件」なんじゃないの。良い物件なら独り占めするのが普通でしょうが!土地ってやつは大都会ならいざ知
らず、そうそうポンポンと売りに出るもんじゃ有りません。だから、ホントの優良物件なんてそんなに宣伝
しなくったって売れちゃうんじゃないのかな。(確かに流通物件でなくチラシやインタ−ネットで自社物件
として良い物件が売り出されていることもありますが、
一般公開されてしまってからではとにかく早い者勝ち、気付いた時には後の祭りってことにも・・・。)
つまり何が言いたいかと言いますと、もうお分かりでしょう。待ってちゃダメ。直接不動産屋さんへ行きま
しょうってことですわ。それもなるべく沢山の。深入りし過ぎて断りにくくなるなんて思ってちゃダメ。さっ
きオイシイ話って言いましたけどね、それはアッサリと契約できたときのことでして、そんなに次からつぎと
契約できるほど世の中甘くないのはどの世界も同じ、相手の担当者が素人同然の新人でない限り断られるのな
んて慣れっこですって。それよりも、はっきりと買う意志を示して名乗りでているアナタは、業者側から見れ
ばとてもオイシソウな、いや失礼!とても優良なお客様です。アナタの示す土地の条件に少しでも近ければ真
っ先に連絡くれるはずです。アナタのこと大切にしないような不動産屋さんはつぶれます。なんてったって
アナタは契約額の6%も稼がせてくれるかも知れないんです・・・神サマなんですから。
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2-1.建築条件付きの土地
土地探しの中で、住宅用地としても手頃な面積と価格で何件かまとめて売りに出ている分譲地があります。こ
れらの多くはもともと相続問題で売りに出された農地や山林だったり工場の跡地だったりして個人と個人の取
引きではどうしょうもないような大規模な土地です。 それを資本力のある会社が買い取って開発しちゃんと
道路を造り、電気、水道や排水施設等を整備して売り出してるわけです。住宅用地としては比較的建築しやす
く整った物件が多く手に入れやすいし良いんじゃないかと思います。
ただしチラシの片隅に小さく建築条件付と書かれているのをアナタが承知であれば・・・誤解されると困ります
が、べつに建築条件付きを悪いと言ってるのじゃありませんよ。気になるのはンヶ月以内にうわものの住宅の
契約も結んで工事をさせて下さる方にこの土地をお売りしましょう。と言う条件付きが多いですよってことで
す。手間ひま掛けてる分だけ売り手側が主導権握ってるわけですね。(もっとも、こうしてきちんと整備をして
売り出されてる土地の他になんの手間も掛けずに建築条件だけつけてる土地もけっこうありますので注意が要
ります。)
設計者も工務店も自分で選ぶことはほとんどできませんので、設計も施工も技術的に優れ尚かつ先々面倒見の
良い会社の物件を選んで下さい。
とりあえず土地だけ手に入れてお金ためて数年後に家をとお考えの方や、建築士と相談しながらじっくり時
間を掛けて設計し、理想の家をとお考えのアナタには不向きかも・・・
2-2.市役所や町役場の「土地区画整理課」又は、「土地区画整理組合」への問い合わせ
上記のような大規模な土地開発のほかに、土地区画整理事業というのがあります。こちらの方もかなり大規
模な開発事業でして、あたり一面の田畑を埋め立てたり、山を切り開いたり、あるいは古い町並み(文化財的
古さじゃなくってどちらかというとごちゃごちゃしてるような・・・)を再開発したりですね、行政や組合事
業として計画的に進められています。こうした中で『保留地』と呼ばれている土地がよく売りに出てます。市
役所や町役場の区画整理課に問い合わせるといろんな情報が手に入ると思います。〜保証はできませんが、
案外掘り出し物があるかも…ですよ。〜
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3.安くてお値打ちでも道路と高低差が大きい土地は注意!
私たちが土地探ししてたときこんな物件が有りました。
場所はまあまあの高級住宅街の端っこ、長方形で広さも充分、道路巾もまあ許容範囲。その割には馬鹿に坪単
価が安い。 でも、その安さに惹かれてうちの奥さんといそいそと見に行きましたわさ。
眼下に街の中心をとうとうと流れる河が見えるそしてその向こうに我が愛する郷土の町並みが・・・景色は申
し分ない、ここからの夜景もさぞやスバラシイに違いない。ここっていいねェって半ばウットリしている奥さ
んに私いいました。無理だよって・・・ いくら坪単価が安くてもこの広さ予算的にちょっと越えてました。
そして何よりもここ道路より3mほど高かったんです。ここをまともに使えるようにするには高さ3mの擁壁
を造らねばならない、仕事がら少なくとも3台分の駐車スペ−スがいる。半地下式の車庫にしたらナンボ掛か
るか・・・そんなこんなを加算して考えてたら実質的な坪単価が5万円位はね上がってしまいここらあたりの
高級住宅街としては妥当というかちょっと高めになってしまいまして私たちには高嶺(高値)の花になってま
した。
建て替えと違って新規に土地を求めて家を建てようとするとき造成費がどれくらい掛かるか頭に入れておき
ましょう。あとで建築費足りなくなちゃったらショックですよ。
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4.建築基準法からみた個々の土地に与えられた建築制限(大切なことです)
土地探しの話題について書き始めるとどんどん話が長くなってしまいますのでちょっと話題をかえます。
新たに土地を購入される方、すでに土地をお持ちの方(建て替えの方も含めて)、ご存じですか建築に絡む
土地、つまり敷地ですが100有れば100通りにそれぞれ課せられる建築制限があります。本文2.の
〈建築条件付き土地〉とは意味がまったくちがいますよ。
【建築基準法】というやっかいな法律です。家を建てようとお考えの方なら皆一度ぐらいは耳にしたことあ
るでしょう?代表的なのが「建ぺい率」とか「容積率」とかいったやつです。いまここであの分厚い建築基準
法の本を開いて講釈始めるつもりはありませんが、一般の方には非常に分かりにくく、そのくせ避けて通れな
い問題です。
この法律によって個々の敷地にいろんな制限がかけられます。家を建てられる面積の制限、建物の高さに関す
る制限、防火に関する内装、外装の仕上げの制限、明かりをとるための窓に関する制限etc・・・まあ、次か
ら次ぎへとあるわあるわ、 これらの制限を無視して計画を進めると例えばアナタが長く想い描いていたデ
ザインの家が建築不可能になったり、間取りの変更を余儀なくされたり、長年の夢がズタズタにされちゃう
可能性もままあります。
住宅建築の第一歩は、その敷地に課せられた法律(建築できる条件)を知ることです。ろくに「敷地調査」
もせずに間取り図ばかり持ってアナタに接近してくる業者がいたら要注意!その人は少なくとも設計に関して
シロウトです。
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5.敷地調査最低これだけはしよう
a.敷地現況測量
敷地の形(外郭及び形状)、道路との接道状況、道路幅を測り加えて高低測量(敷地と道路の高低差や、
敷地内の地面の高低差のチェック)を行いましょう。
b.用途地域の調査
この調査は特に重要です。この地域指定の種類によって建ぺい率、容積率、高さの制限等主だった規制が
分かります。それからどのような種類の建物の建築が可能か否かも・・・
c.防火地域の指定の有無を調査
建物本体の構造、外部開口部の防火戸の要不要、軒裏の仕上げ等が決まります。
d.排水施設の有無
下水道によるか浄化槽によるか
e.その他法規制等の有無
さてと、ずいぶん長く『土地探し物語』にスペ−スをさいてしまいました。ちょっと脱線したかな・・・
ここまで読んで下さってどうもありがとうございます。アナタのお役に立てましたでしょうか?