2-1.建築条件付きの土地
土地探しの中で、住宅用地としても手頃な面積と価格で何件かまとめて売りに出ている分譲地があります。これらの多くはもともと相続問題で売り
に出された農地や山林だったり工場の跡地だったりして個人と個人の取引きではどうしょうもないような大規模な土地です。 それを資本力のある
会社が買い取って開発しちゃんと道路を造り、電気、水道や排水施設等を整備して売り出してるわけです。住宅用地としては比較的建築しやすく整
った物件が多く手に入れやすいし良いんじゃないかと思います。
ただしチラシの片隅に小さく建築条件付と書かれているのをアナタが承知であれば・・・誤解されると困りますが、べつに建築条件付きを悪いと言っ
てるのじゃありませんよ。気になるのはンヶ月以内にうわものの住宅の契約も結んで工事をさせて下さる方にこの土地をお売りしましょう。と言う
条件付きが多いですよってことです。手間ひま掛けてる分だけ売り手側が主導権握ってるわけですね。(もっとも、こうしてきちんと整備をして売
り出されてる土地の他になんの手間も掛けずに建築条件だけつけてる土地もけっこうありますので注意が要ります。)
設計者も工務店も自分で選ぶことはほとんどできませんので、設計も施工も技術的に優れ尚かつ先々面倒見の良い会社の物件を選んで下さい。
とりあえず土地だけ手に入れてお金ためて数年後に家をとお考えの方や、建築士と相談しながらじっくり時間を掛けて設計し、理想の家をとお考え
のアナタには不向きかも・・・
.2-2. 市役所や町役場の「土地区画整理課」又は、「土地区画整理組合」への問い合わせ
上記のような大規模な土地開発のほかに、土地区画整理事業というのがあります。こちらの方もかなり大規模な開発事業でして、あたり一面の田
畑を埋め立てたり、山を切り開いたり、あるいは古い町並み(文化財的古さじゃなくってどちらかというとごちゃごちゃしてるような・・・)を再
開発したりですね、行政や組合事業として計画的に進められています。こうした中で『保留地』と呼ばれている土地がよく売りに出てます。市役所
や町役場の区画整理課に問い合わせるといろんな情報が手に入ると思います。~保証はできませんが、案外掘り出し物があるかも…ですよ。~
3.安くてお値打ちでも道路と高低差が大きい土地は注意!
私たちが土地探ししてたときこんな物件が有りました。場所はまあまあの高級住宅街の端っこ、長方形で広さも充分、道路巾もまあ許容範囲。
その割には馬鹿に坪単価が安い。 でも、その安さに惹かれてうちの奥さんといそいそと見に行きましたわさ。
眼下に街の中心をとうとうと流れる河が見えるそしてその向こうに我が愛する郷土の町並みが・・・景色は申し分ない、ここからの夜景もさぞやスバ
ラシイに違いない。ここっていいねェって半ばウットリしている奥さんに私いいました。無理だよって・・・ いくら坪単価が安くてもこの広さ予算
的にちょっと越えてました。そして何よりもここ道路より3mほど高かったんです。ここをまともに使えるようにするには高さ3mの擁壁を造らねば
ならない、仕事がら少なくとも3台分の駐車スペ-スがいる。半地下式の車庫にしたらナンボ掛かるか・・・そんなこんなを加算して考えてたら実質
的な坪単価が5万円位はね上がってしまいここらあたりの高級住宅街としては妥当というかちょっと高めになってしまいまして私たちには高嶺(高
値)の花になってました。
建て替えと違って新規に土地を求めて家を建てようとするとき造成費がどれくらい掛かるか頭に入れておきましょう。あとで建築費足りなくなちゃっ
たらショックですよ。
4.建築基準法からみた個々の土地に与えられた建築制限(大切なことです)
土地探しの話題について書き始めるとどんどん話が長くなってしまいますのでちょっと話題をかえます。新たに土地を購入される方、すでに土地をお
持ちの方(建て替えの方も含めて)、ご存じですか建築に絡む土地、つまり敷地ですが100有れば100通りにそれぞれ課せられる建築制限があり
ます。本文2.の〈建築条件付き土地〉とは意味がまったくちがいますよ。【建築基準法】というやっかいな法律です。家を建てようとお考えの方な
ら皆一度ぐらいは耳にしたことあるでしょう?代表的なのが「建ぺい率」とか「容積率」とかいったやつです。いまここであの分厚い建築基準法の本
を開いて講釈始めるつもりはありませんが、一般の方には非常に分かりにくく、そのくせ避けて通れない問題です。
この法律によって個々の敷地にいろんな制限がかけられます。家を建てられる面積の制限、建物の高さに関する制限、防火に関する内装、外装の仕上
げの制限、明かりをとるための窓に関する制限etc・・・まあ、次から次ぎへとあるわあるわ、 これらの制限を無視して計画を進めると例えばアナ
タが長く想い描いていたデザインの家が建築不可能になったり、間取りの変更を余儀なくされたり、長年の夢がズタズタにされちゃう可能性もままあ
ります。
住宅建築の第一歩は、その敷地に課せられた法律(建築できる条件)を知ることです。ろくに「敷地調査」もせずに間取り図ばかり持ってアナタに接
近してくる業者がいたら要注意!その人は少なくとも設計に関してシロウトです。-
5.敷地調査最低これだけはしよう
a.敷地現況測量
敷地の形(外郭及び形状)、道路との接道状況、道路幅を測り加えて高低測量(敷地と道路の高低差や、敷地内の地面の高低差のチェック)を行
いましょう。
b.用途地域の調査
この調査は特に重要です。この地域指定の種類によって建ぺい率、容積率、高さの制限等主だった規制が分かります。それからどのような種類の建物
の建築が可能か否かも・・・
c.防火地域の指定の有無を調査
建物本体の構造、外部開口部の防火戸の要不要、軒裏の仕上げ等が決まります。
d.排水施設の有無
下水道によるか浄化槽によるか
e.その他法規制等の有無
さてと、ずいぶん長く『土地探し物語』にスペ-スをさいてしまいました。ちょっと脱線したかな・・・
ここまで読んで下さってどうもありがとうございます。アナタのお役に立てましたでしょうか?