三河教労刈谷版
2002年1月発行
発行責任有冨静枝
 
 三河教職員労働組合は8月末、刈谷市教委に「教育問題・労働条件改善についての要求書」を提出し、それについての交渉を要求しました。しかし、刈谷市教委は、「交渉でなく話し合いなら応ずる、教育長・教育課長は出席しない」と主張し、交渉に応じようとしません。
 そこには、行政として、現場の要求を取り上げ、よりよい施策を推し進めようといった発想はまったくみられません。行政サイドとして本当に恥ずかしい、常識を逸脱した、傲慢な対応といえます。
 
 県教委も労政事務所も
「市教委は交渉に応じる相手である」と発言
 刈谷市教委の主張に対し、私たちは「三河教職員労働組合は県に届けの出してある組合だが、刈谷市に関することは刈谷市教委が交渉に応ずるべきだ。」と考えます。
 県教委・労政事務所も下記のように発言しています。
  愛知県教委  
「県教委は、三河教職員労働組合の交渉に応ずるが、実質的なことは該当の市教委で対応するように」 



 
  労政事務所  
(労働問題にアドバイスや調停等を行う公的な機関)
「県に届けの出してある組合に対しても、市は能力的にも、実務的にも応ずる立場にあり、当局に当たるので、交渉に応ずることが望ましい」
 
 県教委・労政事務所の発言も、私たち三河教職員労働組合の主張が正しいことを裏付けています。
 しかし、刈谷市教委は県教委や労政事務所の指導をも無視し、「三河教職員労働組合は県に届けの出してある組合なので、交渉には応じない。話し合いなら応ずる。」と頑固に繰り返すのみです。
 
  岡崎市、豊田市、豊橋市では
    教育長・教育課長が出席
 また、刈谷市教委は、「話し合いなら教育長・教育課長は出席する必要はない。指導主事が聞いておけばよい。」として、教育長・教育課長の出席を拒否しています。
 岡崎市、豊田市、豊橋市のような三河部の主要都市では、責任ある立場の教育長・教育課長が出席して交渉が行われています。なぜ刈谷市だけ指導主事のみが対応し、教育長・教育課長は出席しないのでしょう。
 
  指導主事のみの対応では
   責任ある対応とは言えない
 金原指導主事は「私が責任をもって組合の主張を聞き、教育長・教育課長に取り次ぎます」と言っていますが、そんなややこしいことをせず、なぜ教育長・教育課長本人が出てこないのでしょう。
 実際問題として、何の権限もない指導主事では「聞いておきます。」となり、教育問題に対する意見の交換もままなりません。私たちは、刈谷市の教育行政に責任のある教育長・教育課長の考えを聞き、意見の交換をしたいのです。
 
  刈谷市の他の課では、
  課長の出席は常識になっている
 12月25日に行った刈谷市教委との折衝には、立ち会ってくださった文教委員長の山本シモ子市議に「教育長・教育課長は出席すべきでしょう。他の課では課長が出席してますよ。そのことを検討しなさいよ。」と追及され、刈谷市の他の課では、課長の出席が常識となっており、市教委との対応の違いが明らかになりました。金原指導主事は「教育長・教育課長と相談し、検討する」と約束しましたが、その検討の結果を聞きに行った1月4日の回答でも、教育長・教育課長は出席しないの一言に終始し、欠席の理由は明らかにしませんでした。
 
  教育課長が、話し合いに
      出席した前例はある
 実は、話し合いに教育課長が出席した前例はあります。
 洲原ロッジ教室がスタートした当時、あまりにも現場を無視した実施方法に、大きな不満の声が起こりました。その時、「洲原ロッジ教室は即時中止・少なくとも大幅改善をせよ」という申入書を刈谷市教委に提出しました。当時の板倉教育課長は丁寧に対応してくれ、若干でしたが改善を約束してくれました。
 このように、刈谷市教委も教育課長が出席したという前例はあるのです。要は、近藤教育長、曽根教育課長の誠意ではないでしょうか。
    みんなの意見をとり入れる
          教育行政を
  三河教職員労働組合との交渉を巡る今回の件は、単に組合の問題ではなく、教育行政がどのような立場で行われようとしているかの表れだと考えます。独断専行、上意下達の教育行政でなく、よりよい教育を目指して民主的にみんなの意見をとり入れる教育行政を私たちは望みます。そのために三河教職員労働組合は、今後も先頭に立って闘います。