勤務・学テ・人事問題等について申し入れ

 勤務時間・学力テスト・人事等の問題について申し入れを行いました。
その文中にもありますが、
教職員の勤務時間については、昨年文部科学省が調査を行いましたが、教職員の「平日の勤務時間は11時間20分、休息・休憩は10分」という結果が出ています。そして、月残業80時間の過労死ラインを超えているという事実も出ています。また、残業時間は40年前の10倍以上であり、「健康不調が一般労働者の3倍」と労働科学研究所も警告を出していますというように、教職員の勤務状況は年々厳しさを増しています。
 そして、教育予算の切りつめで給料は上がらず、「教員評価」で管理は強められ、膨大な時間外勤務は放置され、愛知においては「万博のために給料から拠出してくれ。後で返すから。」と一方的に取られたあげくに、一片の決議でそれは反故にされ(「万博は黒字だったんでしょ!」と現場の声が。)という有様です。
 そんな中で健康を害しながら、日々教育活動に邁進している教職員のみなさんの要求として出しました。

幸田町教育委員会                      2007年7月20日

 教育長 内田 浩様                    三河教職員労働組合

                               執行委員長 畦地 治

 

           申 入 書

 教職員の勤務時間については、昨年文部科学省が調査を行いましたが、教職員の「平日の勤務時間は11時間20分、休息・休憩は10分」という結果が出ています。そして、月残業80時間の過労死ラインを超えているという事実も出ています。また、残業時間は40年前の10倍以上であり、「健康不調が一般労働者の3倍」と労働科学研究所も警告を出しています。

 しかし、学校訪問時や現場の管理職を含めて、「先生方、健康には十分注意を。」というのみで、具体的な改善が行われないばかりか、実際には「休憩時間を無視した会議等の延長」必要な教育的活動や作業を勤務時間に入れることをせず、時間外に行うことを当然視する有様です。

 今一度、勤務の改善を申し入れるものです。早急な改善を要求します。

 

1,泊を伴う勤務の振り替えについては、振り替え簿に基づいて確実に行うこと。

 (1) 各学校において「泊を伴う勤務の振り替え簿」が備えられていますが、以下の点で改善を求めるものです。

@ いくつかがパソコン入力になっていますが、これは「事務的対応」になっているのではありませんか。実質が伴う振り替えを行うこと。

A     職員の印欄がないところがあります。本人の確認としてぜひ必要であり、その欄を備えること。

B     実際に振り替えが「実施」されていない事例があります。虚偽記載とすれば問題であり、改善をはかること。

C     校長が振り替えを取っていない例があります。これでは徹底しないと考えられます。管理職は、率先垂範するとともに、職員が勤務の振り替えが行いやすいよう条件整備を行うこと。

D     振り替えの「方法」が間違っているところがあります。例えば、振り替えた時間に「休憩」時間が含まれていることです。

(ア)  振り替えの例

 A例 3時間  職を免ずる時間 ― 14時05分から17時05分まで

B例 3時間  職を免ずる時間 ― 13時35分から16時35分まで

同じ「振り替え」でも2種類ありますが、正しい振り替え方を徹底すること。

E     振り替えの精神が生かされない雰囲気が職場にあり、それが放置されていないか。改善をはかること。

F     泊を伴う行事中に「休憩」を取る例がありますが、子どもを引率中には実質休憩を取ることが大変難しく、無理なあてはめを行わないで、振り替えを確実に行うこと。

 

2,年休の取得を奨励し、勤務の縮減をはかること。

年休を取ろうとすると、いろいろ文句を言ったり、聞き返してきたりする校長があります。また、学校によっては年休の取得が極めて少ない学校があります。このような状況では、職員は年休を満足に取れないことになります。校長の認識の改善、および勤務の改善を求めます。

 

3,愛教労と県教育委員会・県校長会との確認に基づいて勤務の改善をはかること

休憩・休息など、教職員の健康を守るべき時間がほとんど取られず、なおざりにされています。また、長時間勤務の改善がはかられず、教職員の勤務状況は劣悪なものとなっています。愛知県教職員労働組合協議会(愛教労)が、数年来愛知県教育委員会および県校長会と確認をしてきた「10項目の確認事項」に従い、勤務の改善をはかること。

 以下は、その「10項目の確認事項」です。

勤務時間について県教育委員会・県校長会との確認事項

                        愛知県教職員労働組合協議会

1 労使協議事項として、市町村教委・校長は、誠意を持って交渉にあたること。

2 校長は、勤務の割り振りにあたって、所属職員との合意形成に努力しなければならない。

3 45分の休憩時間は、一斉付与が原則である。

4 休憩時間は、自己の時間として自由に利用できる時間である。

5 児童・生徒が在校している間は、本来の休憩・休息は取りにくい状況にある。

6 午前午後各15分の休息時間について、校長はその確保のために最大限の努力をする必要がある。

7 45分の休憩時間が与えられることなしに、8時間を超えて勤務を命ずることは違法である。

8 45分の休憩時間を割り振られた時間通りに与えることができなかった場合は、その日のうちに与えなければならない。

9 「教員には、4%の教職調整額が出ているから超過勤務は当然」という認識は誤りである。

10 一日の勤務時間が8時間を超えた場合は、速やかに別の日の勤務との間で振り替えを行い、一週間あたり40時間を超えてはならない。

 

4,休憩時間を確実に取るよう、勤務の改善をはかること。

各種主任者会、および校内現職教育などで4:20以降も主任者会が行われたり、研究協議が行われたりしています。法律で定められた休憩時間を保障せず、勤務を継続することは違法であり、このようなことが行われないよう改善を申し入れます。また、管理職にそのような当然の判断が欠落していることは重大であり、今一度勤務に関して徹底するよう申し入れます。

なお、今後、休憩を無視したような違法行為がおこらないよう町教育委員会としても周知徹底させるよう要求します。

 

 

幸田町長 近藤徳光様                   2007年7月20日

幸田町教育委員会教育委員長 橘 大圓様              三河教職員労働組合

幸田町教育委員会教育長   内田 浩様               執行委員長 畦地 治

教育問題・勤務条件改善についての要求書

 子どもの幸せと教職員の労働条件の改善を願い、勤務条件、教育に関する問題の要求を下記にまとめました。誠意ある回答をお願いするとともに、私ども三河教職員労働組合との交渉の場を設定されるよう要求します。

                     記

1 勤務時間について

幸田町の教育現場では、「超過勤務に対する教職員調整額という措置がとられているから成績処理などの仕事は、残業や持ち帰りでもかまわない」というような誤った認識が管理職にあります。「4%の教職調整額」に関しては、そのような認識は県教委もはっきり「間違いである」と認めています。

@       「教職調整額が出ているから、超過勤務は当然」とする考えは誤りであると認め、このような間違った考えを払拭すること。

A       成績処理等明らかに勤務として認められるものは、勤務時間の中にその時間を確保し、勤務時間内に処理できるような体制を確立するよう、各学校に周知徹底し実現していくこと。勤務時間内にこれらの仕事ができなく、やむなく家に持ち帰って仕事をしたり、学校に残って仕事をしたりした場合はすみやかに勤務の割り振りをするよう各校長に指導すること。

B       勤務の振り替えを確実に行うために振り替え簿に正確に記入するよう指導すること。

※振り替え簿に対しての誤った記入の仕方については正すよう別紙に申し入れ済みである。

C       学期末の成績処理の時間が勤務時間内に適正に確保されるよう勤務の改善を徹底すること。

D       泊を伴う勤務の改善については、今年度より尾張部との差がなくなり、県下統一した勤務の振り替えが行われるようになりましたが、これを当面徹底し、より一層の改善に結びつけること。

 

2 部活動・課外活動について

中学校における部活動や小学校での課外活動も、年度当初職員会議等で提案されて実施されている場合には、当然職務であり、勤務と考えられます。部活動や課外活動について次のように要求します。

@     部活動・課外活動などは教員にとって実質勤務となっており、勤務時間の中に活動の時間を確保するよう各学校を指導すること。

A     やむを得ず部活動や課外活動などを勤務時間内に行えず、時間外に行った場合には、勤務時間の割り振りを適正に行うよう各学校を指導すること。

B     「割り振り簿」を設置し、勤務の振り替えを適正に行うこと。また、そのように各学校長を指導すること。

C     上記の点については、管理職に全く認識の欠如があり、教職員の慢性超過勤務状態を放置しているところがあります。管理職の認識をまず改めさせるとともに、具体的な改善を求めるものです。

 

3 人事について

 @ 教職員の希望を尊重し、納得のもとに人事を行うこと。

 A 校長が教職員の希望を尊重し具申を行うとともに、町教育委員会の内申が確実に行われるようにすること。

 B 人事において、本来その権限を有するはずのない校長会などの不正常な関与を排すること。また、学閥偏重の人事を排除すること。

 C 1月、2月に二回行われる校長面接と並行して、教職員への意向の打診を事前に必ず行い、教職員の希望が正しく反映するようにすること。また、そのように校長を指導すること。

 D 異動希望調査表に基づく人事を行い、その正しい活用によって教職員の希望が反映するようにすること。希望に反する一方的な異動は行わないこと。

 E 「小中交流」を名目とする人事は、本人の納得が得られない場合は行わないこと。同一校3年もしくは、それ未満の経験の教職員が一律に異動させられるような異常な人事を根絶すること。また、希望にそわない人事によって退職に追い込まれることがないようにすること。

F     通勤距離・時間については、県の人事異動方針の「公共交通機関で1時間30分以内」を遵守するとともに、より安全で負担のない通勤距離・時間となるよう考慮すること。

 

4 安全で、安心して働ける学校づくりのために

 労働安全衛生法は、各種職場の安全の確保、健康の保持増進,快適な職場環境の形成の促進をめざして1972年に制定され,さらにそれを受けて具体化するため公務職場では、国・県・市の各段階において労働安全衛生規則または安全衛生管理規程が制定されています。また、昨年文部科学省が「4/3通達」を出し、あわせて「勤務時間実態調査」を行い、教職員の慢性的な長時間勤務について勤務の見直しを行う動きもあります。

ところで、私たち県費負担教職員は愛知県教育委員会安全衛生管理規程に対象として位置づけられていないという極めて不安定な立場に置かれています。職員の公務災害または通勤災害については救済の制度が設けられていますが,実際に適用を受けようとすると、複雑な手続きが必要であったり、なかなか公務災害と認定されなかったりします。そこで、重大な事故や疾病を未然に防止する仕組みと活動を普段から整えておくことが重要だと考えます。

@ 職員安全衛生管理規程の中に県費負担教職員を適用対象として位置づけるか、または新たに小中学校教職員を対象とする安全衛生管理に関する要綱を制定すること。

A      愛知県教育委員会は従来常勤職員のみを県立学校職場の教職員数として扱ってきましたが、一昨年度から非常勤職員を含めたすべての職員を対象とするように取り扱いを変更しました。すべての学校で、労働衛生管理を進めるよう対策を取ること。

B     全ての職場に産業医を置いて職員の健康障害の予防指導・相談や治療を行えるようにすること。

C     各学校に労働安全管理体制を明記し、その役割に見合った活動が行われるようにすること。

  快適な職場環境を作るために、特に以下の申入れを行うものです。

ア 職員休憩室を早急に設けること。

イ 各教室に空調設備、または扇風機を早急に配置すること。

D     教職員の長時間勤務を解消するために、勤務開始時刻と終了時刻を管理職が確認するとともに、超過した時間や持ち帰りの仕事に要した時間を計上し、勤務の振り替えを行うこと。

E     各学校ごとに、週に1日以上定時退勤日を定め、会議、部活動等の時間を短縮するなどして、勤務時間終了後、遅くまで多くの教職員が在校することがないようにすること。このような取り組みを行い、その実施状況について本年度中に調査を行い、発表すること。

 

5 二学期制について

 いくつかの市では二学期制に踏み出しましたが、「ゆとりが失われた」「逆効果だ。」「区切りがつけにくく、指導しにくい。」「実質4学期制となり、教職員はますます多忙となる。」というように、教職員にとっても子どもらにとっても学校生活がますます多忙で、耐え難いものになっているとの声が多数聞かれます。

現状にみる問題点は、週5日制が実施されたことにより、5日間にそれに対応しない内容で教育活動が行われているということなのです。授業時数はそれに応じて減らされてはおらず、行事の精選は不十分というべきです。さらに「総合的な学習の時間」の導入は、その準備や個々に対応した授業構成のために大変膨大な時間が必要となっています。「1・2年生でも5時間の日が増えた」と言われるように、授業時数ばかりを優先する教育計画によって、子どもらは超多忙な学校生活を強いられています。

子どもらの生活感覚に立脚し、学校生活を豊かに送ることができるようにするためには、安易な「2学期制導入」ではなく、25人学級や30人学級を早急に実施することであり、その真剣な検討と現行の行事多忙システムの解消、教育内容の検討と精選、部活改善と一層の社会教育化など、学校教育体制の改善、そして、何よりも教職員による柔軟な教育計画の立案こそ必要と考えます。

幸い、幸田町は二学期制に踏み出していませんが、今後にわたっても二学期制を導入することがないよう申入れるものです。また、児童数の変動により1学級で35人前後の学級が出ています。このような学級には町として教員を増員し、先進国並の児童数で学習が行えるよう申入れます。

 

6 学力テストについて―「全国学力・学習状況調査」について

学力テストについては、犬山市では教育委員会の長期に渡る取り組みと、真剣な検討によって「実施しません」と明快な態度を示しました。また、学力テストは、個々の子どもの成績が良くなるどころか、その目的が県別・地域別・学校別の「差」を出し、一層の競争を子どもらに行わせようとするものです。

 また、各家庭のプライバシーに関わるところまでの質問が行われ、個人情報の保護という点からみても、今後深刻な問題をはらんでいます。以下の点について、申し入れるものです。

@     子どもらの個人成績や各学校の平均点などの公表は行わないこと。

A     学力テストに関わる個人情報の保護に万全の措置を講じること。

B     学力テスト実施に関わる教育委員会の論議については、不十分さを感じます。なぜ、学力テストを実施したのか。なぜ、番号制にしなかったのか、明らかにすること。

C     来年の学力テストについては、しっかり検討し、実施しないこと。

 

以上、申し入れるものです。

A 「事務量はどんどんふえているね。」
B 「そうなんだ。それを何時やるかと。」
A 「学校じゃあ、できないよね。」
B 「子どもたちがいる時にはできないよ。」
A 「校長は、その時間を確保してくれないしね。」
B 「私は、家で子どもたちが寝てからやるよ。」
A 「でも、資料は持ってかえれなくなるよ。」
B 「ええ、それじゃあ。学校に遅くまで残ってやるの?」
A 「今のままじゃあ、そうなるね。」

B  「えええ!」