幸田町教育委員会                  2003年7月24日(木)

  教育長 齋藤智計様               三河教職員労働組合

                           執行委員長 畦地  治

 

    「少人数授業」ではなく、少人数学級の実現を要求します

1、この数年、幸田町においては「少人数授業」が行われるようになっています。「少人数授業」とは、「少人数によって指導効果を上げるもの」といわれていますが、町内においては20数人という学級が多くを占めているなかで、それより数人減るにすぎない状況であり、学級解体に伴う弊害、教室の確保の困難さ、補助に入る教員の負担、授業内容等の検討や打ち合わせ時間の不足、そして、一部で行われている「能力別学級編成」など、実に「害多く益少なし」であり、かえって弊害を生じているのが事実です。

 

2、特に、現場が「少人数」の指導によって教育効果をあげたいと要求しているのは、「少人数学級の実現」であって、「少人数授業」などではありません。学級を解体し、多くの教職員の相当の負担のもとに行われている「少人数授業」は、子どもの人間関係に弊害を生じ、教職員の疲労・消耗によるマイナス効果を生じ、教育効果と教職員の健康の双方を失う危険性を持つものと指摘せざるを得ません。

 

3、「少人数」の効果をいうなら、少人数学級こそ効果をあげるにふさわしいものであり、町内の学級構成においては30人以上の学級をなくすことであり、25人学級も可能だと考えます。この点で、町内において25人を越える学級に対して正規の担任を配置することを要求するものです。30人学級(幸田町においては実質25人学級)の実現のために、30人学級についての試算を行い、実現の方策を検討するよう要求します。

 

4、また、これに伴う勤務の見直しも急務となります。「校務主任」の原則担任配置、校務分掌の見直し、出張の削減、事務の削減、行事の縮小と削減など、本来の教育改革に取り組むこと。それによって、幸田町における本来の教育改革を求めるものです。

 

5、私たちは、「少人数授業」というような、教員の数を増やさず、ただでさえ多忙な教職員に難題を課し,疲労困憊させる非人間的・非教育的な方法ではなく、少人数学級実現という真に子どもと父母、教職員の希望する方向に一歩を歩み出すよう要求するものです。

 

6、また、「少人数指導」の名のもとに、能力別編成をすることには断固反対します。「能力別学級」は、子どもの人間関係を破壊し、教育実践に新たに困難を生じさせるだけのものです。また、それは、子どもの力を真に伸ばすものでもありません。

 

7、現在行われている「少人数授業」は、「少人数学級」とは似ても似つかぬものであり、少人数指導の効果を発揮するよりも、かえって教育現場の困難を助長しており、改善をするよう要求します。実質25人学級が可能な幸田町においては、「少人数授業」は混乱を生じるだけのものです。姑息な「少人数授業」でごまかすのではなく、30人(25人)学級の実現をこそ要求します。早急に検討に入られるよう要求します。