西尾市における事件に関して申し入れを行う

 西尾市教育委員会                    20014

  教育長 渡辺賢一様                 三河教職員労働組合

                               執行委員長 畦地  治

 

     西尾市の教員によるわいせつ事件の発生と教育委員会の対応について

 西尾市の中学校に勤める教員によって信じられない事件が起こりました。新聞の報道によれば、「教え子の女子中学生にわいせつな行為をし、ビデオで撮影していた」「わいせつ行為をしていた同校内の教科準備室の鍵を、勝手に付け替えていた疑いがあることも県警の調べで新たに判明。発覚を防ぐ工作をした上での計画的な犯行」また、この教員は容疑を認め、「10年前から5人ぐらいの生徒と関係した」と供述しているといいます。さらに重大なのは、「同市教委には今年4月中旬、『(中村容疑者が)鍵のかかる準備室で個人的な指導をしている』との匿名電話があった。市教委では、学校に事実確認したが、『(中村容疑者は)熱心な指導をする教師で、そのような事実はない』との回答を得たことから、本格的な調査を行っていなかった。」とのことです。

 このような深刻な事件が起こっていることをうすうす感じながら、管理職がそれを見逃していた。前任校からの犯罪行為の存在に関して、管理職がそれを黙認していたのではないか、と疑われることです。そうであるならば、重大な問題です。

 三河教労は、

1,このような事件が発生した根本に、子どもの人権をおろそかにした「指導」というものがあることを指摘しないわけにはいきません。子どもに対して「指導」と称して往々にして体罰が行われる傾向がありますが、体罰も暴力も、教育と相容れず、絶対に許されないことですが、今回のわいせつ事件は全く論外であり、あってはならないことです。教育現場に於ける人権無視の非教育的事例の改善と、子どもの人権を尊重した教育の実現を求めます。

2,今回の事件を教育機関としての学校・教育委員会が真剣に調査し、その問題点を明らかにすることを求めます。特に校長および教育長には辞職も含めた厳しい処分を要求します。

3,このような事件に対する公正で適切な事件糾明のために、第三者機関による調査を求めます。

4,今回の事件の容疑者は、吹奏楽の顧問であったといいます。「学校の名をあげる」ということで、各種大会参加を義務づけられる非教育的な状況があったのではないか。それが、今回の事件を生んだのではないか。「成績を上げれば全て良し」という雰囲気があったのではないか。それが人事にも影響をあたえていたのではないか。点検と改善を求めます。

5,子どもの人権が軽視されたもとで、部活加熱、強制的な「指導」の蔓延により、教育的な営みが衰退し、教師間の相互の指摘や管理職の対応に問題がなかったか、点検を求めます。

 人権感覚が麻痺したもとで、日々の学校教育が行われ、子どもを真に大切にした学校作りが軽視されているのではないか。今回の事件報道の中で、「中学校でも市教委の指摘に対し、具体的な指導をしていなかったことを認めた上で、『指導手法への苦情と考えていた。』」との発言が報道されています。

 これは、驚くべきことで、日々の活動の中で本来点検改善されるべき事柄ではなないでしょうか。また、日々の教育活動を通してなぜ、それができなかったのでしょうか。関係者に点検と改善を求めるものです。

 以上、申し入れます。

早急な回答と、私ども三河教労との話し合いの場を設定されるよう申し入れます。

 西尾市において、教育現場においてあってはならない事件がおきました。
 三河教労は、この事件に関して西尾市長および西尾市教委に対して申し入れを行いました。
 申し入れの内容は、以下の通りです。

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西尾市というと10年以上も前に起きた「いじめ自殺事件」が思い起こされます。
地元では「犯人の元教員は、地元で影響力でもあるのか?追及の声がほとんど起きていない。」「事件の性格からいって、『荒立てたくない』という雰囲気がある。」「教育委員会の体質は、結局10年前と変わってはいない。」「教育長は、犯人の勤めていた学校の校長だった。」「10年前から本人はやっていたというし、まわりの声も問題がある教員だったという。なぜ、わからなかったのか。本当にわからなかったのか。」という強い疑問が聞こえます。そして、「今回もまた、かん口令とうやむやのうちに終わる。」という声も。
そんなことで良いのでしょうか。