99 自然科学研究機構基礎生物学研究所の一般公開   愛知

3km       2010/10/02

その他


 岡崎市には、創立30年以上になる大学共同利用機関法人自然科学研究機構の 基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の3機関がある。その他、国立天文台、核融合科学研究所が、別にある。

 ノーベル賞候補も居るという研究機関である。

 3機関が、毎年秋に1日、一般公開している。今日は、基礎生物学研究所の一般公開日。先回2006年、分子科学研究所を見に来た。

 今回は、私鉄のウォーキングのコースに、研究所も入っているので、午後から混みそうだ。

 約2時間掛けたが、一部見られなかった。

基礎生物学研究所。

 生きもの研究空間・基生研へようこそ

 一般公開のパンフレットと基礎生物学研究所。
 研究対象の生きもの。

 マウス。子供達が夢中です。

 

 ショウジョウバエ。

 大腸菌。

 見てきたものを、次のように分けまとめてみました。私の勉強です。

1.生きものの単位〜細胞  2.環境の変動に対応するしくみ

3.生きもののかたち作り  4.いにちと遺伝子の継承〜性のしくみ

5.脳の形成と働きのしくみ  6.生きものの進化

7.研究を支えている施設

に分けてまとめてみた。間違いもあると思いますが、ご容赦下さい。

 

1.生きものの単位〜細胞

 動物も植物も細胞で出来ている。細胞の中には様々な細胞内小器官(オルガネラ)が大きく変化しながら存在している。このオルガネラの統合により生命の基本単位である細胞は生存している。その研究である。

 細胞には、精子のように動く繊毛があるが、動かない繊毛もある。この動かない繊毛は何をしているのか。また、ほ乳類の子供は、胎盤を通して、母子を繋いでおり、母子のそれぞれの細胞同士の相互作用がどんなか。

 高次細胞機構研究部門。

 植物は、発芽、成長、子孫残し、などに、細胞の中にあるオルガネラが、重要な役割を果たしている。

 オルガネラは、決して静的ではなく環境や成長に伴い、機能、数、形、大きさ、細胞内のおり場所を変えている。この柔軟性が植物の営みを支えている。その研究である。

 DNAとの関係を聞かなかった。これからの研究のようです。

 細胞構造研究室。 細胞の動かない繊毛。

 細胞社会学研修室。 母と子のきずな。

2.環境の変動に対応するしくみ

 生きものは環境の変化を感じ取り、適応しようとする。変化の感じ取り方、その対応の仕方を研究。

 分子環境生物学研究部門。 性ホルモンと環境ホルモン。

 光環境研究部門。 微生物の光感覚。

 植物発生遺伝学研究部門。 葉のかたちをつかさどる遺伝子。

 これからの研究のようです。

3.生きもののかたち作り

 動物も植物も、生きもの毎に決まった形をしている。形作りを司る遺伝子、その働き、など調べ過程の解析する。

 形態形成研究部門。 形作りの仕組みと進化を探る。

 分子発生学研究部門。 動物の体には背骨のように節がある。細胞段階からの研究。

 初期発生研究部門。 ほ乳類の体作りはどう始まる?

 時空間制御研究室。 体の右と左どう決まるか?

 植物器官形成学研究室。 植物の体を作るしくみ。

 理論生物学研究部門。 生物現象を数学で解く。

 これからの研究のようです。

4.いのちと遺伝子の継承〜性のしくみ

 生きものは遺伝情報を受け渡し命の継承をしている。そのため、オスメスを作った。

 生を決めるメカニズム、精子と卵子を作るメカニズム、メカニズムを破壊させる環境などの研究。

 生殖生物学研究部門。

 脊椎動物のオスとメス、精子と卵ができる分子メカニズム

 オスになる遺伝子がある。

 精子卵が出来る仕組みも分子レベルで判明。

 相当、進んでいるようです。

 発生遺伝学研究部門。 生殖細胞を選び出すしくみ。受精卵は多くの細胞を作り出すが、そのほんの少数だけが生殖細胞になる。どんなのが、なぜなるか、大分判りだしているようです。

 生殖細胞研究部門。 精子を作り続ける秘密。何十年にわたり精子は作り続けます。この営みは「精子形成幹細胞」と呼ばれる、少数の細胞の働きに掛かっている。これからの研究。

 生殖遺伝研究室。 性の仕組みを知る。ヒトは受精の時性が決まるが、温度で決まったり、両方もっていたり、いろいろ。生きものは、オスメスが必要というのではなく、環境に応じて最適に、精子、卵を作り出す事が必要。

5.脳の形成と働きのしくみ

 脳、神経系は、体内環境の調節、食物の摂取の制御、外部環境を知る、記憶と学習、外敵から逃れる、コミュニケーション、に関わっている。その仕組みを研究。

 脳生物学研究部門。 学習する脳・進化する脳。特に大脳皮質の研究。

 神経細胞生物学研究室。 タンパクは、DNA→mRNA→タンパクと細胞体の核の近くで行われるが、神経細胞の一部は、相当離れた所で作ることが出来るらしい。地方分権的システムがある。神経は早く作る必要があるらしい。

 

 総合神経生物学研究部門。 脳の出来る仕組みと働く仕組み。

 神経生理学研究部門。 動物がものを見る仕組み。見るは、あまりにも複雑で、未だ、判っていないようです。

 神経生化学研究室。 神経細胞が伝える情報の役割を知る。

6.生きものの進化

 生きものは進化し、止めることは出来ない。どうして、どうやって、どんなときに進化するのか。

 生物進化研究部門。 何が進化を引き起こすか、分子レベルでの研究。

 共生システム研究部門。 植物と微生物の共生。豆類は、根粒菌に窒素を供給して貰い、タンパクなどを与えている。

 ゲノム動態研究部門。 ダイナミックなゲノムを捕らえる。

 ゲノム(遺伝子、DNAそのもののこと)。

 DNA : 遺伝情報をコーディングする生体物質。単に遺伝子の意味として使われることが多い。

 DNAの構造。塩基が連なっている。

 塩基はタンパク質(生きものなのでタンパクなんだろう)。

 DNAにアルコールを入れると、見えるようになる。伸ばすと長さ2mになるそうです。

 DNAには、情報が詰まっていて、コンピュータと同じように2進数で表している。

 2進数は、0 と 1のみを表す。これをコンピュータでは 1ビット という。DNAでは、2ビットで1塩基。

 塩基はA(00),T(01),G(10),C(11)の4種類です。

 4つの組み合わせ(コンピュータでいう1バイトです)で、1つの情報を表している。

 ヒトのDNAは30億塩基(30億塩基×2ビット=60億ビット=750メガバイト)が繋がっていて、しかも、同じものが対になっている。増える時、複写する時便利なように、対になっているらしい。

 バイオリソース研究室。 魚類を用いた比較ゲノム解析とバイオリソース(生物遺伝資源)の開発。

 光るメダカの生物学 400以上のメダカ系統(汎用統計、近縁種、突然変異系統、遺伝子導入系統)を収集保存して世界に提供。

 ゲノム情報研究室・情報管理解析室。 ゲノムで読み解く微生物の多様性。

 今、あらゆる生きもののゲノムを読み尽くす勢いだそうだ。

 ゲノム情報から、物など作られ始めるが時間的・空間的な発達、遺伝子異変による変化など野解析も進んでいる。

 高性能な計算機を使っている。

 構造多様性研究室。 蝶のハネのかたちの多様性を作り出す仕組み。蝶のハネは、蝶になる時に、自分の形になるよう形の外側の細胞を死なせる。

 「プログラムされた細胞死」です。人の指が出来る時も同じ作り方だそうだ。

7.研究を支えている施設

 岡崎3機関共通の設備。

 光学解析室。大型スペクトログラフ。

 光を波長別に分ける機械、世界最大規模の虹にする機械。

 

 アイソトープ実験センター。 放射線で生物の仕組みを知る。

 生物機能情報分析室。 タンパク質の解析。遺伝子の解析。分光分析機など。

 40種類、70台以上設置。

 ホタルの発光物質による発光。タンパク質等に付けると光を目当てに追跡できる。

 情報管理解析室。 高速・大容量計算機を使う。

 モデル生物研究センター。 マウスなどの生きものに、遺伝子・細胞工学技術を使用し、目印を付けることが出来る。研究用に、安全に、効率よく、適切に供給する。

 第2会場は行かず、展示物は1/3程度見られなかった。
 

以    上  TOPへ戻る