12月5日(日) 中部CL大会 豊田棒の手ふれあい広場

 明け方まで台風並の暴風雨。朝、雨はあがったものの、駐機してある飛行機が飛んでいってしまう程の爆風の中で中部CL大会が行われました。
 着艦競技
<江原機(ホーカーシーフューリー)>
 実機感の得点を期待し、角胴の新作での初挑戦でした。エンコンの調整が十分でなく、低速計測時に海没してしまいました。
<江崎機(零戦32型)>
 基本的なギミック(フラップ、エルロン、ラダーオフセット、フック)は確実に動作していました。エンコン調整もラインの長さを微調整するなど、万全の体制で安定した飛行でした。
 着艦を試みましたが、空母のフック手前に接触。風さえなければ問題なく着艦していたでしょう。4サイクル(FS30)サウンドが心地良かった。
<高橋機(F4Fワイルドキャット)>
 今までの競技会では安定感に欠けていましたが、今回は高速、低速とも計測終了。着艦を試みましたが風の影響もあり、空母に接触後海没しました。
<市川機(ウルフキャット)>
 着艦競技に参加するために短期間で製作しました。速度計測後、腰を落とした状態で慎重に着艦のタイミングをはかっていましたが、右主翼端がブリッジに衝突後、空母前方に海没。
 新築した米軍機用艦橋は無事でしたが、飛行機は主翼がズタズタになってしまいました。ビールの段ボールで作ったとは思えない艦橋の強度!
<吉田機(F6Fベアキャット)>
 CV−Aエンジンにボリーのペラを使用し、ラットレーサー並みという訳にはいきませんが、かなり高速で飛んでいました。
 エンコンはスプリングを使ったベルクランク+第3ラインは左手のため、安定しないだろうと思っていましたが、低速も安定。大会初の着艦成功機となりました。
<辻機(スカイレーダー)>
 発艦成功後、高速計測をし、フックが降りないまま、ひとまず低速計測。その後着艦に向け何度もフックを降ろそうとしたのですが、結局フックの降りないまま強行着艦・・海没。
<尾崎機(彗星)>
 倶楽部のメンバーにもふせていましたが、密かに一人で練習中に大破し、修理後、調整もあまりできていない状態でした。
 にも関わらず、いつものように笑いをとる飛行どころか、安定した飛びっぷりでこれも期待外れ。着艦のトライは空母のすぐ手前に海没(接地)後、ジャンプして空母を飛び越し前方に海没。
<村田機(A7コルセア)>
 江原さん作成の機体での参加でした。3車輪のため、練習時にうまく発艦できずに心配していましたが、(期待に反して?)すんなり発艦成功。速度計測も終わり、いよいよ着艦。
 練習時にはいとも簡単に着艦していましたが、フックが制動索から外れ、勢いあまって空母前方に海抜。
<水谷機(スーパーマリーン シーファイア)>
 2ラインですが、独自の板バネ方式によるエンコン操作です。フルダウンでエンコンローになり、フルアップでエンコンハイ。
 低速で機速が落ちると、フルアップでパワーを掛け、スピードが出るとフルダウンで低速に。このやりとりがギャラリーを沸かせていました。パイロットは必死でしたでしょうが・・・。
<成瀬機(零戦21型)>
 栄エンジンが不調で、アテンプトの後、再始動。それでも高速時にはエンジンがバラつき、エンストしないか心配でした。
 スローは安定していたため、風のおさまるタイミングを見て着艦。着艦後もエンジンは回ったままでした。
 ・・・駐機場で準備中、強風のため飛行機がひっくり返りカウル止めが壊れてしまいました。その場で慌てて瞬間接着剤で修理しましたが、エンジンが不調なのは、「流れた接着剤がエンジンのキャブに入ったのかもしれない」と不安でいっぱいでした。(過去に修理中、誤って瞬間接着剤をベンチュリーからたっぷり入れてしまった○○会長を大笑いしたバチがあたったのかと・・・)
<阿部機(レアベア)>
 各胴のレアベアの新作です。2ライン方式ですが、胴体内にあるベルクランクがロッドを押し、フルアップとフルダウンでそれぞれエンコンとフックが動作する仕組みです。
 スプリングとストッパーでシンプルながらも微調整可能な独創的なギミックには感心しました。
 競技では高速計測の途中でロックが外れ、スローモードとなり、そのまま除々にパワーが不足し、途中で海没。
<鳥居機(F4Uコルセア)>
 元祖2ライン方式でフルダウンによりスローへ切替えます。一旦スローになるとハイには戻らないため、無風状態ではかなり安定した状態で飛んでいましたが、今回のような強風時ではかなり不利です。スローモード途中で飛行機が浮いてられずに海没しました。
No. パイロット 実機感 高速速度
(km/h)
低速速度
(km/h)
高速点 速度差点 着艦点 合計点 順位 エンジン
江原賢治 82.5 77.3 77.3 0 159.8 5位  
江崎和明 34.2 74.6 58.5 74.6 32.2 0 141.0 8位 FS30
高橋常昭 30.4 78.5 47.3 78.5 62.4 0 171.3 3位 OS20FP
市川隆朗 27.5 74.8 59.0 74.8 31.6 0 133.9 9位
吉田 功 28.4 105.0 62.7 105.0 84.6 100 318.0 優勝 OS15CVA
辻 和伸 32.5 78.3 69.0 78.3 18.6 0 129.4 11位 OS20FP
尾崎哲郎 33.4 76.8 51.4 76.8 50.8 0 161.0 4位 OS15LA
村田浩司 32.1 78.5 57.0 78.5 43.0 0 153.6 6位  
水谷英明 30.6 79.7 60.7 79.7 38.0 0 148.3 7位 FS30
10 成瀬昭彦 97.5 73.0 52.7 73.0 40.6 100 311.1 準優勝 FS26
11 阿部 司 70.8 59.2 59.2 0 130.0 10位  
12 鳥居幸治 38.8 90.3 90.3 0 129.1 12位 OS15FP

 左から 第3位 高橋 常昭、優勝 吉田  功、準優勝 成瀬 昭彦