加悦鉄道2号機製作日記 (下が古く、上が新しくなっています。)
2007年 8月下旬 竹炭村鉄道訪問
縁あって竹炭村鉄道の訪問がかないました。
ここはぶどう園ではありません。 しかし大変立派なぶどうができています。
その前を車両が通ります。
いろんな車両が集まりました。 当鉄道オーナーさんの人柄ですね。
加悦2号機も走らせていただきました。 半径6mの箇所があり、期せずして通過試験ができました。
2007年 8月中旬 オーナーによる試運転
佐鳴湖公園ミニ鉄道にお邪魔して走らせていただきました。 レイアウトは木立に囲まれ、谷から吹き上がってくる風がとても気持ちいいすばらしい環境でした。 昼食までご馳走になり、とても楽しい1日になりました。
転車台とトラバーサーの両方がありました。
準備中の蒸気機関車です。 未塗装の新幹線です。
オーナー氏ががんばっています。 少しの練習ですぐ要領をつかみました。
無煙炭でも圧力を下げないで走れるようになりました。 ここの会長さんにも運転していただきました。
これでようやく自分の機関車に戻れます。
2007年 8月上旬 運転台車のボギー化
運転台車のボギーを突貫工事で作ったので早速ためしてみた。
石炭は無煙炭を使った。
結果はやはりスムーズで曲線の抵抗をほとんど感じなかった。 乗り心地もよかった。
調子に乗って客車を1両つないで成人男性3人(運転手を入れて4人)に乗ってもらい負荷試験をおこなった。
結果は登り発進もでき、登り曲線でも問題はなかった。
登り曲線ではブロワーを閉めてもブラストだけでよく燃えていた。
下りの絶気に近い状態ではブロワーをつかわないと即圧力が下がる。
走行中にブロワーを使うのがこの機関車の特徴だが、ブロワーを使って安全弁が吹いたら、ブロワーを絞って圧力を下げるという操作がこの機関車と無煙炭の組み合わせにはある。
無煙炭を使った場合その特徴から、ほとんどの機関車で走行中にブロワーを使うのではないかと推測される。
これでもう私がこの機関車に手を加えることはほとんど無くなりました。 あとは彼にまかせよう。
福知山のフェスタは結構渋滞があるので少々圧力が下がっても渋滞で回復できるだろう。
かえって渋滞停車中に安全弁が吹くのに石炭を入れてブロワーを使うことが多いのではないだろうか。 こうした場合重要なのが確実な給水装置だ。
2007年 7月下旬 石炭による運転
床においてあるのがバーナー本体です。 これを降ろし、灰箱をセットします。ピカピカ光っているのが灰箱です。 下抜き下入れです。
少ないですが煙が出ています。 灯油焚きつけ3本に火をつけて放り込み、木切れを5本入れて5分くらい待ち、それから有煙炭を5個ほど入れて2分くらいの時です。 煙突にブロワーが付いていないのは、エアーコンプレッサーの空気をボイラーにいれて、ブロワーノズルから空気を出して通風しているからです。 写真右下の緑のホースがエアーホースです。 コンプレッサーがある環境ならこのほうが楽です。
まず、火力の強い有煙炭でやってみました。 負荷は自重と運転台車のみです。 結果は、燃焼状態に気をつけていれば連続運転ができることを確認しました。
この後、カロリーは高いが火力が弱い無煙炭でやってみました。 有煙炭ほど余裕はないけれど連続運転が可能なことを確認しました。 これなら体力さえあれば朝から晩まで走行できそうです。
次は負荷運転をおこなう必要がありますが、その前に運転台車の改造が必要なことがわかりました。 2軸でホイールベースが600mmくらいあるのでカーブでの負荷が大きく、蒸気を使ってしまう。 客車牽引にはロスを減らさなければなりません。 ボギー台車が必要ですが購入するには高価です。
ブロワーはよく効いて、ゴーと音がするくらいでした。 機関車が走るかどうかはブロワーやブラストの効きしだいです。
運転後の掃除は楽でした。 熱による板のひずみも無いように見えました。
心配していた煙管掃除も問題ありませんでした。
2007年 7月下旬 ガスによる運転
運転台車との配管接続です。 手前(進行方向に向かって左側)の透明ホースは軸動ポンプへ行くホースです。
向こう側(進行方向に向かって右側)のチーズで受けているのが戻り管です。 赤いコックを開くと台車のタンクに戻ります。
赤いコックを閉めるとボイラーに給水します。
チーズで分かれた黒いホースはハンドポンプからボイラーへ行く配管です。
運転台車内部です。 タンクは10リットルです。 ホース類は床下に置きました。
空いたところは石炭箱置き場です。
台車に乗ってから見た運転室です。
火床が見にくい。 水面計も見にくい。
屋根を切欠くしかなさそうです。
走行状態は想定どおりやはり圧力低下が早い。 もっともガスバーナーは湯沸かし器の流用なので火力が弱い。ので、石炭ならもう少しよくなるだろう。
しかし、投炭がやりにくい。 遠いうえ焚き口が小さいのだ。 大きなスプーンで入れるとよいかも。
今日はとてもお客さんを乗せられる状況ではなかった。 あれこれ気づいた事を改善しよう。
2007年 7月中旬 スチームドーム、メーカーズプレート、ナンバープレート、煙突の上部・・・機関車はひとまず完成とします。 あとは彼に任せます。
僕が作るのはここまでにしました。 あとはダミーホイッスル、手摺り、ライン、リベット、後部窓、その他もろもろ。
次は、運転台車をつくります。 ボールドウィンと同じ作り方にします。
煙突上部は友人が作ってくださいました。 溶接とロー付けの作品です。
前端梁の下の横梁は実物にはありません。 ドレインバルブ保護のために走行時につけます。
ピンボケですが、 右から逆転機、水面計、その下にチェックバルブ、その左上が焚き口戸、その上がレギュレータその左がホイッスルバルブ、その左がブロワーバルブです。
視界良好です。
2007年 7月上旬 ホイッスル、ボイラー搭載、キャブあわせ、ガスバーナー 、ルブリケーター取り付け、その他あれこれ 位置決め穴やねじ穴開け。
煙室の中はこうなりました。 逆Y字形の配管は排気管です。 これにくっついているパイプはブロワー管です。
2本の平行で垂直な配管は主蒸気管です。 主蒸気管をボイラー本体の上に置いたのでボイラージャケットとボイラー本体の中心がずれ隙間が不等間隔になってしまい、パッキングがやりにくくなってしまいました。
全体の姿が少し進みました。 あとは蒸気ドームカバーと煙突上部のかざりになりました。
レギュレータ、ブロワーバルブ、ホイッスルバルブもつきました。 後部連結器は機能本位です。 ガスバーナーも作りました。 固定方法をどうしようか考えています。
ホイッスルです。 左側のスカートの下につけました。 目立たないだろうと思います。 ルブリケーターはキャブ後部左側に取り付けました。
ルブリケータはいつものようにワイヤーで駆動します。 モーションは第二動輪からとる予定です。
2007年 6月下旬 軸動給水ポンプへの給水管とボイラーへの押し込み管 ボイラージャケットに蒸気ドームと安全弁の穴あけ
配管はフレームの下を通します。 少々見苦しいですが他にルートがありません。 (写真はおいてあるだけです。)
手前がポンプの下側に接続し、向こう側がポンプの上側に接続します。
チーズで分岐した先はボイラーのチェックバルブに接続します。 戻り管は別途分岐で片方は戻りですが、もう片方はハンドポンプから押し込みするためねじ接続です。
給水管は低圧なので銅管は無加工でホースを接続します。
2007年 6月下旬 レギュレータ、ターレット、シリンダードレイン操作レバー類、煙室取り付け
実物の操作アームはフレーム内側に入っていますが、模型では軸動ポンプがあるため外に出しました。
操作てこはフレームの下を通します。
キャブ下に「てこ」を持ってきました。
全体のイメージが見えてきました。
煙突とドームカバー類がつくとディティール以外は外形的には完成です。
あと少し!!
2007年 6月中旬 シリンダードレイン操作の仕組みを検討 再度全部バラシ キャブおよび丸窓ガラス
シリンダードレイン操作の仕組みを検討して決めた。 もう一度全部ばらして、てこの回転軸の穴をフレームに開けた。 ついでに送水管と押し込み管の配置を検討して支障になる部品の箇所を削った。 ドレインの操作ロッドはいつもこうやって足回りができてから決めている。 狭いところなので設計のとおりにはなかなかいきません。
純正のレギュレータ部品と蒸気溜めは10月には間に合わないので私流に製作することにした。 使い勝手が悪ければ彼に改造してもらうことにする。
自作レギュレータから煙室までの蒸気管はボイラーの上を通すことしたため、ボイラー中心高が下がり、そのため火室を支える板を下に下げた。
蒸気溜めは少しでも蒸気容量をふやすため純正より大きくすることにし、友人に製作をお願いした。 私ではできない工作箇所があるからです。
キャブをばらして色を塗り始めた。 窓用のガラスを円形に切った。というより削った。 前後で計4枚作ったが、前だけつけておこう。 後ろは彼にやってもらうことにする。 キャブのリベットも後からできるので残しておこう。 なんという親心だ。 うん。
ガラス削りもコッペルに続いて2回目なので少し慣れた。
ボイラージャケットの後部を切り開いた。 今日は写真らしいのはこの1枚くらいだ。 あとはねじ穴開けなのでぱっとしない。
キャブをランボードに固定するねじをつけたので、外形的にはかなり完成に近くなった。
2007年 6月中旬 エンジンをシールして組み立て、 エアーテスト、 キャブ組み立て開始、 シリンダーカバー
ごーごーと音をたてて動輪が回ります。 全体の組み立てが終わったらあたりをつける回転をさせますが、 またばらすことがあるかもしれないので回転の確認だけにしました。
あるだけの部品をのせてみました。 少しずつ形になっていきます。
スチームドームは雰囲気のためのスプレーキャップです。 キャブ後ろ板は運転時には取り外します。
2007年 6月上旬 動輪クォータリング 足周り仮組み 仮エアーテスト
足周りを仮組みしました。
毎度スライドバーの取り付けは時間がかかります。
先輪部分です。
エンジンの4つの穴は外側が排気で内側が給気です。
第一動輪のエキセン部分です。
中央に押し込んだ軸動ポンプです。
エアーを押し込んでみるとシールしていないのでそこらじゅうから漏れまくりますが、ゆっくりと動輪が回ります。
2007年 5月下旬 キャブ等残りの材料が届きました。
上部がきれいに曲げられたサイドタンク側板。 キャブ屋根板。 キャブ後部側板。 カーブがきれいなキャブ窓などが届きました。
カメラが無いので写真をお見せできないのが残念です。
エンジンをフレームに取り付けてみました。第一動輪にギアエキセンを仮につけて、エンジンからのスピンドルの位置でエキセンの位置決めをしようと思いましたが、 そんなことしなくても寸法から追って位置決めすることにし、第一動輪の組み立てに入りました。 スチーブンソンのバルブギアのもっとも気を使う工作です。
2007年 5月中旬 ピストン シリンダー後ろ蓋 バルブスピンドルパッキン受け ロッド磨き
いつものように丸板3枚合わせのピストンです。
シリンダー後ろ蓋はナットをロー付けし、 パッキン押さえをねじ込みます。 ピストンロッドは6mmです。 パッキン押さえは未完成です。
バルブスピンドルパッキン受けも同じ構造です。
ナットとロッド穴を同心にし、かつスライドバーが受ける面が水平になるようにロー付けします。
ロッド磨きはいつものように平岡幸三さんのサンドペーパー法で行いました。
きれいにできました。
次はエンジンを仮組みし、第1軸につけるギアエキセンの位置決めをして動輪のクォータリングをすれば、足周りの仮組みができる。
作ってきた部品が一気に組みあがっていく段階に近づいた。
2007年 5月上旬 シリンダー関係 その他
シリンダーポート穴あけ クロスヘッドとバルブチェストの銀ロー付け
2007年 4月下旬 ギアエキセンアーム 車輪ばね押さえ
飛び出たねじは面一で切断します。
車輪ばね押さえです。 実物は板ばねで、しかも軸箱の下から支えていますが、この方式を模型でやると脱線したときにばねを壊しやすくなります。
私が使う機関車ではないため、メンテナンスが楽になるように汎用のコイルばねにしました。 写真のねじ部分にばねを通します。 これをフレームにねじで固定します。
2007年 4月下旬 動輪削り
動輪を削りました。 細いスポークの裏側の鉄が硬くなっていて(いわゆるチル)、刃物がどんどんだめになりましたがようやく完了しました。
細くてもチルで強化できて良かったとしましょう。
色を塗りました。 全部真っ黒なので手間いらずです。
2007年 4月下旬 レーザー部品ができてきた。
キャブ以外の部品ができてきました。
まず軸箱を組み立てました。 スペースが狭いので皿ねじで頭を埋めました。 反対側はねじを面一(つらいち)で切り落としました。
2007年 4月中旬 ボイラーができてきた。
小川精機にお願いしてあったボイラーができてきた。 見てのとおり大変きれいなできばえです。
これは小川精機のコッペルのボイラーで、これを加悦2号機に載せます。 加悦2号機のボイラーは狭火室であることと、ボイラー胴の寸法がこのコッペルボイラーにぴったりでした。
円滑な運転にはもう少しボイラーを大きくしたいところですが、見た目の印象を大切にしようと思いスケールにあわせました。 この結果、シリンダー直径を小さくせざるを得なく、 大きさの割りに牽引力が小さくなるだろうと思います。
小川精機のボイラーには模型ボイラー検査カードがついており、手続きに関する説明書きもあり大変丁寧です。 うわさでは検査カードが添付されてないメーカーのボイラーもあるとのことで、 良いメーカーが発展していけるようにユーザーはメーカーを選ばないといけないなあと感じました。
梱包も丁寧でした。
主要で基幹的な材料は揃いました。 ただ、最近あれこれ忙しく、進み具合が遅いです。
2007年 3月下旬 シリンダーができてきた。
シリンダーの穴あけを依頼していたのができてきた。 材料はいつものデンスバー。 この状態から外周を削り形を整え、ポートを開けエンジンにしていきます。
2007年 3月中旬 動輪鋳物ができてきた。
なんという美しさだ。 あんな木型でよくぞここまできれいに抜けたものだ。 さすが職人の技術だ。 もう少し木型をよく作らないと職人の技が生かせない。 友人と職人さんに感謝。
2007年 2月中旬 動輪鋳物鋳造依頼
いつものように動輪の鋳造を友人にお願いした。
2007年 1月下旬 動輪木型 先輪
直径約16cm クランク半径3cmです。 14本スポーク動輪ですが、スポークの断面が四角です。 実物は中心から外に向かって細くなっていて大変きれいであるが、木型の抜き勾配もあってすべての面がテーパーになるためこれは断念した。 うまく抜けるだろうか。
先輪は9本スポークで、動輪と同じようなつくりになっている。 動輪木型の製作に精力を使い果たしたので、これはC55の先輪を使うことにした。
実物を模した先輪は、走り出してからのバージョンアップということで、彼にやってもらおう。
2006年 12月下旬 ようやく設計終了
ようやく全部の設計を終えました。
いくつかあった問題は、対症療法的処置をおこない、問題をかかえたままやってみることにしました。
問題と対応
1 バルブ室がフレーム内にあり組み立てにくい。 弁調整がしにくい。 すべり面が垂直なので使わない期間が長いと油が下がりバルブチェストが固着しやすい。
対応:外部から給油できるようにする。
2 給排気の配管がしにくい。
対応:がんばるしかない。
4 ギアがスチーブンソンでありかつ、すべてのギアがフレームの中にあり、給油が困難である。
対応:長いパイプを油さしにつけて注す。
5 軸動給水ポンプの設置スペースがない。
対応:なんとかフレーム中央のギアの間に押し込んだ。
6 ボイラーが狭火室で運転に不利。 かつ カーブは当然7.5mを通過させるがボイラーがじゃまして動輪の横動がとりにくい。
対応:4mmとることができた。R7.5は通過できるだろう。
2006年 12月中旬
予定しているボイラーが載せられないと後の設計がおじゃんになるので、友人の協力を得てまずフレームを作って載せてみた。
予定通りの位置に収まった。 動輪横動は4mm程度しかとれないが、何とかなるだろう。 これでようやく残る設計を進められることになった。 友人に感謝。
2006年 10月下旬
加悦鉄道というのはかつて京都府北部にあった私鉄で現在はありません。 しかしすばらしい保存施設があり、そこに2号機関車が保存されています。
この機関車の詳細については加悦SL広場のホームページを参照していただくとして、概要は日本の鉄道事業のごく初期に輸入され使用された機関車です。
この機関車を製作することになったいきさつをかいつまんで説明すると、20歳前後の友人のライブファンがこの機関車が好きで、いつかはライブでこの機関車を作りたいと私に話したことがきっかけです。 作りたい機関車があればそれを作ろうじゃないかという私の持論でことを進めることになりました。
10月下旬に保存機の採寸を彼と一緒に行いました。 SL広場の方には大変親切にしていただき、 またエアーによる汽笛も聴かせていただきました。
彼は私の住まいから遠い他県で生活しているため設計の説明をしながら彼が設計をするという方法は大変な時間と費用がかかります。 そこで設計製作を私が行い、その後ばらばらに分解して彼が組み立てるという手法をとることにしました。 組み立ては2〜3日私の家で合宿すればできるだろうと思います。
彼が組み立てれば故障時の対応もそれなりに対応できるでしょうし、構造も理解できるでしょう。 そうしてやがて彼オリジナルの機関車もできてくるでしょう。 私の期待はそこにあります。
さてこの機関車はボールドウィン以上に難物であることが設計を進めていくうちに徐々にわかってきました。 主な問題は下記のとおりです。
1 バルブ室がフレーム内にあり組み立てにくい。 弁調整がしにくい。 すべり面が垂直なので使わない期間が長いと油が下がりバルブチェストが固着しやすい。
2 給排気の配管がしにくい。
3 載せられるボイラーに対しシリンダー容積が大きく、 圧力維持が困難な機関車である。
4 ギアがスチーブンソンでありかつ、すべてのギアがフレームの中にあり、給油が困難である。
5 軸動給水ポンプの設置スペースがない。
6 ボイラーが狭火室で運転に不利。 かつ カーブは当然7.5mを通過させるがボイラーがじゃまして動輪の横動がとりにくい。
ほかにもいろいろありますが、今回もボールドウィンと同じく初めてのことが多いです。
こんなわけでD51は後回しにすることになりました。