つくで高原模型鉄道のゲージ寸法は下記のとおりです。     (戻る)

 

5インチのレール内幅は130mmで、ポイントのガイドレールの外幅は116mmです。

7.5インチのレールの内幅は194mmで、ポイントのガイドレールの外幅は180mmです。

レール内幅は直線も曲線も同じです。

曲線半径はすべて10mの3線式の線路です。

 

このゲージ寸法の決定については以下の思考経路をたどっています。 

基本思想

  この模型鉄道の建設方法が、賛同者を募り、賛同者からの拠出金を財源として建設することから、賛同者となってくれるであろう人が所有する車両が走行できることを第1とする。

  賛同者を募る対象は衣浦鉄道倶楽部会員を中心とすることから、 衣浦鉄道倶楽部会員の車両が走行可能であること。

  衣浦鉄道倶楽部会員の車両はほとんどが5インチであることから、できるだけ多くの衣浦鉄道倶楽部会員の5インチ車両が走行可能であること。

    以上が設計の原点となっています。

 

5インチレールの寸法決定経緯

   モデルニクス製品のようなJR車両の8.4分の1に近いタイヤコンタは、OSのタイヤコンタと比較するとフランジが厚く、かつバックゲージが117mm程度である。 こうした車輪を持つ車両を走行可能にするにはポイントのガイドレール外幅を116mm程度にする必要がある。

  また、モデルニクスの車輪を使いバックゲージを118.5mm程度にしてOSポイントを通過させている車両も多く存在し、これらの車両を走行可能にするにはゲージが127mmでは少々きついためゲージは130mm程度が良いと思われる。

   ガイドレール外幅が116mm程度のポイントをOS車両が通過するとき、ガイドレールが十分機能するか危惧されたが、 試験では問題なく通過できた。

   したがって5インチレールのレール内幅は130mmとし、ポイントのガイドレールの外幅は116mmとした。

 

7.5インチレールの寸法決定経緯

 次に、客扱いに考慮し、より安定性の高い7.5インチを併用することとし、5インチ車両により7.5インチ客車を牽引することを主たる走行形態とする。  したがって3線式となる。

 

 3線式レールのポイントを設計するにあたり、7.5インチのガイドレール外幅をJRの5.6分の1の176.8mm程度にした場合、7.5インチ外側レールと5インチレールのクロス部ではガイドレールが5インチレールからかなり離れることになる。 つまりギャップが大きくなる。

 

   衣浦鉄道倶楽部会員が使っているAT67等は比較的踏み面が狭く、ここで落ちてしまうおそれがたぶんにあり、落ちないまでも走行性が非常に悪くなると思われる。 詰め物をしてフランジで走る方法。またはクロス部も可動にする方法など対応策はあるものの不確定要素を含み、5インチ車両の安定走行が懸念されることは建設費用を拠出していただいた会員に対し申し訳ないこととなるため、 JRの5.6分の1サイズのタイヤコンタでの走行はあきらめる。

 

次に、7.5インチ車両の販売品は国内ではOSのみだと思われ、これが走行できることとする。 OSの7.5インチゲージのレール内側寸法は194mmで、ポイントのガイドレール外幅は180mm程度です。

 

また、7.5インチ車両を自作される人は、渡辺誠一氏の図書を参考にすると思われ、この図書によると7.5インチのバックゲージは181mmとなっているため、これによって製作される車両があるはずで、この車両が走行できることとする。

 

汎用車輪をモデルニクスから求めて7.5インチ車両を自作される人は、国内の7.5インチのパブリックコースを走行できるように設計されるだろうと考えるのが順当で、 7.5インチのパブリックコースは、東海地方の近隣ではOSレイアウトと白馬と思われ、このコースで走行できることをターゲットに自作されるだろうと考えました。  

渡辺誠一氏の図書を参考にバックゲージを181mmとし、これにモデルニクスの5インチ車輪を持ってきても走行できるようにするにはレールゲージは194mm程度が必要と思われます。

したがって、7.5インチのレールの内幅は194mmとし、ポイントのガイドレールの外幅は180mmとしました。 

以上が、つくで高原模型鉄道のゲージ寸法の決定経緯です。

 

まとめ

要約すると、現状・近隣の人の車両ができるだけ多く走行できるように考えて寸法決定しました。 国内の7.5インチゲージ車両の現状にもある程度合わせました。

     OS製5インチ車両 (バックゲージ119mm) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・走行可

     モデルニクス車輪でバックゲージ117mm  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・走行可

     モデルニクス車輪でバックゲージ118.5mm・・・・・・・・・・・・・・・・・・走行可

     モデルニクス車輪でバックゲージ119mm・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・走行可

     OS製7.5インチ車両 (バックゲージ180.9mm) ・・・・・・・・・・・・走行可

     モデルニクス車輪でバックゲージ181mm・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・走行可

     JRの5.6分の1のタイヤコンタでバックゲージ176.8mm・・・・走行不可

     ※走行可でも相性により通過できないこともあります。

 

今後の方向

  JR車両の5.6分の1のタイヤコンタも捨てがたく、今後は5インチ車両の走行安定性を確保しながら7.5インチのガイドレールの外幅を176.8mmにしてJRのファインスケールの7.5インチ車輪も通過できるポイントを開発していくのも楽しい倶楽部活動になると思います。

 

将来、JRのファインスケールの7.5インチ車輪の供給がどこからか始まり、7.5インチが現在の5インチくらい広まったら、次回レイアウト建設の折には3線式にせず、7.5インチ単独線とし、その時代の優勢なタイヤコンタに見合ったレールで建設したいものです。

  また、その方向付けをおこなうために、JRのファインスケールの7.5インチ車輪で走行できる7.5インチ専用レイアウトを建設することを目的として全国的に賛同者を募り、用地確保しレイアウトを建設するのも面白いと思います。 (名づけて「JR5.6分の1倶楽部」とでもしましょうか。) 

 

レイアウト図 (建設当初)

 

   

 

2018年6月29日から

        

                                              (戻る)