ATTENTION

---もしも救世主が”B型”だったら?---

この仮定がすべての設定に優先します
真面目な展開をお好みの方 ご期待には添えられません
ブラウザで戻る事をお薦めします
「どんな救世主でも大丈夫!」という剛毅な方、限定(笑)





B型救世主 -T-





Mr.アンダーソンこと救世主ネオは、その日不機嫌だった。
寝不足だったのだ。

眠ると決まって夢を見る。
あまり…いや、相当面白く無い夢。
FREE YOUR MIND----心を解き放て…とばかりマシンの見せる夢から目覚めてからこっち、
マトリクス内では超人的な力を発揮できるようになった。
そう。正に「救世主」に相応しい、奇跡的な力の数々。
その向上に伴うように、いろいろな<夢>に眠りを阻害されるようになった。
---予知夢?---
そんな事を思い、気分が悪くなる。
なにしろその夢というのが・・・

「・・・・・・」
「どうしたの?」
「いや・・・」
隣に立つトリニティが問いかけるのに小声で答えて、ネオはその場を後にした。
その場=地下集会場はただ今議論の真っ最中。
なにしろザイオンに向かってメカゲソ軍団25万匹が穴掘ってるとゆーのだから、議論も白熱しようというもの。
しかし救世主といえども新参者のネオに、発言の余地はまったくと言っていいほど見つけられなかった。
・・・とかなんとか理由をつけてはいるが、要するに、この手のディスカッションがあまり好きではない上に、寝不足の頭には雑音でしかなかったのだ。
足早に地上への階段を上って行くと、出入口で見張りをしている青年が封筒を差し出した。
『自由にしてもらった礼』だというその封筒の中身は、イヤホンがひとつ。
それが何を意味するのか、考える暇もなく嫌な気配が迫ってきた。
「集会は終わりだ。エージェントが来る」
見張りを伝令に走らせ、唯一の入口である鉄の扉に対峙する。
ガンガン!と寝不足の頭に響く音をたてて、鉄の扉が弾ける様に開かれた。
黒いスーツにブラック・タイ。黒のサングラス。
そりゃエージェントの制服か?と訊きたくなる。しかもまた3人組だ。
ただの人間・・・と呟きながら殴りかかってくるエージェントの拳を掃いのけ、反撃したネオだったが、その拳はあっさりと止められた。
「…アップ・グレードしたな」
ネオの言葉に、目の前のエージェントは一瞬笑みを浮かべようにも見えた。
が。
「デカい」
「あ?」
「以前はもっと華奢だったのに・・・」
ため息。
「全体的に細身で、そんな見るからに体育会系?ってカンジじゃなかったんだが」
やれやれ・・・というように首を振る。
「何の話をしている!」
今度は3人同時に殴りかかってきた。

3対1の乱闘は、すぐに決着がついた。
崩れた壁。歪んで割れた街路灯。散乱するガラスの中にエージェント達は倒れていた。
それにネオはため息を吐く。
「・・・ったく。デカけりゃいいってモンじゃないだろーに」
そう呟いて辺りを見回す。
先刻受け取ったイヤホンの、元の持ち主の気配がしたような気がしたのだ。
自分が滅ぼしたはずの、あの・・・。
「ん〜〜〜・・・・。やっぱり、あっちの方が好みかな・・・?」

かなり場違いな呟きを残し、ネオは空へと飛んで行った。
その姿を、呆れたように見送っている者が居た事に気付かずに・・・・・・


スーパーマン宜しく、空の散歩・・・とゆーよりは暴走・・・を楽しんだネオは、あるアパートの上に降り立った。
誰かに見られたら、どーすんだ?とかゆー心配はしていない。
以前、人通りの多い交差点の雑踏のど真ん中から飛んだ事があったが、誰も気にしていなかった。
いやもしかすると、『触らぬ神に祟り無し』状態だったのかもしれないが。
まぁ、済んでしまった事は、今更悩んでもしょうがないのだ。
済んだ事、済んだ事と唱えながら、薄暗い廊下にあるドアのひとつをノックした。
返事は無い。
鍵のかかってないそのドアを開けて、中へ。
勝手知ったる、他人のナントカとばかり奥に行ったものの、とんと人の気配は無い。
「どこに行ってしまったんだ・・・?」
以前訪れた時は座る事の無かったソファーに腰を下ろし、ため息ひとつ。
「まぁいいか・・・・」
為るようにしか成らないさ・・・と、寝不足の救世主サマはアクビまじりに呟いた。


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B型=自分が興味のある事だけは一生懸命!
強引にマイウェイ!みたいな〜(笑)

もちろん中原もB型です(大爆)

<03,10,30>