SONY STR-6000
STR-6000は1970年頃発売されたレシーバ(チューナ付きプリメインアンプ)で、カタログによると
FMフロントエンドはFET2石と5連バリコン、IF部は6素子ソリッドステートフィルタの組み合わせ。
アンプの実効出力は50W+50W(8Ω)、¥69,800となっています。チューナ部はST-5140、アンプ部は
TA-1130、TA−1140の組み合わせに相当します。
STR-6000番台には国内用のSTR-6000、6060、輸出用のSTR-6060F(W)があります。それらの
違いを比較してみます。
STR-6000
前面パネルは黒色アルマイト仕上げに白色文字。

サブパネル

リアパネル

内部上面
左上に電圧切り替えプラグがあり、TA−1120Fなどと同じワールド仕様となっている。左下部は
FM5連、AM2連同軸バリコンを使ったFMフロントエンド(AMはバリコンのみ)。
下部中央はFM-IFとAM回路。

STR-6000とほぼ同じ形状でパネルの色が異なるSTR-6060がありますが、こちらは4連バリコン、
30W+30Wで¥79,800です。
STR-6060
前面パネルの配置と機能はSTR-6000とほぼ同じであるが、アルミ地色のアルマイト仕上げ。

サブパネルのスイッチの数と配置。機能はSTR-6000と少し違う。
裏面パネルのスピーカ端子は1組のみとなっている。

電圧切り替え部の穴は開けられているが部品は実装されていない。
FMフロントエンドの横にAMバリコンが付けられ、回転は歯車機構で連結されている。

STR-6060の発売は1968年頃との記事を見ましたが、電源のコンデンサの形状からはSTR-6000
の方が設計が古いように思われます。価格面でもスペックの優れたSTR-6000方が安いことから、
STR-6000の発売時期の方が早いとする方が合理的です。いずれにしてもSTR-6000の販売期間
は短く、台数もそれほど出なかったものと考えられます。
不思議なことに輸出用のSTR-6060F(W)と国内販売のSTR-6000の内部構成は、FM5連バリコン、
電源電圧切替機構、2組のスピーカの切替ができる点などを見る限りほぼ同じようです。つまり、
輸出用のSTR-6060F(W)の仕様を国内向けにし、パネルを黒色にしたものがSTR-6000であると
考えられます。
STR-6060F(W)
前面パネルはSTR-6060とほぼ同じ

サブパネルのつまみ、SWの配置と機能はSTR-6000と同じ。

スピーカ端子は2組

フロントエンド、IF部のシールドその他の配置はSTR-6000と同じに見える。

中古市場ではSTR-6060の方が人気が高いようですが、TA1120から始まるこの形状のパネル
で黒染めのものは私の知る限りこれだけであるので、もっと高い評価が与えられても良いのでは
ないかと思います。
ヤフオクで入手したSTR-6000の前面を次に示します。残念ながら電源スイッチのレバーが
折れています。

スイッチレバーの修理
輸送中に折れたTA-1150のレバーがあったのでそれを銀ローで接続しました。銀ローは
600℃程度の温度が必要なので敬遠されがちですが、カセットボンベにつける火起し用バーナ
でもそれくらいの温度にはなります。ステンレスなどの溶接しにくい金属もくっつけることができ、
接続部で曲げてもロー部分で折れるようなことはありません。

下の写真は専用キャビネット(木製)を取り除いた状態、金属カバーはついていなかった。長い
間開けられた様子もないので、最初からついていなかったのかも知れない。カタログによると
STR-6000は標準で専用キャビネット付となっている。
仕様の寸法は木製キャビネットとつまみの突出部を含んでいるようで、金属ケースの奥行きは
310o程度である。木製キャビネットの奥行きは350oあり、金属ケースよりも40o程度長い。
これは上部にレコードプレーヤを載せて使用することを想定しているのであろう。

STR-6000の仕様
形式 |
AM・FMステレオ・レシーバー (FET3石を含むトランジスター63石・ダイオード40個) AM・FMチューナー スーパーヘテロダイイン方式 オーディオアンプ 準コンプリメンタリー SEPP OTL方式 |
|---|---|
外形寸法 |
473W×168H×370D (木製キャビネット寸法) |
重量 |
13.8kg |
電源 |
100V 50/60Hz |
消費電力 |
130W |
電源コンセント |
300W (非連動) |
主な付属品 |
フィーダーアンテナ 1 ピンプラグ(赤、白) 各2 ショートプラグ 4 |
FMチューナー部
| 受信周波数 | 76〜90MHz |
| 実用感度 | 2.0μV |
| S/N | 65dB |
| キャプチャーレシオ | 1.5dB |
| 選択度 | 80dB (IHF) |
| イメージ妨害比 | 90dB |
| 中間周波妨害比 | 100dB |
| スプリアス妨害比 | 100dB |
| AM抑圧比 | 50dB |
| 周波数特性 | 20〜15,000Hz +0、-1dB |
| 歪率 | モノ 0.5% ステレオ 0.8% |
| ステレオ・セパレーション | 38dB 以上 |
| 自動ステレオ切替レベル | 5μV |
| 19kHz、38kHz抑圧比 | 55dB |
| アンテナ | 300Ω 平衡型、 75Ω 不平衡型 |
AMチューナー部
| 受信周波数 | 530〜1,605kHz |
| 感度 | 44dB/m (バーアンテナ) 10μV (外部アンテナ) |
| S/N | 50dB (入力5mV時) |
| イメージ妨害比 | 43dB (1,400kHz) |
| 中間周波妨害比 | 38dB (1,000kHz) |
| 歪率 | 1.0% (入力5mV時) |
| アンテナ | フェライトバーアンテナ、外部アンテナ端子つき |
オーディオ部
| 出力 | ダイナミックパワー 130W (8Ω 両チャンネル) 定格出力 50W×2 (8Ω) |
| ダンピングファクター | 50以上 (8Ω) |
| 混変調歪率 | 0.2%以下 (定格出力時) 0.15%以下 (1W出力時) |
| 高調波歪率 (1kHz) | 0.2%以下 (定格出力時) 0.1%以下 (1W出力時) |
| S/N | PHONO 70dB以上 AUX、TAPE 100dB以上 |
| 残留雑音 | 0.08μW以下 |
| トーンコントーロール | 低音 100Hz ±10dB 高音 10kHz ±10dB |
| ラウドネスコントロール | 50Hz +5dB、 10kHz +5dB (30dB減衰時)スイッチつき |
| 入力端子 | PHONO 2.1mV 47kΩ AUT、 TAPE 180mV 100kΩ REC/PB (入力) 180mV 100kΩ TAPE HEAD 1.5mV 200kΩ |
| 出力端子 | REC 160mV 15kΩ REC/PB (出力) 25mV 82kΩ スピーカ 4〜16Ω 2組 ヘッドフォン 8Ω |