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SONY TA-F5

 

 

形式

プリメイン

出力

70W+70W(8Ω) A,B

出力回路

純コンプリメンタリSEPP(コレクタ結合)

外形

410W、145H,370D 7.2kg

発売時期

1977

 

 

 出力メータにたくさんのつまみ、技術者(私もそうですが)の好みそうなデザインです。

大きな部屋でよほど効率の悪いスピーカシステムを使わない限り、真ん中まで振るのも難しいと

思いますが?

 このアンプの1番の特徴は出力回路だと思います。多くのコンプリメンタリSEPP回

路はNPNトランジスタのコレクタが+、PNPトランジスタのコレクタがー電源に接続され、

出力はエミッタからとるエミッタフォロアー型のSEPPですが、このアンプはPNPのエ

ミッタが+電源、NPNのエミッタが−電源に接続され、出力はコレクタから取り出されて

います。(回路図)←回路は海外用機種のものであるので、MM-MC切り替え回路やイコラ

イザアンプ部で一部異なる部分がある。

 

 下の写真のように、パネル・ケース共40年前の製品とは思えないくらいきれい。ST-A5

と共に、このタイプの製品は良いものが多いような気がする。前面パネルは厚さ5oもあ

るアルミ押し出し型材のアルマイト仕上げ、裏面パネルも全面アルミ合金ダイキャストで

強度が確保されているせいか?

 

 裏面

 

 金属カバーを取り除いた状態、左側のアルミケースはパルス電源。中央奥はパワーアンプと

整流回路。 AC電源はここで整流・平滑された後パルス電源回路(DC-DCコンバータ)で±45Vに

変換される。パルス電源回路は定電圧制御されているわけではないので、これで電源ハム成分

が少なくなるとは考えられない。

 中央前部はプリアンプ回路。

 

 入手した状態では電源回路の抵抗3個が焼き切れていた。この抵抗はSW-ON時の突入電流を

制限するためのもので、100Ωの抵抗を3個並列に接続し33Ωの抵抗として使用している。電

ON時はこの抵抗を通って平滑コンデンサを充電し、−45V電源が規定値になるとリレー接

点によりショートされるためその後はこの抵抗を迂回して電流が流れる。

 パワートランジスタのショート等により-45V電源に異常が発生するとリレーが働かず、

この抵抗に大電流が流れ続けるため焼損するようである。この個体でもPNPNPN型が1個づつ

ショート状態で破損していた。

 

 焼損した100Ω 3個は2次電圧が一定以上異常な場合に焼損して電流をカットする働きをして

いるようなので、元々付いていたものと同じものと交換するべきですが、手に入らないし特性

も分からないので入手し易い30Ω5Wのセメント抵抗と交換した。焼損時の特性が異なるので

異常時に基板上の周辺部品を傷めるかも知れない。このような回路は、本来電源SW投入後一

定時間後に切り替えるようにするか電流制限抵抗を保護する回路が必用である。後の機種(TA-

V7)ではこの抵抗をセメント型とし、直列に接続した温度ヒューズをその抵抗に張り付けた

ものも見られる。

 

 次の写真はパワートランジスタの押さえ金(片チャンネル)を外した状態。元々使われていた

トランジスタはTO-220型の2SA7712SC1986のパラレルプッシュプル。許容損失も耐電圧も規格

一杯(80/40)のもので、2個壊れていた。保護回路の不調で使えなくなったADCA-2080E

いうプリメインの2SA13012SC3280(160/120)に交換。

 交換したトランジスタは耐電圧に十分余裕があり、許容損失も交換前のトランジスタの3倍あ

るのでパラプッシュをやめてシングルプッシュに変更した。

 トランジスタの取り付けは銅板と熱伝導シートを挟みヒートシンク(裏面パネル)に押さえ金

具で挟み込むようになっている。PNPのコレクタとNPNのコレクタが電気的に銅板で接続される

ことになるが、コレクタ結合出力回路であるので問題ない。

 その他、ワイヤラッピングで接続されていた配線はコネクタに替え、それに伴って一部の配

線を基板裏側に変更した。

 

 パワートランジスタ部の拡大