SANYO STK417-120A
を使った4CHパワーアンプ
ケースはIDEALのFE2000,生産終了による在庫品をアウトレット価格で購入。操作部は電源SW
と左右のボリュームのみ。ロゴは百均で購入したホログラフシートをカッティングプロッタで文字切して
貼付。
手持ちのオーディオアンプが保護回路の不調で次々使えなくなったので自作しようとして購入したのが
SANYOのハイブリッドICのSTK417-120Aである。ずいぶん(5年以上)昔に購入したものであるがその
ままになっていた。秋月のHPを調べると今でも400個以上の在庫があるようであるが、製作記事は見かけ
ない。
チャンネルデバイダを使ったマルチチャンネルシステムを構築するため、これを2個使った4チャンネ
ルパワーアンプを製作した。
このICは入力電圧によって電源電圧を切り替え、通常使用される電力領域での発熱を減少させようとす
ることが特徴と思われる。メーカの推奨回路では最大出力の30〜50%位で電圧を切り替えているようであ
る。
裏面は左右2チャンネルづつ対象に入出力端子を配置。電源はアース付き3極インレットを使用。持ち
運びに便利なようにケース上面にはバンド式の取っ手をつけた。
内部右側面:フィンを内側に対向させた2枚の放熱器の上下に2枚のプリント基板を配し、下部は電
源整流平滑回路、上部の4CHパワーアンプ基板で囲み筒形の空間を形作っている。
電源トランスはTANGOのMG-200、友人から譲っていただいた自作アンプに使われていたものを分解し、
裁量した。回路図で分かるように、トランスのコイルは1組であるが、整流以降の回路2組作り、左右
のチャンネルに供給している。STK417-120Aの特徴である電源電圧切り替え機構は使用してない。推奨
回路ではMG-250とMG-200で高圧・低圧電源を別々に作り、高出力時に出力回路の電圧をMG-250で作られ
た高圧電源に切り替えている。切り替える出力をいくらにするかはICの5,6番ピンの電圧で調節できる。
内部左側面:前記筒形空間に強制的に通風するための静音ファンが付けられ、放熱器温度によって強制
的に冷却される設計となっている。
STK417-120Aの取り付け状態:熱伝導シートを挟みビス止め。
アンプ基板とボリューム:アンプ基板は両面パターンとなっているが放熱器と干渉するので、ICと電解
コンデンサ以外は反対面に表面実装状態ではんだ付けされている。茶色のキャラメル状のものは入力コン
デンサで2.2μFのマイラを使用している。
使用感
実際には保護回路等は実装しなかったので添付の回路図通りに作ってもうまく行くかどうかわからない。
保護回路なしではあったがアンプとしては普通に使え、満足できるものであった。本来なら測定して性能
を示すべきであるが、夜間の静かな環境ではボリュームを絞り切ってもノイズが気になること、3CHマル
チチャンネルシステムにしたいということもあってこの装置の検討はここまでにした。
ノイズの原因は部品の配置が悪いこと、電源回路のノイズ等が考えられるが推奨回路の定数ではゲイン
が大きすぎることも一因ではないかと考えている。通常プリアンプの出力は1V以上出せるので30dBもあれ
ばフルパワーが出せるはずで、推奨回路では45dBになっている。ゲインは負帰還回路の抵抗比を変更すれ
ば変えられるが同時に位相補償コンデンサの検討も必要になる。