“アフリカゾウ”を守るために・・ご支援有り難うございました。
ご支援頂きました皆様へ
先般は、アフリカゾウを密猟から守るための活動にご支援、ご協力頂きまして、誠に有り難うございました。
おかげをもちまして、今年度はカレンダーの収益金及び義援金が360,000円になりました。ひとえに、皆様の温かいお心の賜だと感謝しております。
このお金は、2018年9月17日、マサイマラ(ケニア)にて、直接、滝田明日香さんにお渡しし、今、活躍している8匹の密猟探知犬・追跡犬の衛生管理にかかる費用に役立てることになりました。
常に、多くのダニなど吸血昆虫に曝される環境下で働く犬にとって、バベシアやトリパノゾーマなどのコントロールは絶対に欠かせません。怠れば、直ちに発症し、一つ間違えれば、命に関わる問題に発展します。この衛生にかかる費用は、プロジェクトを推進する上で、欠くことの出来ないものとなっています。
現在、ケニアでは、イスラム過激派組織アル・シャバーブによるテロの影響で、観光客は激減し、観光収入は半減、その結果、観光収入に頼る密猟レンジャーの雇用も、それに伴い半分近く減員させられたそうです。
しかし、そんな中でも、ケニアでの密猟は減ってきているということでした。密猟対策に、追跡犬や探知犬を使う捜査が、密猟の抑止効果をもたらしていると考えられています。
また、ゾウと地域住民の共存をめざしてのミツバチプロジェクトは、気象の影響もあり、ミツバチがなかなか蜂蜜を作らないと苦戦を強いられているようですが、それでも、ゾウと農地を隔てるための養蜂を産業として成り立たせるまでと、精力的に取り組んでいます。
一方、ケニア政府は、昨年4月に密猟で摘発された象牙など126tを焼却処分しました。これで三回目となり、密猟に対しては、それなりの強い姿勢を見せているようです。
しかし、隣の国タンザニアでは、密猟が横行し、しかも、政府の役人までがそれに絡んでいるらしく、とても密猟を抑制出来るような状況ではなさそうです。世界で流通する密猟象牙の多くがここから流れていることも分かっています。
多くのアフリカの国々では、まだまだ自然環境の保全や野生動物保護に取り組もうとする意識は低く、世界から非難を浴び、密猟の取り締まりをせまられても、取り締まる側にモラルが欠如し、小手先だけの対策に終始し、実のある策が講じられていないのも事実です。
このままでは、ゾウを含む多くの貴重な動物が失われるだろうと危惧されています。
せめて、ゆとりある先進国の人々の力や智恵によって、密猟が抑制されるよう働きかける必要があります。
今や経済大国になった中国や東南アジアでの象牙の消費量は、とんでもない量に達しているようです。これを止めるのは、容易ではないと思いますが、もし、世界中で、どんな象牙製品も、全て流通させない仕組みが出来れば、密猟は抑制されるに違いありません。しかし、それが無理なら、近い将来、野生のゾウは、絶滅に一歩近づくことになるかと思います。
少なくとも、日本や中国のように密猟象牙が合法象牙として市場に流通してしまうような仕組みは、いち早く、是正されなければいけません。
今後も、この現状を注視し、象牙が流通しない社会を求めて、訴えていきたいと思っていますので、ご支援賜りますよう、お願い申し上げます。
ちなみに、今回もケニアでは、動物を観る傍ら写真も撮ってきました。とても良いシーンも写真に治めることができました。来年のカレンダーには載せたいと思っていますので、次回も、また、ご協力頂けますことを願っております。
今回は、本当に有り難うございました。
まずは、ご報告ならびにお礼まで・・
平成30年10月21日
宇野獣医科病院
宇野 哲安
|