小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2011/09/11

野麦峠〜開田高原 2011年8月

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乗鞍と御岳に挟まれた、野麦峠に開田高原。聞いただけでも涼しそうです。
ここ東海地方は今年も連日最高気温が35℃かそれ以上の猛暑。ひとときでも暑さを逃れるために行ってみよう。走行距離は100km弱で、最大標高差が750m。
日帰りする健脚の方々も少なくないようですけど、私の脚では無理でしょう。なあに、ゆっくり走って1泊し、涼んでくればいいのです。そう軽く考えて出発したのでした。

薮原〜野麦峠

真っ暗なうちに起き出して支度をします。空がだいぶ白んできたころに家を出発しました。暑くない。前日の雨の影響なのか涼しい。このまま出かけてしまうのがもったいないくらいなのですが、きっとすぐに暑くなってくることでしょう。
フロントギヤをアウターにしたまま、上り坂も快走、駅に到着して輪行作業を開始しました。時刻は5:30すぎ。いつもは乗降客がそれなりに多いこの駅も、静かです。
涼みに来たのか、何人かで談笑しているお年寄りの方々、部活動の中学生らしき面々と、車で駅まで送ってきた親たち。こういう早朝の雰囲気もいいものです。
20分ほどで作業終了、6:00前の列車に乗りました。エアコンが効きすぎて寒い。行楽に出かけるご家族の、小さな子供たちがバスタオルをかぶっていました。

名古屋駅で7:00発の特急しなのに乗り換えます。


自転車はデッキに置いて


乗客はまばら

8:30に木曽福島駅に到着。ここで降りて走り始めてもいいのですが、貧脚の私は少しでも体力を温存するために特急から鈍行へ乗り換えて薮原駅を目指しました。
鈍行列車はワンマン。初め、先頭車両の一番前へ輪行袋を置くと、運転手から「そんなところに置いたら邪魔だ、一番後ろへ持っていけ」と怒られました。車内がすごく混雑しているわけでもなし、どう見ても邪魔には見えないのですが、こんなところで言い争っても仕方ありません。輪行袋を担いで2両編成の最後尾へ行きました。
最後尾へ輪行袋を置いて気づきました。この列車はワンマン。運転手が集券作業をするのだから、降りるときは列車内を一番前まで歩いていかねばなりません。走行中の揺れる列車内を、輪行袋を担いで先頭まで歩くのは至難の業です。発車する前にまた袋を担いで先頭付近へ移動しました。

列車は定刻通り9:22に薮原に到着。この駅で自転車を組み立て始めたところ、一人のおじさんに話しかけられました。街道歩きが好きな方で、中山道をはじめ、主要な街道はすべて歩き尽くしたとのこと。この辺りに親戚がお見えで、この後東京に戻るのだそうです。「自転車での旅、いい趣味だね」と羨ましそうでした。こういう他愛無い会話も、旅では楽しいものですね。

9:50前に駅を出発。駅前の通りを抜け、県道26号へ入ります。


駅前の通り


1番目の境峠へ

最初は快調に走っていましたが、小木曽を抜けるころには本格的な上りが始まりました。最もキツかったのは峠の手前7Km〜3kmぐらいの区間。あとで確認したら約8%程度の上りだったようです。ここはまだ1つ目の峠。快調に走れてはいますが ここで消耗してはいけません。フロントギヤをローに落とし、ゆっくりと上っていきました。

1時間程度で峠に到着。途中から小糠雨だったのですが、それは峠の上でも同じ。先は長いため、ここで休憩し、おにぎりを食べてエネルギーを補充しておきます。


境峠


塩羊羹も食べます

もう少し休憩したかったのですが、雨がやや強くなってきました。雨具を着込むかどうか迷いましたが、進行方向からこちらへ、峠を上ってくるオートバイたちが雨具を着ていないことから、そのまま下り始めました。寒い! 汗と雨で濡れそぼった体で下りを飛ばすと震えてくるほどです。体感温度15℃以下。ウインドブレーカーを着込んでも寒い。

奈川まで下りきって、県道39号に出ると雨は止み、気温も上がったように感じました。


いよいよここから本日のメインディッシュである2番目の峠:野麦峠へ向かいます。
時刻は11:30すぎ。県道39号(野麦街道)を神谷〜保平と快調に走ります、が、脚が回らず、あまり力も入りません。
 原因1:境峠からの下りで冷えたから。じきに復活する。
 原因2:実は境峠で脚力をほぼ使い切ってしまい、貯金が無い。
消耗しないよう、慎重に走ったのだ。原因2ではないに決まっている。そう自分勝手に思い込みつつ、先へ進むとオートキャンプ場あたりから本格的な上りになりました。
最大斜度約7%、標高差はさっきの境峠とほぼ同じ567m。それなりにキツイ。境峠では途中で一度も休憩しなかったのに、ここでは何度か休憩を入れる状態になりました。
でも虫や野鳥の声が楽しい。ニイニイゼミと、ヒグラシの、大きすぎない声も夏らしくていいものです。


本格的に上っていきます


雪室

特に野麦峠旧道入口からは急激にキツくなり、10分に1回休憩を入れる有様に。
脳内の脚力残量警告灯が激しく点滅しています。


旧道入口


まだまだ上ります

ようやく展望台に到着しました。
晴れ渡っていれば、ここから乗鞍が見えるはずなのですが、雲が多くて見えません。まぁ、次回に期待しましょう。いつになるかはわかりませんけど...


バカは高いところが好きw


野麦峠到着

展望台から先は勾配が緩くなり、それまでとは打って変わってペースよく走れました。ははっ、勾配がキツくなければいけるのです。
まもなく野麦峠に着きました。時刻は13:00すぎ。本日のメインディッシュ終わりました! もう体力が無くてヘロヘロですけど、あとの峠はたいしたことないはず。
ここでゆっくり休憩していきましょう。疲れきってあまり食欲は無いけれど、ともかく峠のお助け小屋で腹ごしらえです。


お助け小屋


そば定食

                     (野麦峠〜開田高原へつづく)