小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2010/06/20

大井川ツーリング 金谷〜千頭 2010/6月

近所の自転車店で 昨年に続きツーリングのお誘いをいただきました。
昨年淡路島ツーリングに参加し、とてもメンバーの方々の走りについていけないどころか、大幅にゴールが遅れた私。
今回はUP-DOWNが随所にあるコースだし、よけい無理でしょう、そう思っていたところ、店長のMさん 「大丈夫だよ。なんたって、オレ金谷駅から輪行して千頭まで行っちゃうもん」
そうだ、今回は輪行という手が使えるのです。もし途中でくじけたら、どこか近くの駅で輪行し、大井川鉄道で のんびり移動すればいいのです。
決まりです。体力無くてもいいのですから。
こうして再び大規模サイクリングに参加したのでした。


今年は梅雨入りが遅れたとはいえ、天候が心配でしたけど、なんと当日までが晴れときどき曇りで、翌日から雨で梅雨入りという絶妙な予報。きっと日ごろの行いがいい参加者ばかりなのでしょう。

夜明け前、近所のコンビニで待ち合わせ、Iさんの車に自転車を載せていただき、出発しました。今回は職務質問されませんでしたよ。

早朝にもかかわらず交通量が多めの東名高速を東へ。
それでも流れはスムーズ、順調に牧の原へ到着し、東名を降りて余裕たっぷりの時間に金谷駅近くの大井川河川敷に到着したのでした。

上空に厚い雲が広がっているのを気にしつつ自転車を組み立てていると、そこへパラパラと雨が... う〜ん、予報通りにはいかず、降られることを覚悟するか... まあ、寒くはないし、多少降られてもいいや。

参加者約30人全員が揃い、幹事から説明を受ける頃には部分的に雲が晴れ、日差しが出るまで天候が回復してきました。

準備
自転車を準備して

出発
8:00に出発!

私は迷わず最後尾グループです。そう、いきなり走り始めました、輪行せずに。
金谷駅から輪行するプランも十二分に魅力的ではありましたが、走る行程が半減してしまうのも、それはそれでもったいないことなのです。たとえ体力が無くてもいいじゃないか、行けるところまで行こう、ダメになったら輪行すればいいんだし。
しかし幹事から遅くとも11:00には千頭集合と告げられました。千頭までUP-DOWN豊かな約45km。途中の休憩込みで平均15km/h。皆さんにとっては楽勝でも、私にとってはハイペース。不安だ...
そこへAさん、「え? 輪行袋なんか持ってくのか。ダメだよ、輪行しちゃ。行ける行ける」
はぁ... 上れない坂はない、と豪語するAさん、わかってますよ、行きますよ...

大井川橋
大井川橋

下泉橋
下泉橋を渡ります

うう... ちょっとキツイ。体が、足が思うように動かない。最後尾グループといえど、私にとってはのんびりペースではありません。神座を過ぎて鵜網に差しかかると早くも最初の本格的な上り。そして最初のトンネル。
トンネル内で車に抜かれるときもストレスですけど、背後から大型車両が迫ってくる音を聞きながら、暗がりの中を落ち着かずに走るのも、いいものではありません。

それでも走り始めてから30分も経つと体が上気し、足が回るようになってきました。これなら、ひょっとして行けちゃうかもしれません。天気も良くなってきたし、山に挟まれ、蛇行しながら流れる大井川を見ながら走るのもいいもんです。

しかし皆さんあまり休憩せずに走り続けます。止まるのはたまにある信号待ちぐらい。笹間度の道の駅でも一瞬止まりかけましたけど、結局誰も止まることなく走り抜けてしまいました。
なんだかサイクリング、というよりもトレーニング的要素が強いような...
旅気分も ほとんどありません。道中 写真撮ってる余裕もないです...

もう何本目になるでしょうか、上りでペダルを踏む脚に、急に異変が訪れました。右足がプルプルし始めたような感覚。マズイっス。こんなところで。まだ往路の半分くらいだというのに。こんなところで脱落するわけにはいかないのです。前車についていくのをやめ、しばらく止まった後、右足をかばいつつ、ごまかしつつ、走り出しました。

下泉駅を横目で見ながら、輪行したい気持ちをぐっとこらえ、下泉橋を渡り、中川根町のコンビニでようやく最初のまとまった休憩をとりました。自転車乗りは体が資本。おにぎりを2個、半ば強引に口に押し込み、他のメンバーより大幅に遅れて再出発しました。

休憩
私は既にバテてます

出発
輪行組はこの列車の車中

徳山で踏切を渡り、大井川右岸の県道を上っていきます。ええ、もうフロントはインナーに入っちゃっています。足をかばいつつ走っているうちに、既に体力が尽きてきちゃったようですので。

まだ上りは続きます
上りではもうヘロヘロの私

到着
ついに到着しました!

その場にへたりこんでしまいたい気持ちをこらえつつ、上って下って、下っていても足が固まってしまいそうな感覚に不安を感じつつ、それでも橋を渡って、とうとう着きました! 千頭駅です!
時刻は10:30。ここまで休憩込みで平均約18km/h。
苦しかったけど、自分ではよく走ったほうだと思います。
しかし先頭集団は平均29km/hだなんて、私には想像できませぬ。

バテていて、それほど食欲が無かったのですが、ともかく川根茶のソフトクリームを食べ、駅のとろろそばを流し込みました。バテたからといって、ここから輪行して帰るのは惜しい。実に惜しい。やっぱりもう少し走ろう。UP-DOWNばかりだけれど、往路よりは復路のほうが下りが多いんだから。

そば
とにかく食べないと!

復路へ
さあ、来た道を戻ります

復路は比較的ペースのゆるやかな輪行組と走り出しました。
青部の上りがさっそくキツイ。が、遅いペースなら何とか走って行けるみたいです。
中川根の道の駅を過ぎて しばらく止まった後、また走り出し、往きに休憩したコンビニには止まらずに通過、下泉の駅を過ぎる頃には、私の脚がこの日の営業を終了したようです。もう力が入りません。横郷の上りも前車から大きく遅れ、惰性で上っていきます。

塩郷の吊り橋のたもとに たどり着くと、その場にへたりこんでしまいました。
もうダメです。脚が動きません。
たまたま側の線路を通りかかったSLを撮影するのが精一杯です。

SL
SLだ!

SL
すぐ先の駅で輪行するか...

すぐ先には塩郷の駅。
「そこで輪行しますか?」
最後尾の面倒を見てくださるTさんの言葉に気持ちが揺れましたが、走ることにしました。まだ時間はあります。塩郷駅でなくても地名駅、いえ、その次の笹間度駅にでも、とにかく行けるところまで行こう。

ドーピング?
ゼリーにすがるも...

もうダメか
とっくに私の脚は終わってます

私の脚はとっくに店じまい。閉店後の片づけ的な感触で、上りになると さっさとフロントをインナーに入れて、極端に遅いペースで進んでいきます。
やはり私にはフロント3枚が必要なようです。でも昨年とは自転車が違い、クロモリフレームの恩恵か、脚が終わっていても上半身はまだちょっと体力が残っていて、笹間度の道の駅にも寄らすに通過しても、不思議と前へ進むのです。

こうなったら、時間がかかってもいいから走ってやる。
もはや景色を楽しむゆとりなどゼロでしたが、ガマンして上りをやり過ごし、トンネル内で次々と車に抜かれる恐怖にも鈍感になりつつ、鵜網の地名を目にすると、後は秒読み気分でした。神座、渡口。
道中、伊太和里の湯という温泉施設の案内板を目にして、ああ、私もいたわってほしい、と余計なことを考えつつ、国道1号線を過ぎ、...  ついに到着しました!

帰還
戻ってきました

夕食
このために走り通したのです!

走り終えてみれば復路は途中の休憩込みで正味約3時間。平均約15km/h。
私にしてみれば予想外にいい数字でした。
もっとも先頭集団の復路平均が約31km/hだったそうで、“帰りはパワー解放した” とか… 別世界のお話です。

自転車を車に積み込み、焼津の宿へ移動、温泉に入って休息した後は、おまちかねの夕食です。
ああ、なんてビールがウマイんだろう!!
このために、ただこのために全行程を走り通したといってもいいでしょう。参加者どうし歓談しながらの、海のもの中心の食事、こんなひとときがたまりません。

終わってみれば天気も良く、トラブルも一切無く、予定よりも早めに事が運んだのも、しっかりとした計画を立てた幹事のおかげですし、くじけそうになる私に、最後尾でずっと付き添ったくださったSさん、Tさんには本当に感謝しています。


翌朝、宿近くの漁港を散策。こういう静かな朝もすばらしいです。

漁港
漁港の朝

小石川
小石川

帰路も快く車に乗せてくださったIさんにも 大変お世話になりました。
体力をつけると楽しそうですし、いろんなイベントのお話も興味深かったです。

もうこりごりだなんて全然思っていません。もう少し体力をつけよう。
でも週イチくらいのペースで通勤、たまに長距離といった今のペースだと これ以上の脚力がつきそうに無い...


昔々ちょこっと乗った経験もあることだし、ローラー台買おうかな...
                          (おしまい)