しまなみ海道〜四万十川〜高知 2011/10月
しまなみ海道(1日目) >今治街道(1日目)
昨年に続き、近所の自転車店からツーリングイベントに参加しないか、とのお誘いを受けました。今年は以前開催して好評だった、しまなみ海道とのこと。参加者はなんと50人もの大所帯。
ゆったり走るのが好き、しかも集団行動が苦手な私は、ギリギリまで迷いましたが、せっかくの機会です、参加させていただくことにしました。
でもしまなみ海道を走ってそのまま帰ってくるだけではもったいない。この機会に四万十川や土佐湾にも寄ってしまおう、そう考えて勤務先に無茶を言って仕事を休み、行ってきました。
しまなみ海道(1日目)
出発は前夜。
支度を整え終わったのに、夕方から何となく落ち着かないのは、激しく降った雨のせいだけではないような気がします。夜になると幸いにも雨は止みました。
「はたぼうさんは集合時刻21:30の少し前に来て、それから輪行すればいいよ」自転車店の店長にそう言われていた私は、馬鹿正直に21:20ごろ、荷物満載の自転車で店に到着しました。
店は異様な熱気に包まれていました。私を除く参加者全員50人が既に集合しているばかりか、荷物の準備も完了し、大型バスへ乗り込むところだったのです。出発予定は23:00だというのに、この高揚感はすごい。夕方以降落ち着かなかったのは、もしかしたらこの高揚感に影響されたのかもしれません。
まだ集合時刻になっていませんでしたが、なぜか半分申し訳ない気分で受付を済ませ、バスへと向かいました。バスのそばの暗がりで輪行作業をしてるのは私だけ。他の参加者は全員輪行作業が終了し、バスへの積み込みを待っています。
「なんだ、こんなところで輪行するのか? あらかじめ済ませておけよ」見知らぬ人から嫌みを言われました。なんか私は場違いだったかな、そう感じながら手早く自転車を輪行袋に詰め込み、作業を終わらせました。
以前の私だったら、早くその場に馴染もうと、一生懸命気を使い、参加者の会話に積極的に参加していたことでしょう。でも今は違います。私は所詮団体行動向きではないのです。放っておこう。場違いなら場違いらしく、少し距離を置いておけばいいのさ。
大型バス2台は、予定より早く出発しました。完全に止んではいない雨の中を、バスは西へ。深夜0時をまわると車内は消灯されましたが、なかなか眠れない。時折雨が窓ガラスを叩きます。まぁ、眠れなくてもいいのです。乗るのは自転車だし、たいしたことないコースだし。
細切れにウトウトし、合計2時間は眠ったでしょうか。バスはおよそ2時間おきに休憩を取りながら、4時に福山SAへ到着。ここで朝食を摂る。といっても4時です。胃腸がまったく動いていません。きつねそばを食べるのが精一杯でした。
尾道には6時前に到着。
さっそくバスから自転車を降ろし、暗がりの中、組み立てます。
夜が明け、明るくなってきたころ、幹事から集合がかかり、簡単な説明の後、めいめいに地図や通行券が配られました。
いよいよしまなみ海道サイクリングのスタートです。
渡船乗り場前で記念撮影をしてから渡船へ乗り込み。しかし50台集まると壮観な光景です。渡船がサイクリストでぎゅう詰め状態なのも異様な光景です。知らず知らずテンションが上がるのもわかる気がします。
渡船乗り場
船上も妙な熱気
ほどなく渡船は向島に到着。参加者は三々五々連れ立って走り出していきます。
さて、私にはここで忘れてはならないことがありました。えっと、小さいほうではなくて大きいほう。いきなりこんな話ですみません。でもここを逃すとトイレがしばらく無いかもしれないのですから、恥ずかしがってる場合ではないのです。
しばらく順番を待って入った渡船乗り場のトイレ、入口には男女両方のマークが掲げてあったのに、ひとつしかない個室のドアには女性のマークだけが表示されていました。ええーっ、そんな... すでに準備万端、いえ、出口寸前でスタンバってるものを無理やり元に押し込めるなど、不可能です。な、なるべく早くしよっと。さっさと済ませてスッキリした私は、気分爽快にスタートしたのでした。
天気は曇り。風が気持ち冷たいですけれど、暑くなく、走るには絶好のコンディション。早朝の向島を快調に走り抜けていきます。穏やかな内海がすばらしい。
向島西側
因島大橋
因島大橋を渡って、少し内陸へ入ると、そこだけ急坂。荷物満載の私はすかさずフロントギアをローに落とし、ゆっくりと上りました。
フラワーセンターの前を下っていくと、海岸沿いに出ました。
コンビニで休憩
生口島橋へ
もう次の生口島です。やはり一人旅と違ってペースが早め。まぁ、これはこれで一人旅には無い良さがあるので楽しみながら走っていきます。海沿いをそれると少し向かい風になり、疲れも感じ始めたのでちょっとだけペースを落としました。
途中、しおまち商店街でいい匂いにつられて停車。
しおまち商店街で
ビーフコロッケを
揚げたてだからおいしいのは当たり前ですけれど、中身がまたウマイ。おそらく中身を作り置きしていません。しっとりと、保存料など余計なものが無く、ジャガイモの香りも感じられ、これだけで少し元気になりました。
多々羅大橋を渡り、大三島の道の駅:多々羅しまなみ公園で休憩、おやつにみかんソフトを。ところどころでこういう、つまみ食いをしながらの旅っていいですね。
さて、次は伯方島を目指します。
大三島橋を渡り、伯方島を走るうち、だんだん疲れが出てきました。あまり脚に力が入りません。さっき休憩したばかりなのに、もう次の休憩が待ち遠しい。やっと着いた道の駅:伯方S・Cパークで大休止。
バラバラに走っていた参加者たちが、ここである程度のまとまりになり、最後の島:大島へ向かいました。私たちが目指したのは、ウニ丼がうまいという宮窪の店。ロードバイクの参加者たちはケタ違いのスピードで大島大橋へのアプローチを上っていきます。私はツーリング車。焦ることはない、ゆっくり上っていきます。
しかしやはり体はバテてきていて、ペースダウンを余儀なくされながら、お目当ての店に到着しました。ところが、この店、今日は夕方から営業だそうで... せっかくだから、という参加者たちは、ルートから1.5kmほど外れた、村上水軍博物館近くの店へ行くことを決めました。すでにバテてきていた私は、片道1.5km、往復3kmですらルートから外れたくはなかったのですけれど、この先食事できそうな店がほとんどなことから、集団についていきました。
海鮮丼\900は内海らしくタイ。シンプルだけど、いかにも地の物らしく、疲れた体に染み込むようなおいしさでした。
ゆっくり食休みをしたほうがよかったのかもしれませんが、ここで強烈な眠気が襲ってきました。無理もない、睡眠不足に加えてこれだけ運動しているのですから。私の体が、回復のために眠れと言っているわけです。
しかし、ここで寝ている場合ではありません。一人ではないのだし、そもそもゴールのサンライズ糸山への到着タイムリミットが14時と決められており、あまりゆったりしているわけにもいかないんです。
バテているせいで、この先の上りでは極端なペースダウンが予想された私、早めにスタートしました。心配していた大島の上り坂でしたが、まずまずのペースで上っていけます。どうやらさっきの海鮮丼が効いています。鮮度の高い食材のおかげですね。
道の駅:よしうみいきいき館で休憩。
ここまで疲れていると、松山まで自走では行けないな。無理することはない、今治から輪行して電車に乗ろう。
最後の橋:来島海峡大橋へ向かいます。もう力尽きてしまうかと冷や冷やした橋への上りもクリア。橋の上はTV局のロケで一時通行止めでした。解除されて再スタート。
来島海峡大橋は長い。そしてだらだら上る勾配が意外にしんどい。脚に力が入らなくなっている私にはキツかったです。それでも何とか橋を渡りきり、ゴールのサンライズ糸山へ到着しました!
ここまで約80km。たいしたことはないとナメてかかっていましたが、こうして走ってみるとずいぶんと走り応えがあることに、今さらながら気づきました。
幹事の方々、ショップの店長、今日は大変お世話になりました。このようなイベントに誘ってくださってありがとうございます。また、生口島橋からずっと一緒に走ってくれたSさん、本当にありがとうございました。今回、脱落しかけることもなく走り通せたのは、Sさんのおかげだと思います。
私以外の参加者はサイクリング終了です。ここから往路同様、大型バスに乗ってお帰りなのです。きっとバスがスタートしたらゴールの余韻もそこそこに、熟睡してしまうことでしょう。