小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2016/11/20

佐世保〜平戸〜唐津 2016年11月

  1日目 >2日目

本来であれば前年に訪れるはずだったのですが、直前に自転車で交通事故に遭い、行けなかっただけに、楽しみにしていた旅でした。
というよりも、そもそも無事に旅に出ることができるのかどうか自分でも半信半疑なところがあって、それだけに嬉しさも倍加しつつ出立を迎えたのでした。

1日目 自宅→ 佐世保

幸いにも旅行中の天気予報がずっと晴天で安心していたら、前日になって天気予報が暗転。当日は雨の予報で、しかも朝を中心に、まとまった量が降るらしいとのこと。出発が雨だなんて、出鼻をくじかれたようで少し凹みます。町内のソフトバレーで足首を負傷、電車とバスで移動する予定の妻に、ダメモトでお伺いを立ててみました。
 私「ねー、ザーザー降ったら困るから、朝タクシー呼んでもいい?」
 妻「何言っとるのー。走っていきなさい。」
ハハ、そうですよね。聞くだけムダでした...

雨は前夜に降り始め、しかも夜中にドーっという豪雨一歩手前の音で目覚めました。なんだよ、困るじゃんか。
最寄り駅まで数km、雨具を着て走ればいいだけのことですが、駅に着いた後にずぶ濡れの雨具をそのまま収納するのに気が引ける。きっと旅の間は使うことが無さそうなのに。そんなことをチマチマ考え始め、己の器の小ささに嘆息しつつまどろむうちに夜が明けました。一時ほどではないものの、ザーザー降っております。
そうだ、携行雨具を使わなくていいように簡易雨具をこさえよう。居住地指定のゴミ袋を避け、昔々自転車旅に重宝した黒のゴミ袋を引っ張り出し、ハサミで頭を出す部分を切っていきます。切りとった部分はヘルメットの内側にセロテープで止めて、さらにもう一枚のゴミ袋を下半身用に加工しました。
あれ?凹んでいたはずが何だか楽しい。

「わー恥ずかしい! ご近所に見られんといてよ」と妻。
上下ゴミ袋で固めた姿はゴ○ブリのごとく異様な姿。齢51にもなって私はいったい何をやっているんだろうと我ながら呆れる始末です。発想が中高生のまま、全く進歩がありませんね。
少々テンションが上がったまま、雨の中をスタート。
コケないよう慎重に、通学の高校生たちにブチ抜かれつつ最寄り駅まで走りました。大いに役立ってくれたゴミ袋をすぐに脱ぎ、続けて輪行作業。濡れて汚れた車体を拭きながら、それでも25分ほどで作業終了しました。
電車に乗り込むと、通勤時間帯を少々外したはずなのにだいぶ混雑しています。途中の駅で多くの乗客が乗り込んできてすし詰めに近い状態に。「雨だで混んどるがや」年配の乗客らしいぼやきが聞こえます。幸い先頭車両の壁際に立つことができたので自転車を収納した輪行袋が潰れる心配はありませんでしたが、背後から押される圧力にたまりかね、壁へ手をついて耐えました。昨年事故で傷めた右手首が痛む。
皮肉にも雨は上がり、時折晴れ間がのぞくように。
私はたいていタイミングが悪い。雨だって出発時間をちょっとずらせば避けることができたかもしれません。いや、それでもきっと避けることはできなかったことでしょう。避けられない不運というものがある。後で考えると不運ではなかったのかもしれない。人生とはそうしたものだと思います。
名古屋駅で降車、新幹線へと乗り換えました。
新幹線の乗車率は100%、ビジネスマンで満席のまま京都と大阪を過ぎた後、岡山で急に空席が目立つようになり、広島からは乗客の姿がほとんどなくなってしまいました。閑散とした車内に、秋の寂し気な日差しが斜めに差し込み、まるで地方の赤字路線のごとき様相が山陽新幹線とはミスマッチに思えます。


博多で乗り換え


佐世保駅で自転車を組み立て

博多駅で在来線の特急みどり号へ乗り換え、夕方に佐世保駅に到着。さっそく自転車を組み立てます。北風が冷たい! 翌日のサイクリングが少々不安になるほど。

風情あるトンネル横丁のお店をめぐると干物もかまぼこも肉類もどれもおいしそう。近くの大きな商店街はそうでもない印象だったことが意外でした。

夕食はご当地グルメの佐世保バーガーを。きちんと手作りされている味で、ベーコンをはじめ、良い材料を使ってあり、クドくなく食べやすい。私の好みです。


ベーコンエッグバーガー


良さそうなお店がたくさん

大きな通りを外れると、良さそうなお店が並んでいました。名物のレモンステーキも割安で食べれそう。いつかまたゆっくりと来たいと思います。

この日は¥3,500/人(税別、2016年11月)という格安旅館に投宿。建物は古くとも、部屋は広く洗面所もトイレも備わっていました。駅からも近く良いところです。