小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2023/05/28

旧中山道 木曽から美濃へ 2023年5月

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2日目 恵那→ 可児→ 鵜沼→ 自宅

昨夜は冷えました。手足が熱かったので、油断して薄着で寝たら、夜中に体が冷え切っていて目がさえてしまいました。恵那市の最低気温が 4℃だったそうです。


朝食をしっかり食べます


県道421号を西へ

朝食は和定食。ごはんがありがたい。そして負担の少ないおかず。一見簡単なおかずに見えますけれど、体を使うときは脂が少なく消化の良いおかずが良いのです。
7:30にスタート、寒い。道路脇の温度表示は9℃でした。国道19号線に合流すると、ちょうど中学生たちが自転車通学の途中でした。上り坂が続き、女子はほぼ全員押しています。この春の気候で押しているのですから、毎日の通学、特に真夏や真冬、大雨や強風の日はさぞかし辛いことだろうと想像します。根性のない私なぞ仮病でサボりまくりだと思います。
国道19号を逸れ、竹並から県道421号線を快走します。この日も西の風が4m以上になる予報、まだ風が弱い午前中のうちにできるだけ距離を稼いでおきたい。

釜戸から県道65号線へ、国道19号をまたぐといきなりの激坂! 以前2〜3回オートバイで走ったことがある道ですが、こんなにキツかったっけ? 馬籠峠とは比較にならないキツさです。まだ体力のある朝の時間帯なのに、持てる体力を使い果たし、たまらず途中で休憩。まだ漕ぎ始めるも続かずにすぐ休憩。体感的には一部15%以上あるかのような急勾配です。


キツイ上り坂を踏破!


大鍬宿でひと休み

急勾配は長く続かず、30分ほどで上りきることができ、助かりました。脚も腰も腕も、もう限界です。大湫(おおくて)宿に寄り、休憩します。声をかけてきたおじさんが、神明神社の大杉が災害に遭ったことをおしえてくれました。2020年7月の豪雨災害で大木が根元から倒壊したとのことです。どれだけの恐ろしい豪雨だったのでしょう。今は平和なこの地区からは想像もつかない気象だったのですね。
大湫宿からは静かな旧中山道を西へ、木々の中を快走、ですが豪雨災害の爪痕なのでしょうか、広範囲に伐採跡が見られるところもありました、数多くの木々が倒壊したのかもしれません。周辺にお住まいの方々は、災害時は生きた心地がしなかったのかもしれません。

道路上に小さな丸っこい動物を見かけた、と、すぐに道路わきの林の中へ走り去りました。野ウサギかと思いましたが、道路わきからこちらを窺っている様子からして猫のようです。近くに人家はありません。100%野良でしょう。でもエサやねぐらはどうしているのでしょう。元気に過ごしているといいのですが。

弁財天の池を過ぎ、細久手宿を通過、後は下りばかり、豪快に下っていきます。向こう側からクロスバイクを押してくる男性とすれ違いました。道中、初めて見かけたサイクリストです。旅支度の荷物ではなかったように見えましたが、お互い無事に走り通しましょう。
急勾配もあって、決して楽しくはない下りを、飽きるほど下った先に国道21号線とぶつかり、国道を避けて可児川沿いへ。もう山間部はなく、あとは平地中心。緊張が緩んだのか急に腹が減ってきました。
午前10時過ぎ、運よく喫茶店らしき店舗を発見! 一見さんお断りかのような独特のたたずまいでしたが、思い切って入ってみます。ご高齢らしい店主が「コーヒーだけ? コーヒーだけでいいか?」と半ばぶっきらぼうに聞きます。「コーヒーだけで」と答え、やや狭い店内の椅子に座りました。
私のこれまでの経験上、接客が丁寧ではないお店は悪いお店ではありません。むしろ小細工が無く、実直なお店が多数派だと感じています。
供されたホットコーヒーには、モーニングセットが。


偶然見かけた喫茶店でひと休み


モーニングセット¥300税込!

ご高齢の店主と思いがけずたくさんお話をさせていただきました。個人情報が多く、ここに書けませんけれど、店主の半生をお聞きする中で、私の少年時代と居住地が被ったこともわかり、私の父親世代を連想します。生きることはなかなか難しい。ご家族のことも含め、とても赤の他人には思えませんでした。
おそらく来店する客は100%近所のシニア層。ネット情報は皆無ですが、こうして偶然の出会いがあることに感謝です。自転車で走らなければわからないでしょう。
ホットコーヒー+モーニングセットで¥300税込という破格に加え、途中で飲んで、とお茶のパックまでいただきました。本当にありがとうございます。これからもお元気で。

店主が丁寧に教えてくださった、可児川沿いの道をしばらく進み、御嵩駅近くから国道21号バイパスを走ります。向かい風ながら、何だか元気が出たのか、時速25km/hほどでしょうか、疾走しました。
バイパスを逸れて可児市街へ。迷わないよう事前に調べておいたお店を目指します。


可児市内でお昼を


ポークのたまり焼き定食が疲れた体に沁みる

正午前にお店に到着。ガテン系兄ちゃんたち、おじさん、地元の主婦らしきご婦人連れ、仕事中らしき女子おひとりさまが次々に入っていきます。間違いないお店の証左ですね。
少しでも元気を出そうと選んだポークのたまり焼き定食。(¥880税込)やはり旨い!! 疲労の溜まった体に、やや塩気の多い味付けが効きます!

午後は可児市街を離れ、木曽川は太田橋を渡り、太田を通過して川沿いのロマンチック街道を快走しますが向かい風がキツイ。ペースが落ちつつも、坂祝からは国道21号の旧道を激走。岐阜まで30kmの表示を目にしたときは、気分的には走りきれそうでしたが、ここは冷静に判断し自重します。


木曽川沿いのロマンチック街道を快走


新鵜沼駅から輪行しました

旅の終わり、鵜沼に着きました。少しゆっくりしたいところですが、落ち着けるお店は周囲になさそう。少々走ってコンビニでコーヒー休憩、名鉄新鵜沼駅から輪行、最寄り駅で自転車を組み手てて帰宅しました。この日は約60kmを走行。2日間で約100kmです。鍛えておらず鈍った体にはキツかったですが、旧道沿いの人々の暮らしを感じたり、予想外の展開や予想外の出会いがあって、いい旅だったと思います。
                           (おしまい)