小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2014/11/16

しまなみの島々 2014年10月

  1日目 >2日目

たいしたことはしていないものの、日ごろ経済活動を行って生計を立てている身でありながら、相変わらず経済社会に馴染めない己の不器用さにげんなりしてしまいます。経済活動に没入してしまえばいいのに世間での立ち振舞いがわからず、娑婆との狭間で裂傷が生じ、摩滅していくような気さえします。
今年も無理を承知で休暇を願い出ました。なぜこの時期なのか自分でも理解に苦しむのですが、とにかくささくれた心の安息と開放が必要なのです。

1日目 自宅→ 竹原→ 大崎上島

好天だという天気予報を確認してから旅の日取りを最終決定したのですが、前日夕刻から天気予報が暗転、急に降水確率が50%に跳ね上がりました。当日朝の予報では昼ごろから降るようなことを言っていたのに、いざ出発するころに本格的に降り出しました。とかくこの世はままならぬ。
最寄り駅から電車に乗ることもあり、雨具を着ずに出発しました。濡れた雨具の持ち運びに困りますので。走っているうちに着衣も荷物も濡れて重くなっていきます。同じく自転車で同行する妻も濡れ鼠となり、テンションが下がっていく中、最寄り駅に到着。幸い自転車の泥はねが少なく、輪行作業がスム―ズにできました。
電車に乗るとなぜか雨が止み、晴れ間すらのぞいてきました。ははっ、私の人生、こんなものなのです。
名古屋駅で乗り換えの際、名鉄から新幹線ホームまでの移動が長く、いつも難儀するのですが、今回は輪行袋の重みが少なくてラクに感じました。長距離/旅用の自転車をAnchor C9から、RALEIGH CRNに替えたことで2kgくらい軽量化になったことが大きいようです。

新幹線の車内は完成度が高く、移動空間としては快適なはずなのになぜか居心地が悪いように感じてしまいます。ほぼ満席状態だからかもしれません。乗客が多いのに不釣り合いなほど静かだからかもしれません。京都や新大阪で乗客がどっと降りた後、少々落ちつきましたから。
岡山駅でこだまに、三原駅からJR呉線へと乗り換えます。ローカルな風情を醸す呉線は穏やかな瀬戸内海沿いを進み、ときに海と崖に挟まれた自然豊かな区間を通っていきます。
竹原駅で降車した私たちは自転車を組み立てると竹原港へと向かいました。


岡山でこだまへ乗り換え


竹原駅をスタート

駅から数分でフェリー乗り場に到着し無事乗船。本土を離れて大崎上島へ。


フェリーへ乗船


大崎上島を走行開始

のんびりした歩みのフェリーが大崎上島の垂水港に接岸、いよいよ島々のサイクリングスタートです。

ここ大崎上島は本土と橋でつながってないせいもあるのでしょう、のどかな空気に溢れ、離島情緒が味わえます。交通量も少なく、自転車にとって走りやすい。こうした島々を旅するには四輪やオートバイではなく、自転車が一番のような気がします。
しばらく走って大崎地区へ到着。看板の類が極端に少なく迷いましたが、カフェを見つけて休憩することに。


カフェで休憩


ワッフルもジャムも手作りの味!

この島では民泊の高校生を受け入れていて、この日も埼玉県の高校生が泊まっているとのこと。昨年訪れた周防大島に似ています。でもこの大崎上島では農業のみならず、シーカヤックなどマリンスポーツも盛んで、やることはたくさんあるそうです。なんと恵まれた高校生たちでしょう。もっとも当の高校生たちはスマホ片手にLINEをやっていることが多いと、カフェの店主がボヤいていました。
居心地が良くて眠くなってしまった私たちはカフェを後にして近くの大西港を見学。離島ではありますが、安芸津方面への便がたくさん出ていて、本土と密接につながっていることがうかがえます。 この日の走行距離:約12km。


大西港


特盛食堂じゃなかった徳森食堂

ここ大崎地区の民宿へ投宿。「観光民宿やないけん、お客は造船関係の人たちで野郎ばっかりじゃ」とは大将の言葉。シンプルで良い宿ですよ。
素朴な夕食がすばらしい! もちろん完食いたしました。


大崎地区の民宿へ


素朴な夕食

TVではこの日、大規模国際イベント「サイクリングしまなみ」が開催されたことを報じていました。数千人規模の大人数が、このイベントのために貸し切りにされた高速道路を併用しつつ、愛媛県今治から広島県尾道まで走り抜けたようです。参加者は口々に「楽しい」を連発していました。仲間内で楽しむイベント、島々を通り過ぎてしまうイベント。どこかせわしないイベント。自転車という点で共通ではありますが、私のようなのんびりとした自転車旅とはあまりにスタイルが違いますね。