小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2014/11/16

しまなみの島々 2014年10月

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2日目 大崎上島→ 大三島→ 伯方島→ 佐島→ 弓削島

6:30に朝食を摂り7:00過ぎに出発。朝はたいして冷え込まず助かりました。朝のフェリーで大三島に渡ることを伝えると、民宿の大将が「この時期、凪いじょると霧が出てフェリーが欠航することがあるけん」と、半ば心配してくれました。欠航だったらしかたありませんけど、できれば早めに渡って島々を走りたい。
未明に弱い雨が降ったようで、ウエット状態の路面を気にしつつ慎重に走っていきます。宿泊した大崎地区は島の西部で、これから向かう港は島の東側。まだ体が目覚めていない状態ながら、島の北側をぐるりと半周近く走り、木江港に到着しました。


大崎上島北部の海岸


木江の古い街並み

フェリーまでまだ時間があったので、木江の古い街並みへ行ってみました。
2年前初めて訪れ、個人的にある種の違和感を覚えた場所です。朝の街並みは相変わらずひっそりとしていましたが、しかし違和感など微塵も無く、島東部の静かな佇まいにぴったりと調和しておりました。
この静けさが心地良い。なぜ2年前と違った感触を抱くのか、自分でもよくわかりません。私の内部が変化しているのかもしれません。私が2年分老いたということかもしれません。とにかく私自身、この街並みにシンクロできつつあるのでした。
木江港からはフェリーで大三島へ向かいます。宗方港には15分ほどで到着。


フェリーは時刻通りでした


大三島 宗方港

大三島の南岸沿いに東へと走り始めました。変な表現ですけど、私は大三島とすぐにシンクロしてきます。
大崎上島とはそれほど離れてはいないのに、大三島の空気が全く違うことに気づきました。リズムに差異があると言えばいいのでしょうか。人影がほとんど無く、季節外れのウグイスが鳴いています。エナガでしょうか、スズメに似た鳥たちも、迎えてくれたかのように、木にとまっておりました。
うまく言葉にできないのですけど、あまりにも穏やかで、今が浮世であることを忘れてしまいそうでした。この島が神の島と呼ばれることに、頭では疑いつつも、心と体はすんなりと納得して受け入れることができます。
この南岸沿いの道、たしか5年前に一度走ったことがあり、UP-DOWNに苦しんだ憶えがあるのですが、今回は全くそんなことはありません。自転車の性能でしょうか。でも妻は私のよりも軽量なロードバイクながら、平坦区間がが極端に少ないルートに閉口しておりました。


神々しさすら感じる


大三島橋で伯方島へ

大三島橋を渡り、伯方島に入ってからはメジャーな南西側のルートを避け、はるかに交通量が少ない北側を周るルートで木浦港へ向かいます。北側は人影がまばらながら、しかし伯方島は大三島とはまた全然違う空気。伯方島だって穏やかなのに、なぜか言葉にできない隔たりがあるのでした。
休憩を挟みながら走り続け、木浦港に到着しました。本日はここでお昼にします。


昼食タイム


塩ラーメンのランチセット

私は日常玄米を食べているため、民宿で大食いした白米が少々負担になっている感触があり、塩ラーメンを注文しました。この塩ラーメンがすばらしい! ガツンと来る刺激はほとんどありませんが、塩分がまろやか。どこまでも素朴で、運動した体にやさしい味でした。
同じく塩ラーメンを食べていた2人連れのサイクリストとしばし雑談しました。広島在住で、ときどきこうして島へのサイクリングを楽しむそうです。いいなあ、手軽に島のサイクリングを楽しむことができる広島のサイクリストがうらやましい。
2人ともカッコいいロードバイクにお乗りでしたが、うち1人は新品の革サドルを装着されていて、お尻の痛みが気になるご様子。私も革サドルを愛用しているので、使い込めば快適になることを伝えると、そうですかぁと少々嬉しそうな反面、使い込むまでのつらさを心配されていました。でもね、私はもうパッド付きパンツは要らないのですよ。
エルゴとかジェル素材とか、どこか論理的でカーペットとソファ的なのに対し、革サドルって、一見理解不能な畳と座布団的な気がします。少なくとも日本人には合ってる気がしますよ、革サドル。

さて、木浦港から乗船するのはフェリーではなく高速船。自転車に付けたバッグ類を取り外し、自転車は船内に持ち込めない荷物として運搬してもらえます。
フェリーとは違ってスピードが速い。伯方島を出港して途中、岩城島を経由、20分ほどで佐島へ着岸しました。


木浦港


佐島から弓削島へ

再びバッグ類を自転車へ取り付け、佐島を走り始めました。
まもなく弓削大橋を越えて弓削島の中心部へと到着。2年前にも寄ったカフェで休憩します。パウンドケーキセットのケーキだけでなくアイスも果物もおいしい。離島はこんなにも豊かなのですねえ。


弓削のカフェ


スイーツタイム

ここから妻は温泉施設:インランド・シー・リゾートフェスパなるところへ。私は2年前同様、島をぐるりと周ることにしました。この日は冷たい北風が強く吹き付け、なかなか前へ進みません。穏やかな島ですが、こんな日もあります。じっくりと、強風の島を味わいましょう。
島北部のキツイ勾配を上り終えると、眼下には穏やかながらどこか厳しさを内包する景色。北風は多少収まり、あまりにも静かな世界が拡がっておりました。同じ瀬戸内海でも見る場所によって、ずいぶん違って見えるものです。


弓削島西部


弓削島東岸

起伏に富んだ島の東側を堪能した後、南東部の法王ヶ原へ行ってみました。ダイナミックな島東部の断崖に比べ、小規模な松林とその端に位置する弓削神社の何と温かなこと。なぜそう感じるのか説明できないのですけど、とにかく居心地が良いのです。時間が許せば、いつまでも佇んでいたい場所でありました。


松原海水浴場


味わいある路地

徐々に日が傾いてまいりました。カフェに戻って妻と合流し早めに民宿へ、のはずが、カフェではスタッフの方々と妻が談笑しているところでした。2年前に私がここを訪れたことをきっかけに、カフェを経営する会社が扱う通販で果物や乾物類を購入するようになっていた私たちでしたが、妻が電話で仲良くなっていたというスタッフの親子が来て、大いに盛り上がっていたのでした。
話は尽きることなく、とうとう日が沈んでしまいました。慌てて民宿へ向かいます。
北風は一段と冷たく、刺すようでありました。3kmほど走るともう真っ暗寸前。民宿の看板が見つからず、近所の方々に場所を尋ねながら何とか辿り着きました。 この日の走行距離:約60km。
民宿は普通の民家で看板はありません。確かに目の前に来てもわかりませんね。


民宿に到着


夕食は大ボリューム!

食べきれないほどの夕食は、中でもタコの鮮度抜群。旬のメバルは身が締まり、愛知県で食べるものとは別物でした。デザートにと供されたイチジクだって、しっかりした身と爽やかな酸味。今まで食べていたイチジクは何だったのでしょう。この日も頑張って完食しました。

民宿のおばちゃんは素朴な人柄。弓削の自然を体で感じていってね、と。
春には弓削島の島四国が開催され、おばちゃんは巡拝する人々をお接待するのがとても楽しみなのだそうです。まるで慈母のような方でした。