しまなみ〜東予〜讃岐 2022年10月
1日目 >2日目
異例なほど長い間蒸し暑かった夏の後に気温が急降下。それから秋らしい寒暖差の激しい日々が続き、自律神経が疲弊してしまい、体力的な自信も乏しく、旅の計画を立てたのが1〜2週間前。仕事のストレスは増えるばかり、給与は減るばかり、記録的な物価高に気分は滅入るばかり。でも新型コロナウイルス第7波が落ち着きつつあるこのタイミングを逃すまいと走ってまいりました。
1日目 自宅→ 新尾道→ 因島
前夜、仕事の後に慌てて荷造り、バタバタしていて日常を引きずった感覚のまま新幹線三河安城駅まで走り、輪行作業。売店でお弁当を購入し、構内のチェーン店でコーヒーとトーストを。
早くも旅気分を満喫中の妻に対し、私はこれから自転車旅に出るなんて気分は限りなくゼロに近く、名古屋で降りて自転車を組み立て帰宅するイメージのほうが強いくらい... 今の私は娑婆の臭気にかなりやられてしまっているようです。
三河安城駅構内でコーヒーとトースト
名古屋駅でのぞみ号へ乗り換え
前日に妻から聞いて知ったのですが、何と翌日がしまなみ海道の大規模自転車イベント、この日がその受付日で参加見込み7,000人だとか! 新幹線移動者だってかなり多いはずですので、デッキが満杯かと不安になっていたのですが、車内のデッキが空いていてひと安心。無事輪行袋を置くことができました。
お昼は天むす弁当¥600
福山駅でこだま号に乗り換え
福山駅でこだま号に乗り換え、新尾道駅で降車、さっそく自転車を組み立てます。
輪行客は私たちのほかに2人。意外と少なく、作業スペースに困ることが無いのはよかった。しかし日差しが暑い。寒暖差に体がまいってしまうだけでなく、新尾道駅はこの春にも来たばかりなこともあって、気分が上がりません。ともかくあれこれ考えずに淡々と作業を進め、淡々と尾道市街へ向けて出発しました。
新尾道駅で自転車を組み立て
駅前渡船で向島へ
尾道に到着すると、春に訪れたときと同程度がそれ以上の賑わいでした。早々に駅前渡船に乗り込み、向島へ渡ります。日常を引きずり、どこか急いてしまっている気分を落ち着けようと港近くの喫茶店で休憩しました。
味のある喫茶店 コーヒーとトースト
ゆでたまごはサービス
サイクリストが多く行き交う中、喫茶店内は空いていて、歴史を感じる落ち着いた空間。ママさんも、常連らしきシニア客も、初訪問の私たちにフレンドリーで人心地つきました。やっと、やっと旅気分になってまいりました。ここまで来ないと解放されないなんて、精神的にだいぶまいっていたようです。
いよいよ向島サイクリングがスタート。やはりサイクリストが多い。海沿いに出ると景色がいい! おしゃれなカフェもあり、サイクリストがおおぜい集まっているようです。地元の、生活感いっぱいの喫茶店には寄らず、群れを維持したまま生活感の無い場所を体験するスタイルなのでしょう。イベント客を狙ったのか、移動店舗型のようなカフェもいくつか見かけました。おしゃれなカフェには寄らず、海沿いを南下していきます。でも秋だというのにまさかの南風、逆風であります。日本の南西海上に発生した台風22号の影響でしょう...
あの因島大橋へ上ります
因島大橋を渡る
因島大橋へのアプローチも自転車が多く、なんだか都会のサイクリングロードのよう。旅人風情の方々というよりも、ほとんどが軽装、軽装備のようで、あまり親近感も湧きませんでした。電動アシスト自転車の集団が何か大声で会話しながら、私たちを含めた人力自転車を次々に追い抜き、軽々と上っていくのでした。
因島大橋を渡り、因島西岸を進みます。サイクリストは見かけるものの、数が少なくなったようです。イベント前日とはいえ夕方になったからでしょうか、日暮れも近いですし。
因島でも向かい風のまま、体力を削られ、コンビニでの休憩を挟み、土生に到着しました。この日の走行距離約41km。
スーパーに寄って翌日の朝食を購入、それから小さな旅館に投宿しました。予約したのが5日ほど前、予約可能だったのがここだけ。1人1泊¥4,500のところを旅行割適用で¥2,700に。さらに¥1,000のクーポン券も、ありがたい限りです。
スーパーで地元のパンを購入
普通の民家ぽい旅館です
商店街あかり祭りが開催されていました
夕食はピザを
夕食はピザのお店。マルゲリータのピザとサーモンクリームパスタをいただきます。チーズが香り良く濃厚、小麦もハイレベルなものを使っていることがわかりました。
会計の際、店のおねえさんにおいしかったこと、良い材料を使っていることがわかりますと伝えると、営業スマイルから一転、こらえていた感情が溢れ出るかのように話してくださいました。昨今の価格高騰ですごく困っていること。こだわりのチーズは輸入品、国産チーズで代用すると安価だが、それでは他所の店と同じ味になってしまうこと。チーズを減らすことも考えたけれど、客はたっぷりとしたチーズの風味を求めていること。質を落とさずやむなく値上げするしかなかったこと...
話してくださってありがとうございます、、大変でしょうけれどがんばってくださいとお伝えすると、おねえさんはこれでまた頑張れる、と朗らかな表情に。自分たちだけじゃない、いろんな立場の方々が辛い思いをされていると感じた夜でした。