小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2022/12/25

しまなみ〜東予〜讃岐 2022年10月

  3日目 >4日目

4日目 高松→岡山→自宅


未明から雨


駅構内のベーカリーでパンとコーヒー

この日はあいにくの雨、それもまとまった雨。予報が外れたら近所にうどんを食べに行こうという淡い期待は帳消しです。時間の経過とともに雨脚が強くなる予報だったため、早朝に高松駅まで移動。奇跡的に雨がほぼ止んで助かりました。
輪行作業を終え、駅構内のベーカリーでパンとコーヒーの朝食を。四国を走り終えたという安堵感から、妻が疲労を訴えております。この日もし晴れたとしても、数km圏のうどん店に行くことができたかどうか怪しかったと思います。

4日目はあれこれ思うように行かないことがありました。これらも旅のうちですから記録として書いておきます。まず、岡山までの快速電車が動物との接触事故で30分前後の遅れ。その後もダイヤが乱れることが予想されたため、指定席を予約していた快速には乗らず、2本前の快速の自由席に乗車しました。ある程度覚悟はしていましたが、通勤客と思われる多くの乗客と乗り合わせ、車内は大混雑でした。まぁ、この程度は想定内と言ってもいいでしょう。
次に岡山で新幹線のぞみ号に乗り換えます。


岡山駅で乗り換え


サンドイッチに鯖ずしという組み合わせ

新神戸だったでしょうか、外国語を喋る女性が私たちの隣の席に乗車。車内最後列の座席の後ろの特大荷物スペースには妻の自転車の輪行袋。もちろん切符購入時にスペースを予約済みです。しかしその女性の大きなスーツケースは収まりません。
「あのー、ここの荷物スペースを予約されていますか?」そう尋ねる間もなく、その女性は何か叫んだかと思うと、自身の大きなスーツケースに勢いをつけ、ドカンドカンと妻の輪行袋にぶつけて押し込もうとし始めました。もう止められません。殺気すら感じる勢いの中、満足したのか諦めたのか、女性は押し込むのを止め、席に座りました。

名古屋駅で乗り換えた新幹線こだま号の車内では、私たちが予約した特大荷物スペースは他の乗客のスーツケースが複数置かれ、輪行袋を収めるスペースはありませんでした。おまけに私が予約した指定席には別の御仁が陣取っています。 「切符を確認させてもらおう」という私に、妻は「ひと駅だけの乗車だし、もうこのままでいいよ」と返します。確かに無駄なエネルギーを使うべきではないのかもしれません。デッキに2台分の輪行袋を置いた横で、立ったまま三河安城駅まで移動しました。

この日は愛知県内も本降り。三河安城駅から自走するのは諦め、JR在来線で最寄り駅まで移動。前日とは違って気温が上がらず、我慢できない寒さの中、自転車を組み立てます。
いつもは自力で輪行、自力で自転車組み立て作業を行う妻が、珍しくリアホイールがはまらないと言い出しました。私が確認してみると、確かにはまりません。改めてよく観察すると、ディレーラーハンガーが変形、というか、強い衝撃が加わった後のように、ディレーラーハンガーを取り付けている小さな2本のボルトが吹っ飛び、1本だけかろうじて残っている状態でした。妻は、あの外国人女性がスーツケースを繰り返し激しくぶつけたからだ、と言いますが証拠はありません。ともかく携行工具を使って残っていた1本のボルトを取り付け直し、どうにか自走できる状態にすることができました。
雨具を着込むも少しためらうほどの雨脚は、一向に衰える気配がありません。予報を見ると夜まで雨。覚悟を決めて走り出しました。3泊4日の荷物を載せた自転車は、雨中走行での下り坂で驚くほど制動距離が伸びてしまいます。しかも雨天時は当たり前ながら、ブレーキシューがみるみる削れてホイールがドロドロに...

いいんです。思うようにいかないことの数々も含めて旅の要素なのです。いいことばかりではないのが自然ですし、思い出に残るような気がします。このレポを書いていると、思うようにいかなくても、また旅に出たくなります。
何かの病的体質なのかもしれませんね...
                           (おしまい)