小さい二輪車ライフ、小さい旅

最終更新日: 2025/12/21

紀伊半島の海岸線2025秋 2025年10月

  2日目 >3日目 >4日目

3日目 すさみ→ 白浜→ 紀伊田辺


前日購入したおにぎりを朝食に


この日もアップダウンを覚悟します

この日もアップダウンを走ることになりそうです。エネルギーを溜めるべく、朝食に前日購入したおにぎり焼きそばセットに加えて南高梅おにぎり単品を。私の特異体質のせいか、化学調味料が強め... 気を取り直して出発します。
妻はもう苦行はイヤ、と朝からリタイヤ。サイクルトレインで目的地へ向かいます。私は単独で走り始めました。一人ですから、妻に気を使うこともなく気ままにマイペースで走っていきます。


さっそくアップダウンと狭いトンネル


日置川を超えて一時国道を外れます

道の駅志原海岸まではおおむね平地といえる程度でしたが、ここから本格的にアップダウンです。前日の疲れは残っているものの、こなせるレベル。年齢的にここ1〜2年で体力が大きく低下してきた感触とはいえ、まだまだ捨てたもんじゃない。勾配が緩めだから? それともこの区間は気持ちの準備ができているから?
よくわかりませんけれど順調に走れてしまい、想定外に早く朝8:30前に道の駅椿はなの湯に到着してしまいました。
少々楽しみにしていた足湯は10:00からの営業... 時間をつぶせそうな施設もなく、ここまでの上り坂で手足はやや温まっていたこともあり、足湯は諦めました。コーヒーだけ飲むことにして、売店が無いため自販機を物色するとホット飲料が無くコールドのみ。


道の駅 椿はなの湯


“つめた〜い”缶コーヒーを

ベンチに座ってコールド飲料を飲んでいると、さすがに体が冷えていきます。
あまり長居することなく道の駅を後にしました。


晴れ間が出てきました


JR白浜駅到着

晴れ間がのぞき、気温が上がってきました。アップダウンも勾配が緩くなり、気持ちまでラクになってきます。国道42号を逸れてJR白浜駅に到着。平日だからか利用客が少なめですけれど、外国人観光客が目立ちます。中でも中国人の個人レベル観光客が多い印象です。私は良いことだと思っています。個人レベルでいくばくかでも交流があることで、異文化間の相互理解が少しでも進むことを願っております。

ここから向きを変えて白良浜を目指します。皮肉にもまたアップダウンの繰り返し。イラついてもしかたありません。淡々と進んでいきましょう。景色が一気に観光地めいてきて、ひときわ賑やかな一角を通り過ぎると、そこが白良浜でした。

ずいぶん昔、30年ほど前に2回だったか、車で来たことがありますが、改めて自転車で来てみると、これまで以上に素晴らしい! うんざりするほどのアップダウンと岩場ばかりの景観のこの紀伊半島南岸の中で、奇跡的に穏やかな砂浜が広がるこの白良浜は、自転車で訪れるとひときわ白く美しく見えるのでした。
日が差して暖かくなってきたし、せっかくなので靴を脱ぎ、海に入ってみます。海も砂浜も気持ちいい。なんて良いところなのでしょう!


白良浜に到着!


ジジイの汚い足で申し訳ない

他の観光客の邪魔をしないよう、離れて海に入り、出てから砂浜に座っていると、向かって右の、10メートル程度は離れていたはずの若い女性2人連れが、海に向かって写真を撮りながら、徐々に私のほうへ近づいてきています。
中国語が聞こえてきました。私は片言レベルで話すことはできるので、彼女らに話しかけてシャッターを押してあげるくらいのことをしようかと思いました。
ですが、ちょっと待て。彼女たちが手にしているのはスマホだけではありません。高価そうな一眼レフと大きなレンズを携えています。それだけでなく、普段着とはかけ離れた高価な衣装をキメているように見えました。
推測ですが、彼女たちはセミプロあるいはアマチュアレベルのプロモーション動画を撮影中。場所を少し移動したのは光の加減か、背景を変えたいからであって、現地日本人ネイティブと交流したいわけではない。もしも私が話しかけた場合、彼女らにとって自転車に乗った私は、キモくてカネのないジジイに見えることでしょう。楽しい旅の1ページを、私が汚すようなことをしてはならない、そう思いました。

さて、お昼にしましょう。
白良浜周辺の観光客相手のお店はどこも値段が高め。それに自転車に乗った小汚い私が立ち寄るようなお店はなさそうです。少々離れた程度では良さそうなお店が無く、海の香りも届かないであろうところまで走り、看板もない小さなお店に入りました。


看板がない食堂、地元客専用?


自由におかずを選び¥750税込!

丼物と迷いましたが、おかずを選ぶことに。焼きサバと出汁巻き、ひじきの煮物、とん汁をセットにして¥750税込! ここが白浜とは思えないリーズナブルな価格設定。このサバが一級品でした! 脂が乗っていて塩加減バッチリ。とん汁も体が温まり、すっかり満足しました。
食堂はあまりゆっくりできる雰囲気ではなく、食後はコンビニへ移動し、地べたに座ってコーヒータイム。学生時代から何の進歩もないようですけれど、これが私のスタイルなのです。


コンビニで食後の休憩


スーパーに寄って食料を調達

白浜から田辺市に入ることには交通量がさらに増えるとともに、原付や原付二種を見かけることが多くなってきました。もちろん東日本でも見かけることは少なくないのですけれど、ここで見かけるのは老若男女、特に若年層〜中年の女性ライダーが多いこと。近畿圏のひとつの特徴だと思います。他の地域では四輪、どちらかといえば軽自動車を志向するケースが大半でも、近畿圏では必ずしもそうではない。東日本に比べて同調圧力が少ないのでしょう、近畿圏都市部では合理的な移動手段として原付や原付二種を選択することが相対的に多いのだろうと想像します。

妻と合流する前に、スーパーへ寄って翌朝の食料を調達します。スーパーのおにぎりは飽きてきたので、パンをチョイスしました。
この日鉄道で移動した妻と紀伊田辺駅で合流。妻が勧める和菓子店へ付き合った後、駅近くの昭和レトロな喫茶店でコーヒー休憩。


紀伊田辺駅で妻と合流


喫茶店でブレンドコーヒーを

喫茶店のマスターに近くの浜がいいとおしえてもらい、向かってみます。


扇ヶ浜


リラックスできました

そこは扇ヶ浜でした。白良浜ほどの特別感はないものの、穏やかで落ち着きのある良い砂浜です。この日、自転車でほとんど走っておらず、旅に来たのに中途半端な気分だった妻が、砂浜で波の音を聞き、すっかり気持ちがほぐれたそうです。
長居していたら気温が下がってきて、なんだか寒気がします。油断した... 宿へと移動しましょう。


この日はレトロな旅館に投宿


素泊¥3,700/人 税込 風呂トイレ別

宿泊する旅館は昭和中期?の歴史あるたたずまい。トイレも和式。私たちは価格重視。風呂に入れて布団で横になることができればそれでいいのです。
この日の走行距離45km。


夕食は駅から少し離れた食堂へ


夜定食¥1,200税込

駅前の繁華街とその周辺は居酒屋や焼肉店など客単価が高め。食事だけしたい私たちは駅から少し離れた食堂へ。ここで選んだ夜定食、いくつかの種類の中から2つの品を選ぶスタイルで私は焼き鮭と野菜炒めをチョイス。嬉しいことにボリュームたっぷり、何よりも野菜炒めが旨くてアタリでした!